第52話 セカンドコンタクト ⑤
こんな形で、新たな生存者と出会うとは。
否応なしに気持ちが
「武器を持ってるプレイヤーの事です。自分も、ほら」
「なんだそれ、
「奥に居る
「そうなのか。この銃、俺も携帯に戻せるのか?」
「はい。
彼がきつく目を
「おお、凄い! やったぁ、よかった!」
「目を瞑る必要はないですよ。武器に戻すときも」
「あーもう、早く連絡しないと殺される。というか、死ぬ」
「繋がらないと思いますけど」
「……圏外? 渋谷だぞここ!」
やたらと声がでかい。これが体育会系という奴なのだろうか。
ついさっきまでバケモノに追いかけられていたのに仕事の心配をするなんて、変な人だなと思う。
「終わった。完全に。クビは嫌だな」
「多分、世界中同じ状況なのでみんな仕事どころじゃないと思います」
「えっ、そうなの? 本当に? よかったー。いや良くないか」
感情の起伏がやたらに激しい。
こういう切り替えの早い人が案外生き残るのだろうか。
「三人はどういう関係? 制服はバラバラに見えるけど」
「色々あって、今は一緒に逃げてます」
「この状況ならそうか。俺も仲間に入っていいかな。平均年齢上がっちゃうけど。俺も死にたくないし、君はなんだか詳しそうだし」
緩いのか鋭いのか。
彼は立ち上がって伸びをした後、右手を差し出してきた。
「
「
「へぇ、高校生! しっかりしてるね」
「私は、
「……
「この状況を切り抜けるまで、よろしく頼む。俺だけ年上で取っつきにくいかもしれないけど、意外と子供に好かれるんだぜ。それで、この後どうするつもりなんだ?」
恭平は後ろの美和子達に視線を向ける。
正直、まだこの後の予定どころか状況説明も満足に終わっていない。
だが、向かうべき場所は決まっている。
「国会議事堂を目指そうと思ってます」
「いいね。日本の中心だし頼れる人は沢山いそうだ」
「八木さんもスキルを持ってる筈なので、教えてもらえますか」
「スキル?」
「携帯で確認できます。俺のスキルは敵を足止めするショックアロー、燃やすファイアアロー、動きを止めるアイスアローです」
「へぇ、便利だな」
「スキルは一度使うとクールタイムがあります。連続使用はできません。種類に寄りますけど」
「良いスキルだといいんだけど。これか? 『
「効果時間は?」
「効果時間? 何も書いてないけど」
そんな筈はないと携帯を見せてもらうと、確かに効果時間の記載がない。
「パッシブスキル……かな」
「パッシブ?」
「常に効果が発動してる状態ってことです。効果を
この説明を見る限り、2体が4メートル以内に居るだけでも片方の敵が死ぬまで跳弾し続けるのではないだろうか。
各個撃破には向かないが、
この能力があれば、大通りの攻略も可能かもしれない……。
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