ノート1.8 215,590作品って、どれくらいエピソードを続けてるの?
(注意)本作のデータは全て2021年1月19日から20日にかけて取得されたものです。
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「タケル君、元気ないわね。あっ、このモニターの画面に映ってる数字――13時間って意味かしら。一体何をしてたの?」
俺――
「
「あらら」
「今後のネタに使う予定だったんだけど、どこかにバグがあるらしい」
「それは大変ね。きっと、この13という数字がいけないのよ。12時間以内で実行できるプログラムにすればいいんだわ、きっと!」
「全然本質的な解決になってないよ」
「そう言えば、13と言う数字はなんで不吉って言われてるのかしら」
「いろんな俗説があるな。
キリスト最後の晩餐に13人いたからとか、テンプル騎士団のメンバーを一斉に逮捕したのが1307年10月13日の金曜日だったからとか、異世界ファンタジーのモデルによく登場する北欧神話が由来とか。
どの説にしても決定的な証拠は無いらしいが」
「ふーん、そうなんだ。タケル君はどう思う?」
「もちろん迷信さ。13は素数! 以上」
「タケル君らしい答えね」
「ケイコちゃんのいれてくれたココアを飲んだら、すっかり元気になったよ」
「それは良かったわ! さて、今日は一体何のデータを見せてくれるのかしら?」
「今回はカクヨムの小説を構成している最小単位であるエピソード数についてのデータを見ていくぞ」
「エピソードかー。長編小説のページにエピソードタイトルがずらっと並んでるのは、いつ見ても壮観よね」
「確かにな。では早速見ていこう。言わなくても分かるとは思うけど、1作品の合計話数で統計を取っているぞ」
「分かったわ」
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統計情報(2021年1月20日現在)
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総数:3,015,609話
最大値:7,873話
最小値:1話
中央値:2話
最頻値:1話
(平均値:13.99話)
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「ちょっと前なら、中央値が2話ってところにもの凄く驚いていたと思う」
「だいぶ慣れた?」
「えぇ、そうね。段々感覚が麻痺してきたわ。
ここまでの研究ノートを見てきて、カクヨムには短編小説が多いというのを知ってるから、中央値や最頻値が低いのは納得かも」
「そうだな」
「それにしても、全エピソード数が約300万話かー。えーっと、文字の総数っていくつだったっけ?」
「約85億文字だ」
「ありがとう、タケル君。と言うことは、85億文字を300万話で割れば平均が出るわね。えーっと、スマホで電卓っと……だいたい1話2,800文字くらいかしら」
「ちょっと待った!」
「え? 何?」
「確かに平均はそれくらいの数字になるけど、事はそう単純じゃないんだ」
「またぁ?」
「1エピソードの文字数分布は応用編に足を突っ込んじゃうので、今回はスルーだ」
「えぇー……残念」
「さて、エピソード数も『べき乗則』に従っていることを確認するために、エピソード数別の作品分布のデータを示すぞ。
ここでケイコちゃんにクイズがある」
「クイズ?」
「そうだ。今から見せるデータには、『べき乗則』以外にある特徴が現れているんだ。それを当ててごらん」
「分かったわ」
「『読み手』の皆さんも、どんな特徴か探しながら見て欲しい」
「私と勝負ね!」
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統計情報:エピソード数別作品数分布(出現率, 累計)
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1話:92,927作品 (43.10%, 43.10%)
2話:15,595作品 (7.23%, 50.34%)
3話:12,107作品 (5.62%, 55.95%)
4話:9,659作品 (4.48%, 60.43%)
5話:8,291作品 (3.85%, 64.28%)
6話:6,519作品 (3.02%, 67.30%)
7話:5,368作品 (2.49%, 69.79%)
8話:4,502作品 (2.09%, 71.88%)
9話:3,734作品 (1.73%, 73.61%)
10話:3,630作品 (1.68%, 75.30%)
11話:2,912作品 (1.35%, 76.65%)
12話:2,625作品 (1.22%, 77.86%)
13話:2,195作品 (1.02%, 78.88%)
14話:1,940作品 (0.90%, 79.78%)
15話:1,789作品 (0.83%, 80.61%)
16話:1,613作品 (0.75%, 81.36%)
17話:1,520作品 (0.71%, 82.07%)
18話:1,460作品 (0.68%, 82.74%)
19話:1,298作品 (0.60%, 83.35%)
20話:1,375作品 (0.64%, 83.98%)
21話:1,219作品 (0.57%, 84.55%)
22話:1,160作品 (0.54%, 85.09%)
23話:1,054作品 (0.49%, 85.58%)
24話:1,049作品 (0.49%, 86.06%)
25話:1,019作品 (0.47%, 86.53%)
26話:924作品 (0.43%, 86.96%)
27話:902作品 (0.42%, 87.38%)
28話:821作品 (0.38%, 87.76%)
29話:774作品 (0.36%, 88.12%)
30話:1,027作品 (0.48%, 88.60%)
31話:790作品 (0.37%, 88.96%)
32話:764作品 (0.35%, 89.32%)
33話:712作品 (0.33%, 89.65%)
34話:621作品 (0.29%, 89.94%)
35話:713作品 (0.33%, 90.27%)
36話:670作品 (0.31%, 90.58%)
37話:639作品 (0.30%, 90.87%)
38話:612作品 (0.28%, 91.16%)
39話:563作品 (0.26%, 91.42%)
40話:629作品 (0.29%, 91.71%)
41話:506作品 (0.23%, 91.95%)
42話:501作品 (0.23%, 92.18%)
43話:464作品 (0.22%, 92.39%)
44話:468作品 (0.22%, 92.61%)
45話:442作品 (0.21%, 92.82%)
46話:424作品 (0.20%, 93.01%)
47話:410作品 (0.19%, 93.20%)
48話:410作品 (0.19%, 93.39%)
49話:356作品 (0.17%, 93.56%)
