第6話武術
じいちゃんは空手の道場の先生で、学校でいじめられないために内緒喧嘩を教えてくれたときがあった。
「いいか優太正拳突きていうのはただ殴るだけじゃなくて、こうやって腰を入れて、自分の体重と力が乗るように相手の急所を狙うんだ」
「こうかな?」
俺はじいちゃんの真似をして見せた。
「そうそう、うまいものだ。これでどんな相手も一撃だぞ」
どちらかと言うと正拳突きと言うよりかは、ボクシングのストレートに近かった、多分喧嘩用のオリジナルだろう。
教えてもらったことを活かして、いじめっ子を、撃退していたこともあった。
でもそれがバレて、じいちゃんは、母さんとばあちゃんに叱られていた。
それ以来俺は喧嘩はしなかった。
今、じいちゃんに教えてもらったことが、コイツラに通用するかわからなかったが、一か八かやってみた。
オークが攻撃を仕掛けてきたので、俺は攻撃を避け、オークの懐へと入った。
「正拳突きは腰を入れて、自分の体重と力が乗るように急所を狙う!」
俺の鉄で出来た拳は、オークのみぞおちにまともに入った。
するとオークは、腹を抱え膝から崩れ落ちた。
(やっぱりこいつら人間と同じように臓器があってしかも同じ位置にあるから人間と弱点が同じだ)
俺の攻撃は通用していた、オークは立ち上がれないままその場で倒れた。
オークが、1匹倒れたところを見たオークの仲間が、俺の所にぞろぞろと集まってきた。
護衛者が何匹か倒したげで、オークは5、6匹に減っていたくらいだった。
「よし、こっからが、本番だ。」
俺は、足を鉄化させた。
どうやら鉄化は、自分が発動したい部位に発動するようだ。
じいちゃんに見せてもらった一番すごい技、飛び蹴りをしようと考えた。
昔じいちゃんに見せてもらって、感動を覚えていつか自分もできたらなと思っていた技だ。
昔はできなかったが足が治り、ジャンプ力の上がった今できるかもしれない。
俺は、オークの顔位置までジャンプをし、顎めがけて蹴りを入れた。
顎に衝撃を与えることで、脳が揺れ激しい脳震盪が起こるからだ。
オークは、蹴りが入った後、白目を向いて勢いおく倒れ気絶した。
「これで2匹目!」
オークは、仲間が倒させたことに、怒りを持っていた、鬼のような形相でこちらを睨んできた。
そして奴らは、嵐のように俺に攻撃を仕掛けてきた。
俺の動体視力は、通常よりかなり上がっていた。
おかげで奴らの、動きも全て見えていた。
スピードも上がっていて、攻撃を難なく避けることができた。
次々へと、俺はオークを倒していった、そして最後の1匹になった時に俺は攻撃をやめた。
言葉が、通じるかわからなかったが俺はオークに、
「さっさと、仲間を連れて帰れ。じゃないと他の人間に殺されるぞ」
俺がこのまま護衛者にこいつらを引き渡したら、処刑されるだろう。
こいつらは、処刑されるようなことは、してないし、俺はこいつらに死んでほしくなかった。
オーク達にも家族や大切な人がいると考えるとこいつらには生きてて欲しいと思ってしまったからだ。
「だけど次暴れたりしたら、容赦はしないぞ」
オークは頷き、台車に乗せていた奪った食料等など全部降ろし倒れた、仲間を乗せ急いで帰っていった。かろじて歩けるもの一緒に帰って行った。
俺の言葉オークに通じていた。
オークが、見えなくなるくらいまで行くと、俺は地面に寝転がった。
今まで生きてきてあれだけ動いたのは初めてだったのでかなり疲れが出ていしまっていた。
俺は町の人達を守れたことと、オークを倒せたことに達成感と感動を感じていた。
それはとても心地よい気分だった。
こうして町の危機は天野優太の活躍により救われたのであった。
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