第141話 stand-alone ⑥
『
「なるほどな」
ようやく
あの馬鹿みたいな耐久力のボスは、本当に倒す事を前提としていなかったようだ。
あの化け物から逃げながらラッシュを戦うのが正攻法だったのだろう。
そんな事が可能だとは一切思わないので、馬鹿も休み休み言って欲しいと
この通知の内容を見るに、大塊獣を放置しているとラッシュを重ねる毎にボスの形状が変化していたようだ。
リヴァイアサン、……最強の海洋生物か何か、だった気がする。
更にその上位の『鳳凰』。
あのレベルの巨体が空を飛び始めたら、誰が生き延びられるというのだろう。
もしも仮に
頭部から徐々に崩れていく大塊獣の肉片一つ一つから、数多の敵が生まれ落ちようとしていた。
これが通知にある百鬼夜行なのだろう。
本来は、討伐困難な強敵を
何しろ、こいつらには――、
「スペシャルショットが効くからな」
◆◆◆
『全生存者にお知らせします。おめでとうございます、
『全生存者にお知らせします。現地時間、6時00分04秒より、
青嵐終了と同時に、街に
光が灯っているのは、東京タワーのみ。
街の明かりが消えた事で空には満点の星空が顔を見せ、こんな状況でさえなければ幻想的な光景に目を奪われたに違いない。
携帯端末に表示された現在時刻は1時36分。
全ての敵を処理するのに予想以上の時間を要した。
恭平はともかく、他の皆が休めるのはたった4時間と少し。今後の戦いを考えると、先が思いやられる。
幸いにも、現状で負傷者と死亡者はゼロ。
前回の失敗は
更に大量の
30分を過ぎた辺りで共通チャットには、次々と皆の習得した赤文字スキルと詳細が書き込まれている。
これらのスキルを組み合わせる事で、更に効率よく敵を
『次の
注意点を思いつく限り書き連ねる。文面でどれだけ伝わるだろうか。
今は皆を信じるしかない。
携帯の余りがあれば、敵の位置を探知するのに使えるとはいえ、ぶっつけ本番で使いこなせるとは思えない。
ここからは恭平にとって未知の領域だ。
霧の影響で敵の発見が遅れ、対応が後手になるのは避けられない。
出来る限り、爆発で霧を吹き飛ばしながら戦えればベストだが、爆風の周囲に留まる必要があるので、行動範囲が狭まってしまう。
まずは東京タワー周辺を徹底的に
最初の苛烈なラッシュの一陣を
視界が悪い手前、目視で敵を探すのは難しい。武器を携帯に戻して、敵の居るポイントを確認しつつ効率よく対処しなければならない。
必然的に、雑魚よりも厄介なボス級を優先して倒す事になるだろう。
取り
大丈夫、事前に説明していたとはいえ、あれだけの数の軍曹を相手に彼らは戦いきったのだ。
「とりあえず、少し寝よう」
恭平は次の前準備に取り掛かるべく、真っ暗な街に向かって歩き出した。
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