第4話 kiss、自分の想い

それから数カ月が過ぎ。


私はあれから何度か合コンに参加。


だけど、誰とも付き合う事なく月日が流れる。



ある日の夜。



ドンドンドン……


玄関のドアがノックさる。


ビクッ



「由津葉さーん、開けて下さい!」

「えっ?瀏士君?」



ガチャ

ドアを開ける私。



「どうしたの?しかも、お酒飲んでるし」

「部屋の鍵が見つからなくて今夜泊めて下さい!」


「えっ?」



入って行く瀏士君。



「あっ!ちょ…く、靴脱いでよっ!」




そして、部屋に上がると適当に横になり、そのまま眠りに入った。


私は毛布を掛け、去ろうとしたその時 ―――




グイッ

私の手を掴む。



ドキッ



ドサッ



私を倒すと股がり私の両手を押えつけた。



ドキーッ



「ちょ、ちょっと……瀏士……」




ドキン


キスをする瀏士君。


見つめ合う私達。



ドキン……


ドキン……





「顔、赤くなってるよ」

「し、仕方ないでしょう」



顔を反らし始める私の頬を止めて、再びキスをし、一端離れると深いキスを何度もされ名残惜しむかのように声が洩れた。



「……………」



「そんな顔されると抑えれなくなる。だけど……これ以上求めると由津葉を傷付けるから」



ドキン


微笑む瀏士。



「瀏士…」



私から降り隣で横になる瀏士。


私は瀏士の背中に顔を埋めた。




次の日の夕方。


「瀏士君」

「君は?」

「これ落としてたよ」

「あっ!部屋の鍵」



スッ


取り上げようとする瀏士君の目の前から鍵を離す。



「ねえ、私、昨日、見付けてたんだけど、全然話せなくて」

「あーだから何処かで見た事あると思ったら昨日の合コンの子」

「ねえ、私の事、抱いて♪」

「良いけど」


「えっ?あっさり過ぎない?」

「だって、俺、H好きだから。それだけが目的なら幾らでも抱くけど。SFで良いなら」



そして、偶々二人が部屋に入って行くのを見掛けた。


私は、その姿を見ては、胸の奥がズキンと痛んだ。



その時、私は自分の想いに気付いた瞬間だった。





それから彼女は毎回のように来ていた。


Hをするだけの関係。


でもそんな彼女は瀏士の事を本気になったと思われるみたいで ―――



「最初の約束忘れた訳じゃねーよな?俺、女って正直嫌いでさ」


「瀏士君…」


「悪い帰ってくんね?」

「瀏士君…待って!」

「帰れよ!特別な想いとかあるなら二度と来ないでほしい」



彼女を追い出すように瀏士はすると、彼女は渋々帰って行く姿を私は見かけた。



ドンドンドン……



私は瀏士の部屋のドアをノックする。



「何だよ!」

「……ごめん……ていうか今の子良いの?」

「…由津葉…悪い…今、機嫌悪いから部屋に戻った方が良い」

「……そうかもしれないけど…」




グイッと部屋に入れドアに押し付けた。



ドキッ



「…じゃあ何聞きたいわけ?」

「今の子は…?」

「SFだけど?体の関係だけの女。俺、最初に忠告してたけど向こうがマジ(本気)になった。来る度に忠告していたんだけど」


「…そう…なんだ…」

「後は?」

「えっ?特には…」

「……ふ~ん…なあ…由津葉」

「何?」



顎を掴み、キスをすると一端唇が離れ深いキスをされた。



私の体に触れ、私の太ももに瀏士の手が這う。



「ちょ、ちょっと……瀏士、待って!私達は……」


「言ったじゃん。機嫌悪いって。この機嫌の悪さを由津葉で満たせてよ」

「何言って……」

「じゃあ何で来たの?部屋に戻った方が良いって言ったじゃん」

「……瀏士…」

「そんな顔すんなよ!」



瀏士は再びキスをし深いキスをすると首すじから鎖骨と唇を這わせ、再び太ももに手が這う。


ビクッ



「何で抵抗しないわけ?」

「…き…だから…」



顔を上げる私。



「あなたが…瀏士が好きだからっ!」

「由津葉…」

「…ごめん……気にしないで……」



瀏士は私から離れ、私も瀏士の部屋を後に出て行き始める。



「……由津葉…サンキュー…でも…俺…一人の女を一途に愛する事出来ねーから…」

「…分かった…それが…瀏士の返事だって事…受け止めるよ…」



グイッと引き止め背後から抱きしめた。



「ごめんな…由津葉…」






分かってた…


どんなに好きでも


あなただけを愛しても


きっとあなたは一人の女性として


愛してくれないから ――――




――― そう



私だけを愛してくれない……






























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