第30記:洗濯場
眼が覚めた。枕辺のアナログ時計が「朝の6時半」を示していた。カーテンを開けて、外の様子を窺った。どうやら今日も晴れてくれそうだ。
洗面所に行き、顔を洗った。台所に行き、電気ケトルにミネラル水を注いだ。沸き立ての湯で、インスタントコーヒーを淹れた。山田先生の『信玄忍法帖』の続きを読みながら、熱いやつを飲んだ。
身支度を整えてから、自室を出た。出ざまに、玄関の施錠を済ませた。一週間分の衣類を担いで、近所のコインランドリーへ向った。朝の日差しを背中に浴びながら、渇いた路面を歩いた。寒さは感じない。11月中旬とは思えぬ気候である。
ランドリー到着。幸いなことに、店内はガラガラに空いていた。マシンの中に担いできたものを全て放り込んだ。その上にライオン社の『部屋干しトップ』をばら撒いた。扉を閉め、お湯洗い(やんわりコース)を選んだ。指定の金額を投入し、起動ボタンを押した。所要時間は約30分である。
帰宅後、バルコニーの物干し台に脱水衣類を吊るした。作業後、再び湯を沸かした。菓子パンを食べながら、熱いやつを飲んだ。居室に行き、愛機を起動させた。メクるとぴよぶっくを呼び出し、転生作業に没入した。この間、俺の時間感覚は喪失する。気がつくと、昼の1時を過ぎていた。
シャットダウン確認後、再び外出した。駅前商店街に行き、中華料理屋の暖簾をくぐった。満席に近い状態だった。この時間帯になると、向かいのパチンコ屋から、お客が流れ込んでくるらしい。俺にはよくわからないが、パチンコにも相応のエネルギーを使うのだろう。使えば当然、腹が減る。減れば、飯が食いたくなる。自然の道理である。
俺は空いている席に腰をおろし、味噌ラーメンと小チャーハンのセット(デザート付き)を注文した。できるまでの間、信玄の続きを読んだ。〔17日〕
[Quinもわさんのコメント]
一定のペースで転生作業は進んでるようですね。感心致しまする。
[闇塚の返信]
ともあれ、今月ですね。今月中にできる限り、進めておきたいですね。来月はさすがに年末の用事もあるでしょうから。
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