第14話 共同戦線 ⑨
「
「ただの幻覚だったらいいんだけど」
夢ならどれだけ楽だったことか。
「携帯のアプリでみんな
「アプリを消してなくても、武器持ってない奴もいたぞ。多分だけど」
「それは、催眠に深く掛かっていなかったとか。開始時に変な文字が出たり、色が変わったりしたよね。あのパターンが実は催眠の
「カウントダウンのタイミングで画面を見てなかった奴らは上手くかからなかった?」
本当にそうだろうかと、皆が首をひねる。
そんな中、
決して浅くない傷が床に刻まれ、彼女は
「感触もあるし、幻覚には思えないけど」
皆が彼女に
これも幻覚と言うにはあまりにリアルだ。
「可能性が無いとは言い切れないんじゃない?」
「原因がアプリにあるなら、アンインストールすれば解除されるのかな?」
「ダメ、アンインストールがない。本体からの
「
「でも、私達の
そうなれば戦力はガタ落ちだ。
「ここは武器を二つ持ってる――」
「冗談でしょ。やるなら
考えた所で答えは出そうもなかった。
必然的に、議題は一つ前に巻き戻る。
「そのあたりは、後々分かってくるかもしれないし、今は分かってる情報から整理しよう。何の話だったっけ?」
「レベルの話」
「そうそう。あれだけの数を倒して、このレベルだとすると、新スキルを覚えるのはまだ先になりそうだね」
「ちょっとまって」
また、優が心底嫌そうな表情で皆を順番に見た。
「新スキルを覚えるぐらい、外には経験値になるバケモノがいっぱい居るってこと?」
「可能性は、高い」
「頭が痛くなりそう。早くこの悪夢から覚めてお風呂入りたい。コレが趣味悪いゲームだとして、何すればクリア? 百体倒すとか?」
優の畳みかけるような疑問の
当然、誰も答える事が出来ない。
この状況がどうすれば終わるのか、何一つ情報が提示されていないのだ。
皆が
「普通のゲームなら、ラスボスを倒せばゲームクリアが一般的だけど、特定のミッションを達成するとクリアになるゲームもある。今は条件が表示されてないけど、時間経過とか、特定の地点に行くことで、クエストやボス戦が発生する可能性はあるかも」
率先して口を開いたのは
ゲームの受け売りになるが、この手の知識には少し自信がある。
「
「……なぁる。つまり、このゲーム内のお金で鍵が解除できない建物があったら、それがゴールかもしれない?」
「ゴールじゃなかったとしても、ゲーム上で重要な地点なのは間違いないだろうね」
そう言ってみたものの、調べるのは容易ではない。
あるかもわからないものをマップで
移動しては調べて、を繰り返す必要がある。
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