第45話、ごつめの男2
今回の所は
俺と
町の外に到着すると、そこは辺り一面が血真っ赤に染まっていた。そこら中に冒険者と思われる亡骸が散らばっている。俺はこの光景と臭いに顔を歪ませ、そのままその場に嘔吐オロロロr。そう、いつものように。
「……会いたかったぜぇ……
体中が包帯でグルグル巻になっているので判別が付かないが、おそらくあいつはごつめの男で間違いないだろう。何か身長もかなり大きくなっている上に、全体的に筋肉量が増している気もするが、多分あいつはごつめの男だ。
「僕は会いたくなかったかな。」
「そんな釣れないこと言うなよぉ……一緒に旅した仲間だろぉ……!!」
「そうだね。旅をしたのはたったの二週間程度だけど。それよりも何だい、その不細工な格好は。前も大概だったけど、今はもっと酷いよ。そんなのでよく僕に会おうと思ったね。」
「相変わらずキツいなぁ、
「僕は君の事が嫌いだったよ。前も言ったと思うけど。ねぇ、そんな事よりも早く済ませようよ。今日の夜は予定が入ってるんだ。だからあまり君の対応に時間をかけたくないんだよね。」
「予定ぃ……?」
「そう、実は僕、ここにいる彼、
「テメェ……よく見たら俺らと城に召喚されたまさ、無能やろうかぁ……? 何でテメェなんかが
ほら! 今
俺が狼狽えてどう答えたものか悩んでいると、
「……お前には一生分からないだろうな。お前のような無能には……」
俺は奴にこう言い放ち、そのまま
いやー、一度やってみたかったんだよ。こういうキザキザなムーブ。向こうの世界では、恥ずかしさ等もあってまずできないからな。でも今ならできる。周りに強い連中がいるという、安心感がある今なら。
ごつめの男の方をチラリと見る。包帯で表情は分からないが、確実に怒り狂っている事だろう。何せ自分の好きな女が、目の前で他の男とキスをしているという状況だ。言ってしまえばNTR、いやBSSか。
だが大丈夫。何せ俺には
「
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