第3話打ち上げ花火〜古代から見るか現代から見るか未来から見るか〜

煉獄界に来たアルド達はシルフの元へと向かいシルフの眷属との約束を果たしに行く。


アルド「シルフ!花火が出来たんだ。アンタの眷属との約束を果たしに来たぞ!

だから眷属を呼び出してくれないか?」


シルフ「フフフ…そう…もう完成したのね!分かったわ。それじゃあ呼び出すわね。」


そう言うとシルフの前に2体のシルフの眷属が姿を表す。


シルフの眷属a「何度も何度もすまないねえ…?」


シルフの眷属b「遅いじゃないか!!待ちくたびれて死にそうさね!!

アタイが死んでしまったらどうしてくれるんだい?ところで何でコイツがココに居るんだい?行くのはアタイだけじゃないのかい?」


シルフ「アナタだけだとまたかってに何処かに行かれると困るのよね?

どうせどさくさに紛れて何処かに行こうとするつもりでしょ?

だっ、かっ、らっ! 見張り役を付けたの。」


シルフの眷属b「うっ…!そ、そんな事するわけないだろう?

や…やだなあ…もう。シルフ様ったらアタイを信じて下さいよ。」


シルフの眷属a「シルフ様は全てお見通しなんだよっ!これにこりたら大人しくするんだね!」


アルド「それじゃあシルフ行ってくるよ。」


そう言うとアルド達はシルフの眷属達を連れて未来で打ち上げている花火がちゃんと上がっているのか確認するため、各時代を見て回りシルフの眷属との約束でもあった楽しい恋愛をシルフの眷属と一緒に見て回るため、一先ず古代にあるラトルへ向かい様子を伺う。

ラトルに行くと村人たちが花火のほうを見て何やら物々しくしている。


村人a「あれは一体何だ?」


村の子「わあ!何かわからないけどキレイだよ!!」


村人b「あれはまさか!サラマンダー様がお怒りになられているのでは?」


などと何やら村人たちが騒いでいる。


アルド「花火はしっかり上がっているがこれはまずいな!村人たちに声をかけてみよう。」


シルフの眷属b「ええーー!アタイの約束はどうなるんだよ!!恋愛ってのは楽しいんだろ?良いもんなんだろ?早く見せておくれよー。アタイは恋愛ってもんが知りたいってのに!」


アルド「このままだとアンタの見たいものも見れないぞ?それでも良いのか?

それが嫌なら黙って着いてきてくれ!!」


シルフの眷属a「しょうが無いだろ?さっ!黙ってついてくよ。」


シルフの眷属b「あぁもうっ!!分かったよ!黙ってついていくよ!ついていきゃいいんだろ?」


アルド達は群がっている村人達に話をする。


アルド「どうかしたのか?」


村人「ん?あぁ、あそこに光っているモン見えるだろ?あれがサラマンダー様がお怒りになられているんじゃないかって今話してた所なんだ!

アンタらなんか知らないか?」


アルド「アレは花火と言ってどうやら何処かの偉い人が死者への弔いと魔除けとして世界の平和を祈って打ち上げているらしいぞ。」


村人「そうなんだな!世の中にはそんな大層なやつも居るんだな…

サラマンダー様がお怒りになられてるわけじゃあないんだな。それなら良かった!」


そう言うと集まっていた村人たちがはけていった。

まだ花火を見ている村の子の会話が聞こえてくる。


アルド「ん、はてな…アレは…アンタの見たいものじゃないか?」


シルフの眷属b「本当かい!あれが恋愛なのかい?」


リィカ「対象ノ呼吸数心拍数ヲ計測…

計測完了…

対象ノ呼吸数心拍数ともに上昇ヲ確認…アレは

紛れもなく情熱的ナ恋愛デ間違いアリマセン…ノデ!」


アルド「だってさ!アンタの見たいものが見られそうだぞ。」


村の男の子「ねえ僕たち駆け落ちしない?あの花火がもっと近くで見える場所で!!

