第3話、旅立ち
ついに俺の時代が到来したかもしれない。よし、俄然やる気がわいてきたぞ。
やる気がわいてきたはいいが、これからどうしようか。とりあえずの簡易的な実験はできたが、正直これ以上の事はできそうにない。
今回実験に付き合ってもらった兵士がたまたまいい人だっただけであって、他の兵士や城の使用人等が同じに付き合ってくれるとは限らない。というよりも多分付き合ってはくれないだろう。
友人達一向の訓練も順調なようだし、おそらく後数日もすれば旅立っていくのだと思う。当然俺もそれと同じタイミングで旅立つことになる。
そういえば今の部屋にも地図的な奴があったがする。それでも眺めながらこれからの計画でも立てようか。思い立ったが吉日、さっさと部屋に戻ろう。
さて、どうしようか。とりあえず一番近い村だが町だかに行って、適当に商売でも始めるとするか。現状売れるものと言えば、精液を溶かした飲み物くらいしかない。だが今後少しずつ混ぜる量等を変えて実験していけば、何か色々できるようになるだろう。多分。
◆◇◆
そして適当に日々を過ごしていたら、ついに旅立ちの日が訪れた。友人達は色々励ましの言葉を貰っているが、俺には特になにもない。一応当面の生活資金くらいは貰ったが、せいぜいが3ヶ月程安宿で泊まったり最低限の食事ができる程度の金だ。ちょっと贅沢をしようものならすぐ無くなるだろう。
だが召喚された当時の、何も知らなかった俺とは違う。今は自分の精液が特殊な効果を持っているということを知っている。上手く行けば莫大な富が手に入ることだろう。ここから俺の物語が始まるんだ。
とりあえず近くの町までは、友人達と行動を共にさせてもらえることになった。城から町まではそこまで遠くない。とはいってもモンスターが時々出るような道を通らないといけないので、俺一人だったら結構危険な道になる。なので遠慮なく同行させてもらうことにした。
友人達のパーティーは、友人(勇者)、ごつめの男(攻めや守り担当)、ギャルギャルした女(攻撃魔法担当)、大人しそうな女(回復・補助魔法担当)となっている。基本に忠実なパーティーメンバーだ。
ギャルギャルした女は、多分友人に惚れている。やたら俺に対する当たりが厳しいし、友人に対しては媚を売るかのような態度で接していることから判断した。見た目や態度が何か軽い上に、服装もかなり際どい。今後こいつはビッチと呼称する。
俺の友人はイケメンで人当たりが良く明るい性格。さらに勉強も運動もできるという非の打ち所のない奴だ。正直何で俺と友人しているのか分からないくらいに良い奴してる。その上勇者。正統派の主人公って感じの奴だ。なのでビッチが惚れるのも分からないでもない。
大人しい女は、まぁ何と言うか。危険な香りを漂わせているが、ビッチよりは接しやすい。俺とも普通に話してくれるからな。だが俺と友人が接する時や、友人とごつめの男が接する時の目がヤバい。呼吸もなんか荒いし。多分そういった妄想に興じているのだろう。これがなかったら普通にいい人だと思う。
そしてごつめの男。間違いない。こいつは○○だ。確実に友人の穴を狙っている。友人と接する時やたらスキンシップが激しい。普通に尻を触ったりしている。俺じゃなくて良かったと思うと同時に、友人の事を気の毒に思う。
適当に会話等しつつ歩いていると、無事町に到着した。道中何度かモンスターに襲われはしたが、友人一向が危なげなく対処してくれた。
別れ際、友人が俺の事をすごく心配してきたが大丈夫だと何度も言って納得してもらった。確かに、俺はこれから見知らぬ土地を一人で生きていかないといけないので、かなり危険な状況ではある。だが俺には回復効果を持った精液がある。だから何とかなるだろう。
むしろ友人の方が俺以上に危険な状況にあるといっていい。これから先、色々危険な環境やモンスター等と戦っていかないといけない。命を落とす危険だってある。仲間内にも友人を狙っている奴がいるし、俺なんかよりも友人の方がよほど危険だ。頑張れ、友人。次会う時は尻穴の処女を奪われていないように気をつけるんだぞ。
さて、これからどうしようか。とりあえずぶらっと町の中を見て回って、それから考えるか。
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