第3話自分をしっかりと持って
「お帰り」
聡一の言葉を無視し、いきなり俺は木刀を縦に振り下ろし聡一の前髪をかすると、地面を砕いた。
「何するんだよ龍正」
聡一。
聡一か。
俺の声は虚しくも届かない。
俺の身体を操ってる奴は誰だ。
「出て来い?」
「貴様か?世を呼んだんのは」
こいつは。
今俺達は自分の精神の中で喋っている。
姿を見せたのは俺に雷を落とした奴だ。
「何でお前がここにいる?」
「貴様が王になる事を望んだから。貴様は俺で。俺は貴様だ。何故急に俺が現れたか分かるか?」
そんなもん知るはずもない。
「貴様が負の感情を抱いたから世が出現したのだ」
確かに俺はこいつが現れる前にあまりいい感情は湧かなかったかも知れないが。
「それだけで「それだけで世は生まれた」」
「世と一緒にこのよを滅ぼすぞ。まずは魔法を使える奴を皆殺しにする」
「やめろ。そんな事はさせない」
「いいのか。このままだとただ悲しいだけの人生になってしまうが?」
「それは「それは嫌だろ」」
「だが聡一は俺と同じ魔法使いじゃない。殺す理由はない外だ」
「ダメだね」
「何故?」
「世の前に立ちはだかった。こいつはそれだけで殺す対象になる」
「そんな事はさせない」
「だが見てみろ」
聡一。
聡一の首を俺の右手が掴み今にも絞め殺そうとしていた。
「龍…正…どう…し『ドゴーン』」
何かが空から降って来て俺の右腕を切り落とした。
『ゴホゴホゴホゴホ』
「大丈夫か?」
「はい。あなたは?」
「俺はうーん勇者って所だな」
「勇者って本当に実在してたんだ」
「とにかく早いとこあいつを片付けるぞ」
「待って下さい。あの人は友達なんです」
「良く見てみろ。あいつは人なんかじゃない」
俺はあいつに切られた腕が再生した。
「人間が腕を再生するのは不可能。魔法使いならまだしも。俺達は剣しか使えないのなら、なおさらな」
勇者は目にも止まらぬスピードで俺の両腕、両足を切り裂いた。
『グハ』
「さてとチェックメイトといきますか」
勇者は俺の心臓を狙って一直線に刃を突き出した。
死んだな。
俺。
『ガキーン』
聡一が木刀で勇者の攻撃を受け止めた.
「そこをどけ。あいつはまたお前を襲って来るぞ」
「友達何です。龍正わ」
俺は勇者に斬られた所が再生し異次元に消えて行った。
「何で止めた?」
「龍正は友達だから」
「見ただろ。あいつはもうお前の知っている奴じゃないんだよ」
「それでも友達だから」
「まぁいいや奴らの場所は大抵分かる」
「僕も連れてって」
「お前を」
「どこだここは?」
俺は確かどこかに消えた。
何もない世界。
また暗闇の世界だ。
「王よ」
俺がこの世界に足を踏み入れたのを知ってか誰かが俺に向かって喋った。
「王よ」
真っ暗な世界にも俺は見えるようになり、階段の上に玉座がある。
その横には屋上で見た奴らが片膝を折頭を下げている。
一歩一歩と俺の意志とは違い身体が玉座に向かって歩き座った。
『王の帰還なーり』
『世は戻ったぞ』
『ウォーウォーウォー』
そこら中から歓喜の声が広がった。
『今から忌々しい魔法使い共を皆殺しにする』
俺の意志とは無関係に口が動く。
『ウォー』
「その前にまずおまえがあの勇者とかいう奴を殺せ」
そいつはその言葉と同時にどこかに消えた。
「もっと早く振れ」
「もうこれ以上は振れないです」
僕は今勇者様から剣の使い方を教えてもらっている所だ。
「お前が強くならなくちゃいけないんだ。お前が助けるんだろ?」
分かってる。分かってるけど僕は龍正みたいに男らしくないと言うか根性ないもん。
「はい」
「お前には剣の才能がある」
「僕ですか?」
「俺の剣を止めたんだぜ。自信を持て」
「はい」
僕は龍正さの代わりに龍正の学校に行く事になった。
あの後、生徒達は勇者が癒やしの力なんやで意識不明の重傷者は命だけは取り留めた。
皆今は普通の学校生活に戻った。
剣の道 てるた @teruo0310
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