駆け落ちして一緒に暮らそう!」


村の女の子「えっ?でも私達まだこどもよ?どうやって暮らしていくの?」


村の男の子「でも!そうでもしないと僕たち一緒になれそうにも無いじゃないか!…

僕の覚悟は決まっているよ!僕といっしょに来てくれるかい?」


村の女の子「うん!アナタに何処までも付いていくわ!!」


村の男の子「よし!それじゃあ行こう!!」


シルフの眷属b「これが恋愛ってものなのか?この子達は一体どういった恋愛をしてるってのさ?それに…駆け落ちってのは何なのさ?」


アルド「駆け落ちってのは…あれさ…。アレだよアレ!……つまり…。」


リィカ「ツマリ…駆け落ちトハ愛し合った男女ガ結婚する事ヲお互いノ両親ニ認めて貰えズ…

ソレでもマダ愛し合ってイル2人ガ親元ヲ離れて二人っきりデヒッソリと暮らしヲ始めて愛ヲ結ぶ事デス。」


アルド「そう!それだよそれ!」


シルフの眷属b「ふーん…。

でもそれじゃあ結局悲しいじゃ無いかい?両親とも仲良く出来ないんだろ?

家族なのに…家族だったのに!それじゃあやっぱり…

結局恋愛は悲しいだけじゃないかい!!」


エイミ「そんな事無いわよ?確かに駆け落ちはそうかもしれない。

けど全部が全部そう言う恋愛だけじゃあないの!恋愛の中には両親とか…

友達とか…皆んなが祝福してくれる恋愛だってあるの。

だから恋愛をしているみんながみんな悲しいわけじゃあ無いの。

確かに悲しんでいる人は居る。だけどそれは…悲しいから悲しんでるんじゃなくて、嬉しいから悲しんでいるの!」


シルフの眷属b「ふーん…嬉しくて悲しい…か。

わからないな。結局それは嬉しいのかい?悲しいのかい?

アタイには良くわからないねえ?」


シルフの眷属がそう言うと2人はそれぞれの家に帰っていく。


アルド「…アレは一体なんだったんだ?結局家に帰っていったけど。

駆け落ちがどうとかはよかったのか?」


リィカ「アレこそ…純愛…恋愛ドラマです…ノデ!」


シルフの眷属b「ドラマってなにさっ!」


アルド「ドラマって何だ?」


シルフの眷属a「アタイはドラマの方が気になるねえ?」


アルド「とりあえず次の所に向かおう!」


そう言うとアルドとシルフの眷属達は現代の

魔獣の島にあるコニウムへと向かった。

コニウムに着くと村の魔獣達が打ち上がっている花火を見て話をしている。


村の老魔獣「また人間たちが何かやっているみたいじゃのう。

何をやっているかは分からんが、アレはとてもキレイじゃのう。」


村の女魔獣「ええ!ホントね…!

アレは人間のやっている事の中にもこんなにも素晴らしい事があるのだから

もっと人間と仲良くすればいいと思うわよね!でもこんな話ギルドナ様の前では言えないわね…。」


村の男魔獣「まったくだ。だがギルドナ様も人間とは仲良くしていこうと考えておられるみたいだぞ。」


ギルドナ「アレは打ち上げ花火と言って人間たちがお祭りごとや亡者の弔い等に打ち上げるそうだ。」


村の老魔獣「ホホゥ!打ち上げ花火とな…

実にキレ…!こ…これはこれは…。

ギルドナ様!

こんな所に…どうされましたかな?」


村の女魔獣「あ…あら?…

ギルドナ様!いらっしゃるなら言ってくださいよー!

そしたら竹コブ茶をお入れしましたのに…。」


ギルドナ「構わん。好きにするがいい。」


魔獣の男の子「うーん…ちぇっ!やっぱ見えないや!」


魔獣の女の子「こうなったらコラベルまで見に行きましょう?」


魔獣の男の子「うっしっ!そうするか!ここはもう大人達で見えないし…コラベルに行こうぜ!」


そう言うと子ども達はコニウムの村を出て行きコラベルへと向かって行った。


アルド「ん?…子供達だけで大丈夫なのか?心配だからこっそりついて行こう。」


シルフの眷属b「ええっ!ついて行くのかい?…あんなのほかっときなよ!」


シルフの眷属a「何いってんだい?…あの子達に何かあったら大変じゃないか!

