第36話 古代の森の入口


 その日以降、僕は、ゴブリンの集落潰しに更に没頭するようになった。


 夜な夜な野山に分け入り、山間部に点在する集落を襲撃し、女性を救出する。

 そして、メダル持ちのゴブリンを力でねじ伏せて、彼らの意に沿わぬ命を下す。


 奥地に分け入るほどに、強化されたゴブリンが増えてきた。

 いずれもエルフの系統を継いだ、弓や魔法に特化していた個体ばかりだった。


 だが、僕は一度戦って、奴らの芸風が分かっている。

 それに加え、打たれ強さと回復魔法を兼ね備えている僕だ。

 対処など容易く、遠距離攻撃など物ともしない。


 楽々とゴブリンの集落を落とし続けた結果、かなりの物資を収奪することができた。これらの物資は、いまはインベントリの肥やしにしているが、機をみて売り払いをしたいと思っている。


 また、僕は容赦なくゴブリン達を蹴散らして、延べ数千人の女性と数百人の女エルフを救出した。

 人間の女性は近隣の村々に丸投げしたが、女エルフとなるとその辺の村人に丸投げするわけにもいかない。


 僕は、そうしたエルフ女性を続々とに送り込んだ。


 すると、ある日を境に歩哨が立てられるようになったので、への行き方を教えてから放流するなど涙ぐましい努力が求められるようになってきた。


 敵もさるもので巡回職員を配置するなどの工夫をしてきた。

 うかつに放流すると、僕の姿を見とがめられるかもしれない。

 だから、僕にも高度なテクが求められるようになり……最終的には、ドローン操縦士のごとく遠隔操作を駆使して無事女エルフを置き逃げしたのだった。





 気が付くと、数か月の時が過ぎ……僕の手元には46枚のメダルが集まっていた。



 残りの1枚を持っているのは、恐らくゴブリンキングだ。


 そんな予感を感じながら、僕はエルフの住むという"古代の森"の端辺にたどり着いたのだった。

 




■■あとがき■■

2021.06.22

今回短くてすみません。

切れ目を探してたら、こんな感じになりました。


次回のBGMは、とうとうあの御方です。

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