第三章  その言葉が許されるのは、真っ当に生きてる側の人間だけだ

 

   ◆◆◆


「先輩に挨拶しろ」

「一年のくせに生意気なんだよ」


 これもクズどもがよく口にする台詞だ。

 先輩。先に入った、もしくは生まれたやから。そう、所詮は「輩」だ。先輩も後輩も「輩」。あまりいいイメージを受けないこの漢字が当てられているのは、それぞれが自分たちを戒めるためじゃないだろうか。先に組織に入ったから、先に生まれたからというだけで偉ぶらないように。あとから参加した立場でも、必要以上に卑下しないように。


 欧米では、ここまで奇妙な先輩・後輩文化は存在しない。もちろんキャリアや学年が上の者があとから参加した者を導くことはあるけれど、大前提としてまずはたがいを一人の人間として尊重する。向こうの人からすれば、いじめやパワハラの温床になるような年功序列はじつに馬鹿らしくて、くだらないものに映るらしい。


 馬鹿らしくて、くだらない。本当にその通りだ。それだけじゃない。いじめをする犯罪者は汚くて、卑劣で、存在してはいけない。奴らは徹底して排除しなければならない。


 だから必ず報いを受けさせる。

 どんな手を使ってでも、必ず。


   ◆◆◆

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