それにもしかしたら何か見られるかもよ?」


シルフの眷属b「そうかい?…それならついて行くとするかねえ!」


そう言うとアルドとシルフの眷属達は魔獣の子供達を追ってコラベルへと向かう。

コラベルに着くと魔獣の子供達が打ち上げ花火を見ながら何か話をしている。


アルド「どうやら無事着いたみたいだな!」


シルフの眷属b「これでアタイの見たいものが見られるってんだね!」


アルド「あぁ多分な!少し見守っていよう…。」


そう言うと魔獣の子供達の会話が聞こえてくる。


魔獣の女の子「わあ!本当にキレイね!ギルドナ様が言っていたのは

確か…打ち上げ花火だったかしらね?」


魔獣の男の子「うん…確かそんな事言ってた…!」


魔獣の女の子「私ね…思うの…こんな事言ったらきっと反対派の人達が

ものすごく怒って来ると思うけど…、

魔獣と人間って仲良く生きて行けるんじゃないかって思うの!」


魔獣の男の子「おい!オマエ…そんな事思っていたのか!

そんな事を考えてたなんて反対派のヤツらに知られてみろ!

お前…何されるか分かったもんじゃないんだぞ!!」


魔獣の女の子「そんな事…分かっているわよ!だから私達2人だけの秘密よ?…いいわね?絶対に誰にも言っちゃだめよ?」


魔獣の男の子「そりゃあお前が言うなって言うなら言わないけどさ…

何でそんな事思うんだよ!」


魔獣の女の子「だってホラ!…

あの花火を見てごらんよ!とてもキレイじゃない?」


魔獣の男の子「まあ確かにキレイだけど…それが何なんだよ!」


魔獣の女の子「気づかない?」


魔獣の男の子「うん。分かんない…何が言いたいんだよ!」


魔獣の女の子「私達は今あの花火を見てキレイだと思ったでしょ?

と言うことは人間だってきっとあの花火を見て私達と同じ様にキレイだと思っていると思うわ!

ということは…

私達魔獣も人間も感性は同じだとわ思わない?」


魔獣の男の子「まあそうだな…。

ギルドナ様もさっき人間はあの花火を亡者の弔いのためにも上げてるって言ってたしな…。そうなるときっと一緒だよな。

俺達魔獣も仲間が傷ついたり亡くなったりしたら悲しいもんな!」


魔獣の女の子「そうでしょ?

だから私は人間も魔獣も仲良く過ごせる日がいつか来ると思っているのよ!」


魔獣の男の子「そんな日が本当にくると良いな…。」


シルフの眷属b「これはアタイの知りたがっている楽しい恋愛なのかい?

アタイにはただ花火を見てたそがれているようにしか見えないんだけどねえ?」


アルド「どうなんだ?リィカ、何か分かるか?」


リィカ「対象ノ呼吸数、心拍数ヲ計測…。

計測完了…。

対象ノ呼吸数、心拍数トモニ上昇ヲ確認…。

対象ノ男の子ノ反応ヲ見る限り男の子ハあの女の子ニホレているヨウデス。

対象ノ女の子ノ反応ヲ見る限り女の子ハ人間ニ心奪われているヨウデス…。

ここら辺ニ壁ガあって男の子ガ女の子ニ壁ドンでもシテ女の子の心ヲ掴む事ガできレバかなりアツい展開ナノデスガ…。」


シルフの眷属b「壁ドンってのは一体なんなんだい?」


シルフの眷属a「アタイもそれが気になるねえ?」


エイミ「リィカ…。それは何か違うと思うけど…。」


アルド「…壁ドンって何なんだ…?」


アルド達が話をしていると魔獣の子供達がまた話し出す。


魔獣の男の子「そろそろ村に戻らないと。勝手にここまで来ちゃったし。」


魔獣の女の子「そうね…それじゃあ村に帰ろっか!」


アルド「まずい…!一先ず何処かに隠れよう!」


そう言うとアルド達は一旦姿をくらまし魔獣の子供達がコニュームの村へと帰って行きアルド達が姿を表す。


アルド「危なかったな!危うく雰囲気を壊す所だったな…。

よしっ!それじゃあ次の所へ向かおう!」


そう言うとアルド達は未来に在るエルジオンへと向かう。

未来に在るエルジオンに来たアルドとシルフの眷属はシータ区画に居るセバスちゃんの所へと向かう。


エイミ「ねえ!セバスちゃん…

頼みたいことがあるんだけど良いかしら?」


セバスちゃん「あら?エイミじゃない!どうしたって言うのよ!

