第39話、何にせよ
「……ねぇ、もしかしてあんたなら何とかできるんじゃない?」
必死の抵抗虚しく、ルビーが俺の耳元で囁いた。俺なら何とかできるんじゃないかと。
「……いやあの時とは状況が違いすぎる。相手はプラチナ冒険者って話だぞ。どれくらい強いのか知らんが、俺でどうにかできるレベルだとは思えん。」
「でも相手はアンデットって話じゃない。あんたなら一発当てさえすれば、仕留められるかもしれないじゃない。少なくとも、私達よりは可能性が高いと思うわ。」
「いや、そうは言ってもだな……」
俺がルビーの囁きに対し、囁きを持って返していると、それを訝しんだのか、
「……二人で何をこそこそ話してるんだい?」
「……いえ、別に。ただこれからどうするかって話をね。」
「そうだ。別にやましい話なんかじゃあないぞ。」
「へぇ……やましい話じゃないんなら、是非僕にも聞かせてくれないかな? 僕はこうして包み隠さず話したってのに、それは少し不公平じゃないかな? お・ふ・た・り・さん?」
何か知らんが、
「落ち着け、
「
「え、あ、あぁ。ありがとう。」
なんか知らないが、やけに素直に引いてくれたな。まぁよく分からんが面倒な事にならんでよかったと喜んでおこう。
ただこれからどうするか。ごつめの男の事をよくは知らないが、城での行動から考えるに、奴が
胴体のどこかに当てるという事なら、決死の覚悟で挑めば可能かもしれない。だが頭は無理だ。あの時のように大量の精液を出すことができれば可能かもしれないが、同じ事ができるとも限らない。その上この前のゾンビとは違い、動きも圧倒的に素早いはずだ。そんな相手の頭を狙って射精する、まるでできる気がしない。
だが奴が
まぁ何にせよ、ごつめの男を相手にするなら
男に精液をかけるのはできればやりたくないが、
「
「いいよ。」
「今動くのは辛いと思うが、頼む。俺の泊まっている所はここから十数分くらいの距離なんだが、俺も手は貸す……え? いいのか?」
あれ? 何か思い外すんなり頼みを聞いてくれたな。もっと説明を求めてくるかと思っていたのだが。
「うん。いいよ。
「あ、あぁ。」
「じゃ、さっそく行こっか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます