第2話

整理整頓。それは人生に置いても重要。どいつもこいつもどんぐりの背比べ。ってのは言わずもがな。セ何とかっていう人が言った。“神は悪人を許すが、永遠に許すわけではない”と。政治はモラルの線上に位置しなくてはならないのに、何なんだこの国は、一体、どないなっとんねん。洒落にもならんわ。チャンチャラおかしくてへそで茶を沸かしてしまう。詰まるところ、雑魚ばっか。どうしようもない奴はそれが何でどうしようもないのかさえ分かっていない。自分が既にドブに浸かっていることに気付いてもいないのだ。マキャベリの君主論でも読んで出直して来やがれ。一国のリーダーを舐めてんじゃねえぞ。孫子の兵法、孔子の論語、宮本武蔵の五輪の書ぐらいは嗜んでから来い。えっそれぐらいは読んだだと。どうせ、論語読みの論語知らずってのがオチ。ウワベだけっしょ。それじゃあ、聖徳太子(今、教科書では、“らしい”になってるけど。本当は存在しなかったとか、馬宿の皇子を指しているとか)で有名な十七条憲法でも“和”というものを重んじているのは存じていますか?だけど、どの著名な作家が書いた本を読んだとしても理解してないんじゃ意味ないんです。こんな俺でも少しは知ってる。“迷いの晴れたところこそ真実の空としるべし”ってまだ俺は暗闇の中でした。デカいこと言ってすいません。ふーんだ。でもニート、引きこもりよりはマシ。それにニートなんて愚の骨頂かもしれない。だって何もしないで実家とかにただ居れるなんて裕福な証拠じゃんか。これでも一人暮らしだからさ、必死で生きてるこういう俺らでも“お前ら何甘えてんだよ”ってことになるだろ?当然。親の傘の下で守ってもらうというより、象牙の塔に隠れたままの弱い人間。そこまで行ったら、もう後は立ち上がるしかない。自分の殻に閉じ篭ってないで、皆待ってるから早く出て来いや(何で高田?)。俺も頑張るから。だって引篭もりなんて存在自体、生まれた国が裕福だってことの証明。戦争やってたら、逃げ遅れるし、貧困が社会問題となってる国では、引篭もってたらそのままあの世へ直行だよ。そういう悲惨な国に生まれた人達にしたら“何だそのムカツク贅沢野朗は?”とか“だから裕福な国の奴らは、甘ちゃんなんだよ“とか、そういう悲惨な国の人間にに嘲笑されそうだ。自分の世界にシャッター下ろして引篭もってる奴は、“自分対世界“みないな考えを作っっちゃってるように旗からは見える。社会や他人とつながりたいと少しでも思ってるなら、今いる閉じた世界から、早く出て来いや(またまた高田風)と言いたい。人生、嫌な、ムカツクこと、反吐が出るような、人生を投げ出したくなるような人間を誘導するようなこと、そういうのが誰の身にも起こりうる。そのレベルは違えど、波風の立たない人生など存在しない。この世のどこにもだ。誰もが内に悲しみを携え、己が人生を生きている。こんなどうしようもない俺だって、必死で毎日を何とか生きてるんだから。スパイラル=螺旋は、必ずしも閉じてない。どこか一つくらい開いてるだろうって?少しくらい抜け道があるさって?そう思って俺も頑張ってるつもり。でもだからって他人に対し、お前も頑張れなんて言わないし、言えない。今の俺は自分で自分を誇れるような生き方からは、まだまだ遠いから。だから俺はとりあえず、何でもいいから、汗水たらして働いとく。とにかく、人間には選択するという力を与えられているんだから。俺が言えるのはそこまでだ。空元気なら、すぐバレるだろうし。

 「フリーター」横文字が返って悲しく映るこの響き。現在、何を隠そう俺も天下の自由人であります。こんなのを声を大にして言うのは、ちと情けないのも承知しとります。会社を辞めたのは俺だし、身から出た錆と言えばそうだし、親にとっては俺は頭痛の種だし、俺の生き方は児戯に類する。そう、ただの放蕩息子の大馬鹿野朗かもしれないが、機が熟すまで動かないのも一つの策かなとも最近は思ってる。でも毎日をどう生きるか、本当はそれが一番の悩みの種だ。本と親からしたら、子故の闇。呆れて二の句が継げませんって感じ。こんなターミナルみたいなとこでいくら頑張ってみても、どこまで行っても独り相撲だ。どうせなら、新しい職場みつけて、花弁をつけて置く方が賢明な生き方かもしれない。最近はそんなことも考えている。