私に出来る事なら良いけど?」


エイミ「実はね!…今シルフの眷属の頼みで、

恋愛をしているカップルを探して恋愛している人を見て回っているの!!

そこでセバスちゃんに…

ネットの海で現在進行中のカップルを見つけて呼び出して貰えないかな?って思って来たの!」


セバスちゃん「なーんだそんな事か…。

それなら少し待ってて!でもどうやって呼び出すのよ?

誰と誰が付き合っているか分かったとしても呼び出すことが出来ないと見られないわよ?」


エイミ「それなら大丈夫!今打ち上げ花火をラウラドームで打ち上げているのよ!

その打ち上げ花火を使うってのはどうかしら?」


セバスちゃん「それなら良いかもね!打ち上げ花火かあ…

そう言えば私、間近で見たこと無いかも!」


アルド「そうなのか?それなら俺達と一緒にラウラドームに花火を見に行くか?」


セバスちゃん「えっ?…いいの!」


エイミ「もちろんよ!花火は皆んなで見た方が楽しいからねっ!」


セバスちゃん「ホントに!それじゃあちょっと待っててね!

今ちゃっちゃとやって来ちゃうから!」


そう言うとセバスちゃんは端末をいじり出すと少しすると作業が終わったのかアルド達の所に来る。


セバスちゃん「終わったわよ!…ネットの海にラウラドームで打ち上げ花火開催中って人を集めといたわ!もう何人かは花火を見ているみたいよ。多分今頃大勢の人が集まって居るんじゃない?」


エイミ「ありがとうセバスちゃん!」


シルフの眷属a「今いじっていたのは一体何何だい?…アタイはそっちが気になるよ!」


シルフの眷属b「熱烈求愛カップルってのは居るのかねえ?早く行こうじゃないか!」


アルド「まあそんなにあせるなよ!セバスちゃん準備はいいか?」


セバスちゃん「ええもちろんよ!いつでも行けるわ。」


アルド「よしっ!それじゃあ皆んなでラウラドームに向かおう!」


そう言うとアルド達は花火師が打ち上げて居る花火を見にラウラドームへと向かう。


ラウラドームに着くともうすでに大勢の人が打ち上げ花火を見ている。


セバスちゃん「花火って間近で見ると凄い迫力ね!

花火を見るだけでこんなに人が集まるなんて思いもしなかったわ…!

人は凄いけどみんなで見る打ち上げ花火もなんだか楽しいもんね。」


アルド「あぁ!凄いな…さっき呼びかけてもうこんなに集まってきたのか!」


シルフの眷属a「ホントに凄い人だねえ。アンタ一体どんな魔法を使ったのさっ!」


セバスちゃん「魔法なんて使ってないわよ。

私がやった事はただネットの海で花火が上がっているから集まれ!

って言ったまでよ!これは人間の科学の進歩の賜物よ。」


シルフの眷属b「そんな小難しい話わどうでも良いから早く見に行こうよ!」


アルド「それじゃあ行こうか。」


そう言うとアルド達は人混みに近づくと人混みの中から話声が聞こえてくる…。


おじいさん「おおっ!見事じゃのう。なあ、婆さんや。」


おばあさん「ええ、そうですねおじいさん。こうして花火を見ているとあの頃を

思い出しますね…。」


おじいさん「ああ!全くじゃのう…あの頃のワシらはまだまだ若かったのう?」


おばあさん「ええ、おじいさんも覚えていますか?あの頃の事を…。」


おじいさん「ああもちろんだとも!アレは確か…ワシがおばあさんにプロポーズをした時のことじゃろう?」


おばあさん「そうです、そうです。その時おじいさんは私に指輪をくださりましたね…。」


おじいさん「ああ!あの頃のワシが買える精一杯の指輪をおばあさんに送ったのに…。おばあさんはいきなり怒ってきよったのう。」


おばあさん「ええ…そんな事もありましたね…。」


おじいさん「おばあさんが急に怒って来るもんだからワシはてっきり他に恋人が居のかと…。送った指輪があまりにも貧相じゃったからてっきりフラれてしまったのかと思ったわい!」


おばあさん「…。だっておじいさんったら、いくらプロポーズの

指輪だからって…指輪に全額使い込んじゃうんですもの!

これから結婚して一緒に生きていこうって言うのに、いくらプロポーズの指輪とはいえ全財産使い切る人がありますか!」


おじいさん「じゃってあの頃のワシわプロポーズの指輪はそう言うもんじゃと思っておったんじゃよ…。」


おばあさん「あの時その指輪を売り飛ばしたからなんとかなったものの…。

お陰様で婚約指輪がなくなったんですからね!」


おじいさん「あの頃のワシはホントに無知だったんじゃよ…!でもホレっ!

そんな事があったからその後も色んな事があったが、それらを乗り越えて来たからこそ…。今もこうして二人して生きて折れるんじゃないのかのう?」


おばあさん「まあ…そうですね。そう言う事に…しておきましょうかね。」


おばあさんがそう言うと老夫婦の会話が聞こえなくなる。


リィカ「コレこそフォーリンラブデス。」


シルフの眷属a「フォーリンラブって何だい?」


シルフの眷属b「それは食べ物か何かかい?」


アルド「なんか…今の話凄かったな!」


シルフの眷属b「色んな苦労をしてきてそれでも2人で支え会って生きていく…。

人間の寿命は短いのに命尽きるまでお互いを想い会って、支え合って生きている。人間は直ぐに死んでしまうと言うのに…どうしてそんな風に生きて行けるんだい?」


アルド「それは今の俺達では分からないな…生きて行く中で分かっていくんじゃないのか?」


シルフの眷属b「そう言うもんかねえ?」


そんな事を話ていると人混みの中から若い男女の会話が聞こえてくる。


若い女「ねえ!見て!花火よ…凄く綺麗ね。」


若い男「ん?あぁ、そうだなっ!」


そう言いながら若い男は花火の方を一瞥もせずに端末をいじりながら返事を返す。


若い女「ねえっ!そんな端末ばっかり見てないでもっとちゃんと花火を見なよ!!

凄く綺麗だよ…ねえ一緒に花火見ようよ!」


若い男「ったく!うっせーなっ!!今オレはつれとゲームやってんだよっ!

今いいところなんだから話しかけんなって!」


若い女「こんな所まで来てゲームしなくたって良いでしょ!!」


若い男「はあっ!お前が花火見に行こうとか言い出したから仕方なく来たんだろうが!あっち行ってろ!」


若い女「何よその言い方!!いつだって何処でだってアンタゲームばっかりじゃない!

もういいっ!…私達もう別れましょう!!」


若い男「なんだよソレ!何でそうなるんだよ!!そんなにオレと一緒に居るのがい嫌なのかよっ!」


若い女「はあ?それはこっちのセリフなんですけど!!もう知らない!」


そう言うと若い女が若い男の元を離れると若い女の前に別の男が現れる。


別の男「おおっ!久しぶりだな!今のやり取り見ていたが、何だアイツお前あんなヤツと付き合って居たのか?」


若い女「知らないわよ!!あんなヤツ!!たった今別れてやったわ!」


若い男「悪かったって!なあ!謝るから…もうゲームばっかりしないから!!

なあ!…別れるなんて嘘だよなっ!それに…一体ソイツは誰なんだ?」


若い女「アンタにはどうでもいいでしょ!もう金輪際私とかかわらないで下さい!」


別の男「良いのか?ほかっといて!何か言ってんぞ?」


若い女「勝手にホザイてればいいのよ!」


別の男「そうか…こんな時に何だが俺達よりを戻さないか?

