第30話 破壊 "Burning Hearts"
■■まえがき■■
今回のBGMは"Nautiluz"の"Burning Hearts"でお願いします!
------------------------
「順番待チダ……」
そうジェネラルは言った。
ふざけているのか?
僕は怒りのあまり頭の血管がブチ切れそうになりながら、拳を握りしめる。
そんな僕を尻目に、ゴブリンジェネラルは薄ら笑いを浮かべながら続ける。
「チャント、俺ノ後ロニ並ベ。イマハ俺ノ番ダカラナ」
床に横たわる女性。
その透き通るような白い肌には痣がいたるところに浮かんでおり、振るわれた暴行が長期にわたっていたと分かる。
僕は、その女性の気持ちを思うと胸が痛んだ。
うちひしがれる僕の様子など気にすることもなく、ゴブリンジェネラルは足元の女性に手を触れようとする。
女性の肩に、ジェネラルの汚らしい手が触れようとした瞬間。
襲。
僕は距離を詰めて、右拳をジェネラルの顔面に向かって拳を繰り出した。
だが。
空。
僕の拳がジェネラルには当たらなかった。
見事なまでの空振りだった。
不意を打ったにもかかわらず、ジェネラルは僕の拳を冷静に避けたのだ。
まるで、挙動の全てを理解しているかのごとく。
「なっ……!」
「オイオイ、順番ヲ守ラナイトハ随分ト無法ナ奴ダ」
やれやれ、といった風に肩をすくめる。
まるで僕のアームカールなど、児戯にも等しいと言いたげだ。
しばし考えるようなポーズをした後、ジェネラルは言った。
「ソウダナ……。オ前ヲ殺スノヲ先ニスルカ……。何事モ順番ダカラナ」
「こちらこそ、君を先に地獄に送ってあげるよ。地獄への特急券を贈呈してあげよう」
どこまでもふざけた奴だ。
こいつだけは絶対に殺す。
そう心に決めて、僕はゴブリンジェネラルを見据える。
身長は170センチぐらいだろうか。
僕より少し小柄で、線も細そうだ。
所詮はゴブリンの域を出ない。
体格面では圧倒的に僕が有利だ。
それに、僕には鍛え上げた筋肉がある。
ゴブリンジェネラル程度では、僕には到底かなわないはずだ。
そう思いながら、僕は右拳を繰り出す。
だが、僕が拳を動かしたことを察知したジェネラルは、両腕をⅡの字の如く縦にして頭部を守る構えをとる。
躱。
射。
またも僕の右拳が空を切る。
そして、ジェネラルの拳が僕の顔面に突き刺さった。
なぜ、僕の拳が当たらずに、ジェネラルのカウンターが決まるんだ?!!!
「ばかな!」
僕は顔面にかかる衝撃を首の筋肉で支える。
ぶれる上半身を足に力を込めて切り返すと、僕は、左拳をジェネラルのボディに打ち込もうとする。
パリィ。
ジェネラルは斜めに体重をずらしながら、その左掌で僕の左拳をいなす。
そして、僕の攻撃を難なくあしらうだけでなく……、ジェネラルは反動を利用して右フックを僕の側頭部に打ち込んできた。
「避けれない!」
僕は目をつぶって衝撃に備える。
破。
ジェネラルの手によって、僕の頭蓋骨が破壊された。
乾いた板の割れるような音が聞こえた。
■■あとがき■■
2021.06.03
会社、ホンマにウン●。
なんなん……。めっちゃムカつくわ。
2か月前の筆者「このままだと一大事です。至急要員配置を!」
1か月前の筆者「少なくとも7人ほど不足しています!」
本日の筆者「マジでヤバいっす! もう無理ぽ! ダム決壊してるって!」
こんな茶番ばっかり。
何がひどいって、その度に資料作って上申して、役員や部長に「とんでもない事態だ! すぐに要員調整しないと!」という反応をされること。
もちろん要員補充はされません。
あっ、0.2人月で応援に来てた人ですが、何の連絡も無く応援に来なくなりました。
末尾になりますが……
なんと……2021.06.01に本作のPVが2,000を超えました!
うれし~♪
いつもご愛顧ありがとうございます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます