第41話、今まで守ってきた大切なもの
「
数年越しの真実発覚の瞬間である。数年の付き合いのある友人。完全に男、同性だと思っていた友人が、まさかの異性であった……こんな漫画のような展開があっていいのか?
「そうだよ。やっと気付いてくれたんだね。」
「いや、え……? だってお前、その……お、OPPAI小さいしさ……それに今までもそんな素振り、見せなかっただろ……?」
俺は中学の時に
……いや、本当は気が付いていたのかもしれないな。だが俺の脳内が、俺の心が、
……正直な話、OPPAIが小さすぎて女だとは思わなかった。
「
「……あの、何か、その……本当、すんまんした……」
この尋常じゃない程の罪悪感……心が、心が痛い……まさかこの俺が同性と異性を間違えるとは……それも数年単位で。
「……あ~あ、やっぱり胸かー。そうだよね。
「いやまぁ、それもないとは言えないが、別にそれだけが理由じゃあないぞ。というよりも、別に俺から頼んだわけではない。なし崩し的に何となく一緒に行動してるってだけだ。」
「……っていう事はさ。別に彼女達と別れても問題ないって事だよね?」
「んー、いやまぁ、そうなる……のか? ただ今すぐに別れるのは無理だ。少なくとも、冒険者の区分をもう一個上のブロンズに上げるまでは一緒に行動しないといけない。」
「じゃあそれが終わったら彼女達と別れてさ、それから僕と二人っきりで行動しようよ。いいよね? 別に彼女達と何か身体の関係があるとかってわけでもないでしょ? 仮にそうだとしても別れても問題ないよね? だって
何か
これはまるで……そう、ヤンデレ。まるでヤンデレな彼女かのような変貌っぷりだ。
「……
「
「ちょ、まっ……!」
「……んっ……♡」
「んーーーーーーー!」
なんて力だ……俺程度の力では、とてもじゃないが振りほどくなんてできそうにない! 自分よりも細い異性に、左腕一本で両腕を抑えられ、あまつさえ唇も奪われる……こんなに情けない事があっていいのか!?
さらに、こんな情けない状況にも関わらず、俺の息子はしっかりと反応している……! いや、こんな状況だからこそ、か……
本能的に悟ったんだろう……ずっと守ってきた大切なもの、それを捨てるのは今しかないと……! 受け入れようじゃないか。例え男のくせに情けないと他者に蔑まれようとも、俺は今! ここで! 童貞を……捨てる!!
◆◇◆
「……チュンチュン」
「……ん? ……なんだ、もう朝か……」
窓から差し込む朝日の眩しさで、俺は目を覚ました。外では小鳥の
「……スー……スー……」
ふと隣を見ると、
そう……俺は昨日、童貞を捨てた。
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