お前花火が好きだったよな!ネットの海でここで花火が上がるって知ってもしかしたらお前が来ているんじゃないかって慌てて来たんだ!

そしたら本当にお前が居て、何やらもめているのが見えて来たんだ。

どうしても伝えたい事があってお前にそれを伝えに来たんだ!

だから一先ず話を聞いてくれ!

お前と別れて気づいたんだ。俺にはお前が必要なんだって…。

もう二度とお前を不幸にはさせない!!だからそんなヤツと別れて俺と一緒になろう。」


若い女「えっ!本当に!」


若い男「お…おいっ!嘘だろ!嘘だよなっ!お前はオレと付き合ってるんだよなっ!

そうだよなっ!そうだと言ってくれ!! なあっ!!」


若い女「誰がアンタなんかとよりを戻すもんですか!私は彼に付いていくわ!!」


別の男「 !! それじゃあ…オレと一緒に来てくれるんだな!」


そう言うと若い女と別の男が若い男を置いて何処かに去っていく。


若い男「おいおい…嘘だろ…。マジかよ…こんな事ありかよ…。」


そう言うと若い男がトボトボと帰っていく。


アルド「…とんでもない修羅場だったな…。」


リィカ「コレこそ…苦い恋愛デス…ノデ。」


シルフの眷属b「何かいたたまれない気持ちになっちまったよ…。」


シルフの眷属a「もうここいらでシルフ様の元に戻ったほうが良いんじゃないのかい?」


セバスちゃん「ねえ!1つ気になってた事があるんだけど聞いてもいいかしら?」


シルフの眷属b「なんだい?」


セバスちゃん「アナタの知りたがっているその楽しい恋愛って誰から聞いて知りたくなったの?」


アルド「そう言えばそうだな!一体誰から聞いたんだ?」


シルフの眷属b「えーと…アレは確か…。

いつものように何か面白い事は無いかな?ってシルフ様のもとから黙って煉獄界を彷徨っていた時にここに居る人間たちみたいな格好をした人間に出会ってねえ。

なんだか面白そうだな?って思ってその人間に話しかけてみたんだよ!

そしたら何やら世の中には楽しい恋愛って物が存在するって聞いたのさ!」


エイミ「それじゃあその人の恋愛が楽しい恋愛だったんじゃないの?」


シルフの眷属b「それがね…不思議なんだけどねその人間自体は今まで恋人なんて居た試しがないっていってたのさ!そこでね…。アタイが、


それじゃあアンタ恋愛なんて楽しめないじゃない?ましてや楽しい恋愛なんて…


って言ったらその人間が言うには恋愛は恋人がいなくても楽しめるって言っていたのさ!だからアタイは楽しい恋愛ってものが知りたくなったんだよ!」


アルド「でも恋愛ってのは恋人がいないと始まらないんじゃあ無いのか?」


サイラス「拙者はそう言う物はよく分からんでござるが…相手が居てこそのものではござらんか?」


セバスちゃん「多分だけど…?その人が言っている恋愛は恋愛ドラマか何かだと思うんだけど…。ここでしゃべって居ても仕方がないから一度私の家に戻らない?

