第90話 ensemble ②
「自分達が来たからにはもう大丈夫。この
「渋谷……本当に?」
「証拠に、見てください。このレベルを」
「48!?」
彼女もレベルの
リオンの画面を見せて貰うと、レベルは2で止まっている。
今まで敵とほぼ戦わず、立て
「他に、開始後に外から来た人は?」
「そこの窓の近くにいるカップルだけかな」
彼女の視線の先を見ると、泣き疲れたのか顔を真っ赤にしてうとうとしている女性と、その肩を抱く男性の姿があった。
彼らも近場から逃げ込んできたのだろう。ほぼ戦闘経験は無いと言っていい。
「そこの君、
「はい」
「怪我してるみたいだけど、大丈夫?」
「平気です」
「……そうじゃなくて、感染とかそういうの」
リオンの言葉には
距離を取られているなと思っていたが、そういう事かと納得する。
女性で好む人は少ないゾンビというジャンルについての知識もあるという訳だ。
「
「で、どうなの?」
「この世界だと、死ねば
「ならその傷は?」
「ボスとの戦いで、見えない攻撃を受けた時の」
「ボス? ああ、大きいのも居たね、確か」
リオンはさらに質問を重ねようとしたが、恭平はそれを遮った。
彼女の一つ一つ質問を待っていては
ただでさえ時間が惜しい状況だ。
恭平は「皆を集めて貰っていいですか」と提案し、全員が集まった
それから約10分後。
「キミの言う通りにすれば、私達は助かるって事?」
「はい」
「それを信じろって?」
「はい。そうです」
リオンは
「少し、話し合わせて貰っていい?」
「どうぞ。でも、出来るだけ早くお願いします。時間が経てばその分だけ、難しくなる」
「分かった。15分。それでいい?」
恭平は頷き、離れて行くリオン達の背中を見送る。
「よかったのか?」
「無理を通そうとしても、数的にこっちが不利だ。
「あの感じ、下手すると追い出されそうだもんね」
「敵を倒してる時に、背中から撃たれるかも」
「自分も死ぬぞ。流石にそこまで馬鹿な事しないだろ」
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