 世の中いつの時代も分けられてる。権力を持つ者とそうでない者。人と言うのは、いつの世も戦いの中に存在する悲しき宿命を生まれながらに背負っている。そういう生き物なのだ。老いも若きも男も女も自分と言う存在を知ってもらう行為の延長線上に、他人と比べるという思考が備わってしまってる。そう、世界は今でも他人と比べたがってる。ああ、それって無常。人はいずれ灰になる。命数が尽き、あの世からお呼びが掛かるというのに。どんなに偉い奴でも、どんなに金があっても、それだけは平等。それが現実の世界だ。金持ってない奴はこの世に存在するのも困難になる。貧困は生きる地獄。それも悲しいかな現実なんだ。で、これだけは誰の人生に置いても大事。昔からマシな人間になる為の最低条件はこれでしょう。

—殺すな。盗むな。嘘つくな。過剰な性欲を持つな。その他の欲も程々に—

ってそれくらいは、怠惰な俺でも常に頭にインプットしといて、あの世に行くまでは、あっちの世界からお呼びが掛かるまでは、それぐらいは遵守して頑張りたい。

「国民の皆さん。私、司馬誠一郎は、この度、自多党の総裁となりました。そして内閣総理大臣の任を務めることと相成りました。誠意を持って、また全身全霊を懸けて国民の皆様と共に我が国の為に全力を尽くして行く所存でございます」

お決まりとも言える所信表明演説。誠意なんていう言葉を軽々しく使うもんじゃない。自分の心をはっきりさせ、自分の良心を欺かない自信がある人間しか、その言葉は使ってはいけない。一言居士で老いの一徹なら早めに辞職して頂きたい。大言壮語の男は信用出来ない。それは、ことが始まる前からの国民の声です。いつだって人の上に立とうとしてる奴は、針のむしろにいるんです。新しく首相が指名されると開かれる特別国会。そこで所信表明演説が行なわれる。所信は志を指している。だから準備不足は“私は中身がない奴です。総理の器ではありません”と自分で自分の首を絞めることになり兼ねない。演説をただの紙切れの棒読みで終わらせるかどうかは、総理の腕ならぬ頭、総理の心掛け次第なのだ。でも国民の為とか平和の為とか改革の為に努力しますとか言うのは当たり前だし、もういい加減ウンザリしてますって感じ。美辞麗句はもういいから、やることやって下さい。その後、内閣の基本方針を示している施政方針演説が通常国会で行なわれるのだ。新総理は、延々とテレビを始め主要メディアをジャックしていった。“国のトップ”が我がもの顔で列島を駆け巡る。こんなのを見せられると改めて思うことがある。政治の下にモラルじゃだめなんだ。モラルが一番上にこなくては国民は追いて来ない。お分かりですか?ステイツマン(政治家)。何だって?何があっても、私は天下りは許さないってか。そもそも国家公務員の最後は事務次官。その出世レースに敗れた者は、早期退職って構図がヤバイいんじゃないの?定年まで勤められる給与体系にした方がいいんゃない?オッサンになっていくと給料が高くなる。それがいいとは限らないでしょ。早くリタイアしたい人と体と頭が動くまで、働きたい人。どっちも幸せになるような方法を考えましょうよ。国民の税金で飯食ってるクセに調子こいてる奴らはムカつくけど、天下りも見たり、聞いたりしてる中で腹立たしく映る時があるんです。腐敗し、汚れきった川の流れは、中々、清めきれないものがある。これが清く澄んだものになるのは、一体いつになるのだろうか。台所事情を無視しては身の破滅。誰だって自分が可愛い。政治家の皆さん。それは当たり前ですが、あなた方、どうか自分が重要なポジションにいる事実を理解して下さい。

—えっ俺っすか?ええっと自分、バイトは基本的にマイサービスだと思ってます。時間を無駄にしてるとは思ってません。あくまでも投資です。人生とは長いもので、この世に、“もしも”はありません。明日は明日の風が吹きます。アウトサイダー、アウトローでもいいんです。それで生きていこうと思ってます。ユートピアより夢を見たいんです。当分はそれで行こうと思ってます。貧乏は嫌だけど、仕事がないよりはあった方がいい。嫌なら違う仕事を探せばいいっすから—

あーあ。今日もバイトっす。朝の朝礼。恒例の儀式。ルーティーンの一番最初。あっ来た。嫌味なメタボリックの登場。(根は悪くないが。って本とかよ?)40前には見えない感じ。もっといってるかも。年誤魔化してません?それってここにいるバイト全員の意見です。こいつがここの中ボス。俺らにいつも横柄な態度で接する大ボスは、本社と、ここを行ったり来たり。たまにしかその姿を見せない。でもこいつも俺達を見下してる。床に落ちてるクズゴミすら、例えば紙の切れ端とかさえ、偉そうな態度で、「そこのお前、捨てて来い」とか軽く言うんだ。俺ら派遣を顎で使うのに、何のためらいもない。はっきり言ってムカつく奴。それも超ムカツク。嫌いな奴って言う程そいつの事を知らないが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いっていう感覚も、ここでは何か分かる気がする。本とはブラック企業です。いつか密告使用と考えてます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る