そしたらもしかしたらアナタのみ見たいものが見られるかもしれないし…。」


リィカ「そうですね!もしその方がおっしゃっていたものがドラマだとしたらここに居ても見られません…ノデ。」


シルフの眷属b「そうなのかい?それじゃあそうするかねえ?シルフ様の元に戻るのはその後だね!」


シルフの眷属a「そうかい…それじゃあ好きにするがいいさ!」


アルド「よしっ!それじゃあ一度セバスちゃんの家に戻ろう!」


そう言うとアルド達はエルジオンのシータ区画に在るセバスちゃんの家へと向かう。


セバスちゃん「それでその人は他にどんな恋愛だったとか何か言ってなかった?」


シルフの眷属b「そうさねえ?確か…冬がなんとかって言っていた気がするよ?」


セバスちゃん「冬ねえ?…とりあえずネットの海でそれらしい物が無いか調べて見るわね!」


そう言うとセバスちゃんは端末へと向かい端末で調べだす。


セバスちゃん「多分だけど…コレじゃないかしら?」


そう言ってセバスちゃんの端末のモニターに写し出されたタイトルは…


アルド「冬のアナタ…?」


エイミ「あっ!私ソレ見たことある!確か随分前に流行ってた恋愛ドラマよね?!」


リィカ「エエ…かなりノ視聴率ヲ収めた…超大作恋愛ドラマデス。」


セバスちゃん「そうね…確か内容は2人の男女が順風満帆に恋に落ちていき2人は婚約をするも…実は2人は兄弟だったって事が発覚するのよね?」


シルフの眷属a「それじゃあ2人は結ばれないじゃないのかい?」


セバスちゃん「そうよ?でもここからがこのドラマの面白い所なの!」


シルフの眷属b「ほう!…それで…その後2人は一体どうなるんだい?」


セバスちゃん「それでね…自分たちが兄弟だった事を知った2人はそれでも自分達の気持ちに正直に生きていこう!

ってそのまま…婚約を結ぶの!!

でもね…とある冬の日…ここで2人に悲劇が襲うの…。」


シルフの眷属達「…なんて日だ!!…」


アルド「それで…どうなるんだ?」


セバスちゃん「次の日に式を控えた冬のよるに…彼が交通事故を起こすの!!」


シルフの眷属b「おい!彼氏!…しっかりしなさいよっ!!」


サイラス「不憫でござるな…!式を控えておるのに…彼が…彼が…。ううっ…。」


エイミ「サイラス…勝手に彼氏を殺さないで!」


サイラス

「おおっと!まだ亡くならなかったでござるか!!意外とタフでござるな!」


リィカ「サイラスさん…。せっかくノ雰囲気ヲ壊さないデ下サイ。」


アルド「…それでどうなるんだ?」


セバスちゃん「その後彼はね…直ぐに病院に運ばれて命をとりとめるの!

彼が事故をおこした事を知った彼女は直ぐに病院へと駆けつけるんだけど…。

彼は事故のショックで記憶を失うの。

彼に記憶が無い事を知った彼女は仕方なく挙式を諦めて一生懸命彼を支えるの。

彼を支えていく中で彼が少しずつ記憶を取り戻していきある冬の日に彼は彼女と婚約を交わした仲と言うことを思い出すんだけど…ここでまた悲劇がやってくるのよ!」


シルフの眷属達「なんて日だ!もうやめてあげてーーー!!!」


エイミ「そうなのよね…。これでもかってくらいに2人に悲劇が襲って来て見てるこっちが辛くなってくるのよね…。」


セバスちゃん「そして今度は彼女の方が事故にあって彼女の記憶が亡くなってしまうの。けれど今度は彼が彼女を一生懸命支えるの!そしてそのかいあってか彼女も少しずつ記憶を取り戻してようやく2人は結ばれるって話よ。」


シルフの眷属達「良かった…最後は二人共報われて…!」


サイラス「ううっ…良かった…良かったでござるよ!!」


アルド「あぁ良かったな。」


シルフの眷属a「それじゃあシルフ様の元に戻ろうかねえ?」


シルフの眷属b「そうさね!シルフ様の元に戻ろうじゃないかい!」


アルド「よしっ!それじゃあシルフの元に行こう!ありがとうセバスちゃん。」


そう言うとアルド達は古代に在る煉獄界へと向かう。

煉獄界に着いたアルド達はシルフの眷属達をシルフの元へと送る。


アルド「戻ったぞ!シルフ!」


シルフ「フフフ…ソレで?…お望みの物は見られたのかしら?」


シルフの眷属b「そうさねえ…一先ずお腹いっぱいってところかねえ?」


シルフ「そう…それじゃあ後でじっくり楽しませてもらいましょうか?

アナタ達には色々とお世話になったわね。何かお礼をしなくちゃ。

何が良いかしら?

そうね…アタシと一緒に踊るってのはどうかしら?…」


アルド「そ、それはまた今度にしておくよ…。それじゃあ俺達はこれで失礼するよ。また何かあったら言ってくれ。」


そう言うとアルド達はシルフのもとを去っていき未来のラウラドームにいる花火師の所へ向かう。

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