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―――私の両親は真面目で誠実だった。
だって毎週日曜日朝9時に教会へ行っていたのだから。
私はその両親がとても好きだった。
私も真面目に生きよう、そしたら神様は認めてくれるって教えてもらったんだもの。
だからとても努力したんだよ。頭悪いけど勉強頑張ったし、本も読んだし、お手伝いもした。神様から認められるように。
ねぇ、お母さんお父さん。
「神様って、いるよね?」
「×××××××××××。」
「?」
理解ができない。分からない。なんで?×××?だったら「私」は何―――
「朝よー!早く起きなさーい!!」
下から母の声が聞こえる。重い瞼を持ち上げる。カーテンの隙間から光が差し込んできている。
「…起きなきゃ。」
「僕」は上半身をゆっくり持ち上げて大きな欠伸をする。
隣にあるスマホを起動し時刻を確認する。
朝7時
「僕」は飛び起きてクローゼットを開け制服をもぎ取る。制服のボタンを急いで閉め、スカートのチャックを閉じる。鏡を見ると寝癖はついていないようだ。
少しホッとし、すぐ鞄を掴んで下へ走る。
「おかあさーん、今日あたし委員会で遅くなりマース。」
妹が呑気に箸で目玉焼きをつつきながら言う。
「あら、そうなの。あんまり遅くならないでね、中学生が暗い道を歩くなんて危ないんだから。」
「はぁい。」
妹のその呑気さに呆れながら「僕」は口の中に目玉焼きを放り込み、咀嚼もそこそこに飲み込んだ。
「こら、喉に詰まったらどうするの。しかもなんでいつもこんなギリギリに起きるのか……ハァ、ほら、お弁当。」
母は呆れながらお弁当を手渡してくる。
「ありがとうお母さん。行ってきまーす!」
すぐに家を飛び出した。
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