第8話 種族のイドラ② βー6

 カエデ「そうですね。根拠が確認出来ない場合はかっこ( )を付けて仮定して聞いて下さい。これは、常に意識する様に訓練しなければ人間は必ずサボります。認知バイアスは、先程の例の様に数少ない経験や意見から今迄の経験を交えてしっくりくる結論に流されがちなのですが、ある程度同じような偏った経験と意見が蓄積すると、相反する情報は怪しい情報→嘘の情報→不快な情報→不必要な情報→抹殺すべき情報・・という具合に自分が正しいと認識した情報以外を受け付けなくなります。そして、人間は多種多様な情報に囲まれているにもかかわらず、わかったつもりになってそれ以上追求せず満足してしまうのです。」


 メガネ「何だか洗脳されているみたいですね。」


 カエデ「その通りです。人間は、簡単に洗脳されます。歴史的な例だと20世紀のナチスのプロパガンダとかスローガンが有名ですが、偏った内容を記憶に残る様に繰り返しインプットするだけの拍子抜けする様な簡単なお仕事です。」


 メガネ「ん?でもそれって何かを勉強する時の常道では?」


 カエデ「その通りです。これは、記憶するための重要な過程でもあるのです。勉強、教育等と言葉を言い換えていますが洗脳と同じです。」


 メガネ「おぉぅ・・言われてみればそうかも」


 カエデ「しかし、正確な情報、真の情報を記憶するための重要な過程でもあるのです。ですのでインプットする内容が正しいかどうかが非常に重要となります。そのためには、裏を取ったり情報ソースを確認したりデータベースを検索したり等といった活動を怠ってはいけません。完全に正確な情報こそ、イドラエスケーパーにとって必要不可欠な最重要のものなのです。」


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