第4話 イドラエスケーパー βー2

 カエデ「マジです。ちなみに私はあなたが1999年にある実験を実施した世界線から通信しているイドラエスケーパー支援AI のカエデと申します。」


 メガネ「えぇ?!・・1999年?実験?AI ?世界線?冗談ですよね?・・イドラエスケーパーって?」


 カエデ「イドラの意味はご存知ですか?」


 メガネ「えっと・・人間が陥りがちな落とし穴・・みたいな意味でしたっけ?」


 カエデ「大体そうです。この世界線のwiki から引用すると、"イドラ(羅: idola、ラテン語イドルム idolum の複数形)とは、人間の先入的謬見(偏見、先入観、誤りなど)を帰納法を用いて説いたもの。16世紀から17世紀にかけてのイギリスの哲学者、フランシス・ベーコン(1561年-1626年)によって指摘されたもので、「偶像」「幻影」などと訳される。ラテン語で偶像を意味し、英語の「アイドル」の語源でもある。"となります。フランシス・ベーコンは、代表的著書ノヴム・オルガヌムでイドラを人間が正しい認識を防げ、過ちに陥らせるものという意味で、四つに分類しています。種族のイドラ、洞窟のイドラ、市場のイドラ、劇場のイドラの四つですが内容はご存知ですか?」


 メガネ「昔読んだような気がしますがすっかり忘れてしまいました。」


 カエデ「例えば洞窟のイドラとは、個人に特有な環境等に由来するこだわりのイドラで、例えばあなたの場合、本好きが行き過ぎてもっと人生に優先すべきものがあったとしても図書館という洞窟に引きこもったまま寿命を迎えて死にます。ある意味幸福な人生ですがイドラエスケーパー支援AI の立場としては推奨できません。」


 メガネ「おぉぅ・・まさかイドラエスケーパー支援AI というのは・・」


 カエデ「お察しの通り、人間をイドラからエスケープするお手伝いをする為のお助け装備です。 」

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