物語を作ろう! アハッ!

渋谷かな

第1話 弓1

「おはよう! 新しい朝!」

 作家さんは目が覚めた。

「そうですね。短編でいいらしいので、間が空くたびに新作投稿にすればいいんですね。」

 編集くんも起きた。

「寝ている時に神のお告げがあった。」

 作家さんは神と睡眠中に交信ができるらしい。

「人間は心を無くして鬼やゾンビになる。という設定が良くなかった。」

「といいますと?」

「北斗の拳の世界観だ! 人間を殺しても良いという世紀末な世界だ! 暴力が支配する世界。いじめっ子には死を!」

「やっぱり先生はすごいや! スケールが違う!?」

 売れっ子作家はこれぐらいの発想で、鬼に妹が食われ、巨人に母親が食われ、まさに悲劇ばっかり。ああ~日本人って暗い作品ばっかり好んでヒット作にするんだな。売れればお金持ち、売れなければ自己満足作家みたいなものかな。


「剣は人を殺すもの。」

「剣は人を守るもの。」

「なら守れなかったら?」

「え?」

 一瞬だ。一瞬で僕は大切な人を、家族を剣で斬られ殺されていく。

「やめろー!? やめてくれー!?」

 弱かった僕に強い相手の剣を止める術はなかった。

「恨むんなら自分の弱さを恨め。きれいごとだけでは誰も救えない。」

 そういって敵は消えた。

「うわああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 何も守れなかった僕の精神は音を立てて壊れた。


「どうだ?」

「さすが先生! 即興で簡単にできますね。」

「これが私の実力だ! アハッ!」

 自画自賛の作家さん。

「そうだ。鬼とかゾンビとかに置き換えるからいけないんだ。ストレートに現代で切り刻めばいいんだ。」

「でも、そんな作品だと無差別殺人が大量に発生しますよ?」

「いいんだ。鬼滅の刃だって、進撃の巨人も深夜アニメ。残酷な者は深夜アニメでいい。それが売れれば昼間にテレビ放送され、映画館で上映されるんだから。」

「モラルよりも、お金が勝つ。PTAより金儲けの人間の方が強い。政治家よりもテレビ局の方が強い。」

「勝てば官軍負ければ賊軍。作家という仕事も同じ。お金が儲かれば作品なんかどうでもいいんだから。延命、延命で面白くない。逆に4年でやめてもお金に困らない。」

「人間は腐ってますね。」

「」


「まだ決まったのは、リアルで人殺し。剣1は見習い。主人公の名前は洋ならジャスティン。和なら佐藤一郎?」















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