第5話 願いの黒板と赤い手形
司書さんと私は本について話していた。
なぜ本のカバーは変わったか、
結局あの本の存在はなんだったのか。
また炎のようなオレンジに変わったカバーをよく見ると右端に何かが振ってあることに司書さんが気づいた。
私がそこを見ると番号は『3』と書いてある。しかし、司書さんにはなにか振ってあるのは見えるのだが、番号は見えないらしい。
なんかのタイムリミットだろうか……
私だけにしか見えないのは何故なのだろうか……
そんな話をしてから私は本の続きを読むのであった。
『願いの黒板と赤い手形』
私、
桜宮中学校には元4年4組の物置化している教室がある。
なぜ中学校は三年までしかないのに4年があるのか、それは元はここの学校は小学校の校舎として使われてたらしい。
その4年4組の教室は、日の出になると願いの黒板になる。という噂があるのだが、私は信じない。
そんな現実のないものがあるわけないのだ。
私の友達はそんなことを鵜呑みし、私を巻き込み、日の出に元4年4組の教室へ行くことになった。
「へぇ〜意外に綺麗だし、片付いてんじゃ〜ん!!」と声高めに友は喋る。
「うん、そだね〜」と私は返した。
友は黒板へすぐ行き、願い事を赤のチョークで書いた。なぜいちいち赤いチョークではないといけないのかは、噂でそうでないといけないらしい。なんで本当に女子はそういうのを信じるのだろうと昔から私は思っていた。
次の日、友は結果を見に行ったらしい。
結果良かったらしい。知らんけど。
その後まじで叶ったらしい。
え?そんなわけないじゃん。と思ったが、
他のクラスメイトや友も叶ったらしい。
うちも疑っていたが、やって見ることにした。夕方だとみんな居そうなので、夜に校舎に忍び込んでやることにした。
しかし問題がある。うちの学校は夜警備員さんと、たまに先生が見回りをしているのだ。
私は正面からではなく、緊急時の場合の体育館渡り廊下から侵入することにした。
無事私は侵入に成功し、4年4組の教室の黒板へ赤いチョークで願い事を書いた。
え?なにを書いたかって?
「親友が他の友達と仲良く出来ますように。」って。
しかし、書いた瞬間、黒板が赤く染まった。
え?待って待って。何かしたか?私……
私は深呼吸をした。落ち着いてから黒板をもう1回見ると、赤でお前を許さない。と書いてあった。そして黒板から天井へ赤い手形が私の方へ迫ってくる。
私は危険を感じたので、すぐ教室を出た。
まず、外に出ることを考え、一直線に逃げたが、赤い手形はまだ追いかけてくる。
やっと4階から3階へ来れた。
2階へ行く階段の方を見たら光が見えた。
まさか先生か警備員さんが居るのではないか?しかし、赤い手形はどんどん迫ってくる。間に合うのだろうか……
やっと階段の前まで来たが、赤い手形が追いついてきてしまった。
もうダメだ……と思ったが、先生に鉢合わせし、助かった。
まぁ、1言目は先生に「なんで松村はこの時間に学校にいるんだ?」と言われたけど、
私はすぐ説明した。
先生には明日呼び出しをくらい、すごく怒られた。やっぱり噂や七不思議にはもう関わりたくないと思った。
そして私はいつも通りの日常を親友と過ごしたが、この時は思わなかった。
親友が七不思議に巻き込まれてるとは。
読み終わったとき、私は思った。
松村澪は私の親友の名前と同姓同名だ。
そしてこないだ呼び出しを喰らっていた。
どうゆう事だ?まさかこの本は現実と重なっているのか?まさか、そんな訳はない。
これはただの私の好きな本の世界だ。
そう願いたい。私の唯一の世界を裏切りたくない。
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