第43話 起死回生 ⑤
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「4、3、2……」
「は、は、は……」
乾いた笑みが
「けどまぁ、巻き戻れば……再生してるよな」
再びスローが始まると、十一時の方角に奴は当たり前のように居た。
毎度毎度、起死回生を引き起こす
ボウガンを即座に携帯へと戻して実績を確認する。
死ぬ直前に聞いた謎の音が気になった。
「やっぱり」
予想は正しかった。
実績の項目には二つの新たな
一つ目は『シリアルキラー』。
一般人を30人殺害する事で取得となる称号らしい。
先程の大爆発でそれだけの人を巻き込んだという事だ。
巻き込んだ人々も生き返っているので、罪の意識は
深く考えるのはやめておこう。
実績による効果は――、
「対人の
フレンドリーファイアを想定しているのだろうか。
さておき、この場を乗り切るのに使えるスキルではない。
もう一つの実績に期待を込めて視線を下げる。
『
称号があるという事はやはりアイツ、ボス級の化け物で間違いないらしい。
肝心のスキルは、『周囲に居る他の生存者の数に応じて自分と生存者の武器威力が増加する』というものだ。
……という事は、今ってかなり攻撃力上がってる?
これだけ人が居るのだ。期待値が上がる……と考えた所で疑問が浮かんだ。
引っかかったのは『生存者』という表記だ。
シリアルキラーの説明文に書かれていたのは『一般人』だった。
これほど悪趣味かつ
混乱させるような表現のブレを見逃す訳がない。
一般人と生存者の間には明確な違いがある筈だ。
恭平が吹き飛ばしてしまったのは一般人。
「武器を持っているプレイヤーが生存者、持っていない人が一般人か?」
推測ではあるが、十中八九間違いではないという確信がある。
そう仮定すると曹長の実績によるバフは今の状況では期待できない。
「なら次は、アイツに試すしかないよな」
矢が黄金に輝く。あの威力なら通常の矢の仕込みは不要だろう。
六発を空中に打ち出し、すぐさま目の前の案山子の頭をボウガンで殴り飛ばす。
時間が元に戻り、吹き飛んだ案山子の頭は直後に起こった大爆発で明後日の方角へ吹き飛んだ。
巨大な緑の肉塊は、大量の
その足の数本が、恭平の体に突き刺さった。
- Continue ―
「良いスキルをくれよ……」
祈るように携帯を操作する。
これでダメなら詰みだ。
他に実績があるとするなら、敵を倒した数か、更に死ぬ回数を重ねるか。
そうなれば今度こそ、精神が崩壊する方が先だろう。
果たして、
「『
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