第42話、もう何もこわくない
そう……俺は昨日、童貞を捨てた。
なんて清々しい朝なんだろうか。この世に生を受けてから十数年、ここまで気持ちのいい朝を迎えた事はない。童貞を捨てた朝が、こんなにも素晴らしい物だとは思わなかった。
俺は
「……ん~……おはよう……
なるべく起こさないように気を付けたのだが、どうやら
「悪い、起こしてしまったか?」
「……ん~……気にしなくても、いいよ……」
どうやら
「……また、やる///?」
「……いや、今日は少し試してみたい事がある。だからアレはまた今晩……な?」
俺は
「もう……
……ちょっと待ってくれ。何か昨日までは言うのをためらった、というよりもまず言わなかったようなセリフが勝手に口から出てしまう。
多分さっきまではまだ若干頭回ってなかったのかもしれない。それが今になって急に周りだした。待って待って、え? 何か俺恥ずかしくないか? 童貞捨てただけでこんななるのか?
「……すまん
「だめだよ。約束したからね? 破ったら……やだよ?」
くっ、なんて可愛いんだ……! 俺はどうしてこんな可愛い女の子を、昨日まで同性等と思っていたんだ!? もうOPPAIが小さいなんて些事だ、些事。もう全てがどうでもよくなる可愛さがここにはある。
……親父、お袋、天国の婆さん爺さん、隣の席だった鈴木、見てるかい? これが俺の彼女、
俺はもうそっちの世界に戻ることはできないかもしれない。けど俺は元気だし、これからも元気に生きる。これから先、何があっても俺はこの
……なーんか、もうどうでもよくなってきたな。キザったらしいセリフ? それがどうした? 俺はもうそんな些細な事を気にし、気に……気にしたりはしない! ……少なくとも
童貞を捨てた俺に! こわいもの等……ほとんどない! このままの勢いで最後まで乗り切ってやる!! まずは俺の
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