3

―――私の両親は真面目で誠実だった。

だって毎週日曜日朝9時に教会へ行っていたのだから。

私はその両親がとても好きだった。

私も真面目に生きよう、そしたら神様は認めてくれるって教えてもらったんだもの。

だからとても努力したんだよ。頭悪いけど勉強頑張ったし、本も読んだし、お手伝いもした。神様から認められるように。

ねぇ、お母さんお父さん。

「神様って、いるよね?」

「×××××××××××。」

「?」

理解ができない。分からない。なんで?×××?だったら「私」は何―――



「朝よー!早く起きなさーい!!」

下から母の声が聞こえる。重い瞼を持ち上げる。カーテンの隙間から光が差し込んできている。

「…起きなきゃ。」

「僕」は上半身をゆっくり持ち上げて大きな欠伸をする。

隣にあるスマホを起動し時刻を確認する。

朝7時

「僕」は飛び起きてクローゼットを開け制服をもぎ取る。制服のボタンを急いで閉め、スカートのチャックを閉じる。鏡を見ると寝癖はついていないようだ。

少しホッとし、すぐ鞄を掴んで下へ走る。

「おかあさーん、今日あたし委員会で遅くなりマース。」

妹が呑気に箸で目玉焼きをつつきながら言う。

「あら、そうなの。あんまり遅くならないでね、中学生が暗い道を歩くなんて危ないんだから。」

「はぁい。」

妹のその呑気さに呆れながら「僕」は口の中に目玉焼きを放り込み、咀嚼もそこそこに飲み込んだ。

「こら、喉に詰まったらどうするの。しかもなんでいつもこんなギリギリに起きるのか……ハァ、ほら、お弁当。」

母は呆れながらお弁当を手渡してくる。

「ありがとうお母さん。行ってきまーす!」

すぐに家を飛び出した。


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