第7話 種族のイドラ① βー5
メガネ「種族のイドラ・・最初に出てくる全ての人間が嵌まるイドラですね。」
カエデ「そうです。種族のイドラとは、人間が種族として共通に生まれながら持ち合わせているものからのイドラで、例えば人間の目は360~830nm の波長の電磁波を色や光として認識する様に出来ていますが 、それ以外の電磁波が見えないので、致命的なX 線発生源があったとしても危険性に気付かず近づいて何が起こったか認識できないまま死にます。」
メガネ「確かに」
カエデ「先程例に出した犬にも種族のイドラがあって定期的に外に散歩に出すとオシッコで縄張りを作ろうとする習性があります。そのため元々外の世界を知ると脱走しやすい種族です。」
メガネ「なるほど」
カエデ「人間にも共通の習性があって、認知バイアスと呼ばれています。」
メガネ「認知バイアス?」
カエデ「認知バイアスとは、人間が思考コストを省略して判断速度を短くする過程で生じるバグの様なものです。例えば、さっき犬の縄張りの説明ですぐに納得されていましたが、オシッコで縄張りを作ろうとする習性という部分に疑問を感じませんでしたか?」
メガネ「特には・・確かに犬は外に散歩に出すと電柱の匂いを嗅いでからオシッコをしているので他の犬の縄張りを自分の縄張りだと主張している様に見えます。」
カエデ「単に犬どうしの挨拶かも知れないし、以前の自分のオシッコを嗅いでいるだけかも知れないし、オシッコする前に匂いを嗅ぐ習性かも知れないし、全ての犬じゃなく犬種特有の習性かも知れないし色々と可能性が考えられますよね?」
メガネ「確かに・・でも縄張り主張だと誰かに聞いた気がします。」
カエデ「では、数少ない経験と数少ない他人の意見だけで納得したんですね?」
メガネ「そうですね。」
カエデ「縄張り主張の根拠は確認しましたか?」
メガネ「確認していません。」
カエデ「では、間違っているかも知れませんね?」
メガネ「そうなりますね。」
カエデ「縄張り主張かどうかは諸説あってはっきりしていない様です。」
メガネ「そうだったんですか?すっかり騙されました。でもいちいち正確な情報かどうか確認していたら話が進まないですよね?」
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