第21記:大暗闘
発車と同時に『信玄忍法帖』の続きを読み始めた。戦国の巨竜、武田信玄。主君の遺言を果たすべく登場するのは「死んだはずの」山本勘介!敵方の家康は九人の忍者を甲斐に派遣し、信玄の生死を探ろうとする。かくして、両軍攻防の火蓋は切られた。抜群の面白さ。いわゆる「影武者」を題材にした活劇小説の中では、最高の出来ではあるまいか。
職場に着いた。売店に足を進め、朝食を買った。卓席に陣取り、菓子パンを齧りながら、コーヒー(約五割)を飲んだ。今日のコーヒーは適度な熱さで旨い。その日によって、温度が変化するような気がするが、理由はわからぬ。本当に「気のせい」なのかも知れない。ラジオの情報番組を聴きながら、残り五割を飲む。今日の話題は「無人コンビニ」であった。
午前業務終了。職員食堂に行き、販売機でBランチの食券を買う。今日のBはシーラカンス…ではなくて、アラスカメヌケ(多分)を煮たやつ。味つけに個性が感じられないが、ともあれ、食べ続ける。小鉢はきんぴらごぼう。食後に飲む冷水が旨い。かなり動き回る仕事なので喉が渇くのだ。
空の食器を載せたトレイを所定の棚におさめ、休憩室に行った。十分程度仮眠。眼を覚ますと、全ての席が埋まっていた。過半数が眠りの世界に落ちていた。いよいよ敷地内屈指の(?)昼寝スポットと化してきたらしい。俺はAさんと入れ替わるようにして、席を立ち、午後の仕事へ向かった。〔8日〕
[シンカワメグムさんのコメント]
山田風太郎氏の生原稿は、ほとんど現存してないと、
風太郎マニアの友人から聞いたことがあります。
焚火がお好きだったそうで、返却された原稿を燃やしていたとか。
な、なにやってんだよ~…風太郎~…!_| ̄|○
作家様の400字詰めの原稿用紙の生原稿って、ドキドキします。
活字にされる前の生原稿には、きっともっとスゴイ書き込みが……。
な、なにやってんだよ~…風太郎~…!!_| ̄|○ 二回目。(笑)
この位の破天荒さがないと、あんなに面白い活劇は書けないのかも。
食堂メニュー、安定のローテーションですな。(・∀・)
いやでも、やっぱりアラスカメヌケ(?)お高いらしいですよ~!
[闇塚の返信]
あるいは、執筆(の苦労)の痕跡を自ら消しておられたのかも。印刷され、発表物に載った時点で「その作品は終わり」なんでしょうね、先生の場合。
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