第10話 ステータス
"センター山師匠"の鬼トレーニングのおかげで、僕の職業レベルはカンストした。
その翌日、僕はトレーニングを行わないこととしてレストを入れた。
実に一年ぶりの休養。
久しぶりの穏やかな時間を過ごしながら、僕は明日以降の計画を練ることにした。
そのためにも、まずは自分の現在地を知る必要がある。
僕は、ステータスを確認することにした。
「ステータスオープン」
僕が呟くと、すぐに僕のステータスが表示された。
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名 前:ワイト
職 業:【白魔導士】lv99、【筋肉】lv99
レベル: 1
力 : 1(+20)
知 力:10(+ 1)
操 作: 8(+10)
運 : 5(+ 1)
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チートアイテムでこの世界の理を破った結果。
本来の職業により付与されたステータスの横に、括弧書きで二つ目の職業が追加されたような表示になっている。
原作には存在しなかった職業【筋肉】。
どうなることかと思ったが、このイレギュラーな職業は数値の面においては【白魔導士】との噛み合わせがかなり良いことが分かる。
しかも、【白魔導士】のステータス値合計は24だが、【筋肉】は32もある。
強い。
初期値が全て8のバランス型【勇者】だと合計32になるのだが、それと互角。
【勇者】に匹敵するレア職業なのだろうか。
それでは、ステータスごとに見ていきたい。
まず、"力"は1(+20)となっている。
これは、ATK、DEF、MaxHPと相関するステータスだ。
【白魔導士】の欠点は、この"力"が低すぎることにある。
杖で与ダメを増やしても大して火力が増やせないのでレベリングしづらいし、MaxHPが低い上に、職業による制約のせいで強い防具を装備できないから雑魚に瞬殺される……。
もうねアホか馬鹿かと。
せめてSTRとCONを分けるぐらいするだろ、常識的に考えて……。
どんな開発能力をしているんだと問い詰めたい。
小一時間、問い詰めたい。
救いなのは……この"力"が低いという【白魔導士】の欠点が、【筋肉】のおかげで完全に埋められたことだ。
一方で、"知力"の10(+1)。
【白魔導士】が高いので、全体への影響はないが……。
"知力"がたった1の【筋肉】は、やはり脳死ジョブなのだろうか。
"知力"たったの1。
ゴミめ! 思わずそう言いたくなるような【筋肉】の頭の悪さだ。
この"知力"の値はMATK、MDEF、MaxMPに相関する。
この値が元々高い【白魔導士】を、【筋肉】が微妙に底上げしてくれているおかげで、回復回数もそうだが、MDEFが上がるので被ダメの面からもプラスとなっている。
いいんじゃないでしょうか。
そして、"操作"の8(+10)。
この数値は、HIT判定、ファンブル率、攻撃回数、回避率などに影響する。
AGIとDEXを足し合わせたステータスとでも考えればよい。
二つの職業による値が合算された結果、かなり大きい数字となっている。
回復行動が遅くなると色々と不都合なことがあるから、【白魔導士】の"操作"はもともと高めに設定されているのだが……【筋肉】の俊敏さが合わさった結果、とてつもない初期値になっている。
これだけあれば、同レベル帯を相手にした場合、先制攻撃又は初手からの回復がほぼ確定となる。
戦術面で相当有利になる。
最後が、"運"の5(+1)。
"運"は、完全回避率、ファンブル率、状態異常係数、死亡判定、クリティカル率、ドロップ率などに影響する。
"ちょっとでも多い方が良い"ステータスの代表格だ。
他が高く出ているだけに……。
"運"が低いのはいたしかたなし、といったところだろうか。
以上が、僕のステータスの現在地だ。
この初期ステータスを駆使して、どうレベリングするかだが……各職業に存在する"制約"の存在があるんだよなぁ……。
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