第8記:光の国
シャットダウン確認後、晩酌の支度を始めた。卓上に酒と酒肴数品を並べた。ラジオを聴きながら、レジェンドの水割りを呑んだ。その後、コンビニで買ってきた「ガーリックバターチキン弁当」なるものを食べた。
食後、洗面所に行き、歯を磨いた。居室に戻り、円盤(DVD)再生機の中に『最後の晩ごはん』の1枚目を滑り込ませた。当世流行の「めしもの」に分類される作品だが、内容は相当変わっている。異色のドラマと云っていい。主演の二人もそれなりに頑張っているが、オールドファンの俺としては、篠田三郎の出演が嬉しい。不思議な役を楽しそうに演(や)っていた。
篠田さんと云えば、地球の平和を守るために怪獣と戦っておられた頃の勇姿が忘れられぬ。ヒーロー俳優は、良くも悪くも、イメージが固定化されてしまう傾向があるが、篠田さんは巧くかわされた方であろう。年齢相応に老けられたが、この方(かた)特有の清潔感は健在である。
翌日(つまり、今日)の朝が来た。洗顔後、身支度を整えた。カギをかけ、自室を離れた。廊下を進み、階段を下った。数日分の衣類を担いで、近所のコインランドリーへ行った。幸い、店内は無人であった。
集金おじさんや清掃おばさんが登場する前に仕事を済まさなくてはならない。彼らはまことに業務熱心で、客がいても、いなくても、独自の活動を展開される。何者も彼らの活躍を妨げることはできないのだ。
脱水衣類を担いで、ランドリーを出た。帰路の途中、牛乳屋さんの鎧戸が閉められていることに気づき、俺は「はっ」とした。どうやら閉業されたらしい。おじさんもおじさんも疲れ果ててしまったのか。夏場、店頭で飲む冷たい牛乳の味は格別であった。俺の楽しみがまたひとつ消えた。 〔26日〕
[柳乃奈緒さんのコメント]
光の国懐かしい。特に篠田さんが演じているあの頃、テレビにかじりついていたのはワタクシ柳乃であります。
[闇塚の返信]
篠田さん、カッコ良かったよね。最終回も印象的でした。
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