50話:500作品 (0.23%, 93.79%)
51話:364作品 (0.17%, 93.96%)
……
4,278話:1作品 (0.00%, 100.00%)
5,006話:1作品 (0.00%, 100.00%)
7,873話:1作品 (0.00%, 100.00%)
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合計:215,590作品 (100.00%)
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「相変わらず急激に減った後は、だらだらと減り続けるわね」
「クイズの答えは分かった?」
「うーん、数字が細かすぎてよく分かんない。『読み手』の皆さんは分かったのかしら?」
「そうか。なら、特徴的な数字だけ抜き出してみることにしよう」
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統計情報:エピソード数別作品数分布(出現率, 累計)
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……
29話:774作品 (0.36%, 88.12%)
30話:1,027作品 (0.48%, 88.60%)
31話:790作品 (0.37%, 88.96%)
……
39話:563作品 (0.26%, 91.42%)
40話:629作品 (0.29%, 91.71%)
41話:506作品 (0.23%, 91.95%)
……
49話:356作品 (0.17%, 93.56%)
50話:500作品 (0.23%, 93.79%)
51話:364作品 (0.17%, 93.96%)
……
――――――――――――――――
「あぁ、なるほど! キリの良い数字で作品数が多くなってるわ」
「正解だ。どうやら、29話とか39話で終わるのは中途半端だと思って、10の倍数で終わらせたがる心理が一部の『書き手』に働くらしい。それを示すデータがこれだ」
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統計情報:エピソード数別作品数分布
比較対象:完結済 VS 連載中
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9話:1,657作品 VS 2,077作品
10話:1,722作品 VS 1,908作品
11話:1,258作品 VS 1,654作品
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19話:498作品 VS 800作品
20話:623作品 VS 752作品
21話:556作品 VS 663作品
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29話:357作品 VS 417作品
30話:587作品 VS 440作品
31話:439作品 VS 351作品
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39話:317作品 VS 246作品
40話:333作品 VS 296作品
41話:281作品 VS 225作品
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49話:182作品 VS 174作品
50話:284作品 VS 216作品
51話:190作品 VS 174作品
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「この表はどう見ればいいの?」
「まず、これは完結済の作品が多いのか、それとも連載中の作品が多いのかを比べるための表ではない。縦に見て欲しいんだ」
「ん? どういうこと?」
「つまり、9話、10話、11話という流れで数字を比較して欲しい。
まず、右側に記載した連載中の作品を見ると、キリの良い数字だとしても前後と比較して大きく外れた値は取ってないことが分かる。
一方、左側に記載した完結済みの作品は、キリ番で明らかに外れ値を取っている。統計的な検定を施したわけじゃないが、これは誤差の
「『書き手』の中にキリ番ゲッターがいるってことね!」
「表現が古いな……。一体いつのウェブ時代だよ」
「うるさいわね。話を戻しましょ。
前後を比較すると、特に50話が多いわね」
「うん。まぁ、気持ちは分かるよ。50話も続けるのは並大抵のことではないだろう。ただ、果たしてそれは本質的に重要なことだろうか?
意見には個人差があることを先に断っておいてから、俺の意見を述べたい。
個人的には、『キリの良い数字にするためエピソードを足したり減らす』のは本末転倒だと思う。その行為が物語に本当に必要なのか
「エピソードを足したことによって間延びしたり、エピソードを減らしたことによって窮屈感が出ちゃったら、小説のイメージが壊れかねないわね」
「その通りだ。大体、『読み手』は体面なんて全く気に掛けてない。何より重要なのは中身だ」
「確かに」
「もちろん、キリ番が悪いと言ってる訳じゃないぞ。そこは誤解しないで欲しい。真剣に悩んで小説を書き上げた結果、40話とか50話になったのなら、それは大いに結構!」
「その物語に合った話数構成を考えることが重要なのね」
「人間って不思議よね。13って数字を怖がったり、50という数字をありがたがったり」
「それだけ数字には魔力があるってことだよ。例えばほら、統計の数字を読みに来てくれる『読み手』の方々がこうやって実際にいるわけだし」
「そう言えば、私達って数字まみれよね」
「ははっ! 全くだ。
ところで数字と言えば、『数論』は数学の深淵を覗けるぞ」
「せいっ、すぅー……ローン!」
「麻雀……? これは全く興味が無いというサインだな」
「だって分かる訳ないじゃん!」
「今後出てくるんだけどなぁ……数論」
「えぇ!? 私は嫌よ? 絶対逃げるわ!!」
「数論にも出てくる道具を使えば、カクヨム小説の星からランキング的な奴が推定出来るようになるんだけど……難しいなら仕方がない。やめとくか」
「……え? なになに? 興味ある」
「分かりやすい反応だな。じゃぁ、折角だし数論の基礎から勉強を始めようか。まずは自然数の定義から――」
「あ、私やること思い出したら、先帰るね。また今度~」
「ケイコちゃん!?」
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今日の研究ノートまとめ
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・エピソード数の分布も『べき乗則』に従っている
・30話や50話といったキリの良い数字が人気
・エピソード数は物語の構成を決める大事な要素だから、しっかり考えよう!
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