第11話出発
「やった、ゴーレムを倒した!」
「やりましたね、ユウタさん頑張りましたもんね」
「俺だけの力じゃないよデイジー君が手伝ってくれたおかげだよありがとう」
「いえいえそんな」
「こいつにも感謝しないとな」
俺は、ゴーレムの頭を撫でた。
ゴーレムは、さっきの俺との戦いで壊れてしまった。
「色々なありがとうな。俺頑張るよ」
俺達は、訓練場を後にした。
「この3ヶ月、長いようで短かったな」
「そうですね、短かったですね」
「やれるだけのことはやった。後は奴に通用するかどうかだ」
「いつ、森に出発するんですか?」
「3日後だ、その日に出発する」
「私も連れて行ってくださいね」
「えっ!」
「私もここまで協力したら、他人事じゃないですし、冒険者になるためには危険なことにも慣れておかなくちゃ」
ニッコリ笑ってそう言った。
「ダメダメ、危ないし怪我をする可能性がある」
「お願いします!私も連れて行ってください!」
「仕方ないな、いいよ付いて来ても」
「やったー!ありがとうございます」
デイジーは、すごく嬉しそうな表情をしていた。
多分、こういう事するのに憧れてたから、夢が、叶って嬉しいんだろうな。
俺達は店に戻った。
俺は鏡で自分の体を見た。
3ヶ月前とは明らかに体つきが変わっている自分を見て自信がついてきた。
次の日俺は休みを取り、町の人達や町の図書館に行き森のドラゴンについて調べた。
どういう特性なのか、どういう能力を持っているかをしらべるためだ。
3ヶ月前から調べていたが、中々いい情報がなかったが調べていくうちにある事実を発見した。
「これは!まさか、これは直接奴に聞くしかない。言葉が通じるかわからないが、きっと何か事情があるに違いない!」
俺はその日の調査を終えた。
ある疑問を胸に抱えたまま。
店に戻ってるときににデイジー出会った。
どうやら配達だったようだ。
「調べ物は、終わりましたか?」
「大体な」
「いよいよ、明後日ですね」
「ああ…そうだな」
俺は、デイジーと一緒に店に戻った。
次の日の早朝誰もが寝ている時間、俺は森に今日出発する準備をしていた。
デイジーには悪いが危険な目に合わせるわけにはいかない。
多分デイジーが、ついてくると言うと思って3日後と嘘をついた。
俺は準備を終えて、ゆっくりと移動し誰も起こさないように店の、ドアを開けた。
すると目の前には仁王立ちをして、不機嫌そうな顔をしたデイジーがいた。
「おはようございます」
「お、おはよう」
「こんな、時間にどこに行くんですか?」
「えっーと…」
(大丈夫、まだばれてないはず)
「さ、散歩だよ、散歩」
「散歩なのに、そんな大荷物で?まるで森に行くみたいですね?」
(全部バレてる!)
はっきりと、言ってこないのが逆に怖かった。
「ねぇ、ユウタさんなんで嘘をついたんですか、私がいると邪魔ですか?」
デイジーは、少し涙目になっていた。
「邪魔じゃないよ。むしろ逆!ずっとそばにいて欲しいくらいだ!」
「えっ!」
「君は俺にとって大事な人だ、だから危険な場所に行って、怪我をして欲しくないんだ。
そりゃ一緒に行ってくれたほうが安心するし心が安らぐし、ともかく君のためを思って言っているんだ」
「そ、そうですか」
デイジーが、顔を赤らめている。
「どうしたんだ。顔が赤いぞ、熱でもあるんじゃないか?」
「だって、そんなこと言われたら恥ずかしくもなりますよ」
そう言えばさっきから、「ずっとそばにいて欲しい」とか、「君が大事だ」とか意味ありげななことを言ってしまっていた。
俺は、自分の発言のヤバさに気づき、急に恥ずかしくなった。
「いや、そう言う意味じゃなくて!」
「そう言う意味でもいいですけどね…」
「それって、どうゆうこ…」
「ともかく、私も着いていきますから!」
俺が意味を聞こうとしたら、食い気味に誤魔化された。
ここまで、お願いされているのに流石にだめとは言えなかった、俺はついていってもらうことにした。
「わかった、その代わり絶対俺のそばに離れないでくれ」
「わかりました」
デイジーのいつもの笑顔に戻った。
「準備は、できてる?」
「はい、バッチリです」
「じゃあ、行こうか!」
こうして、俺とデイジーのドラゴン討伐が始まった。
森までの20キロの道のりを店の馬を使って移動した。
馬の速度は早く1時間足らずで森に到着した。
「これが、『アネモネアスの森』か!」
俺はこの森を見て、驚きを隠せなかった。
「でかい!」
木は通常木の何倍大きく高さ50メートルほどあった。
まるで自分が小人になったと思うほどだった。
「本で調べてわかってはいたが、やはりでかいな」
「そうですね。ドラゴンの森は伊達じゃないということですね」
きっと強いモンスターもいるだろうけど、俺は決して怖くはなかった。
この3ヶ月の修行のおかげで度胸と自信がついた。
恐れることはなにもない。
俺は森の中に入った。
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