第2話 黒い影と縄跳び
この学校の校庭の真ん中に丸い黒い影があるのを知っているでしょうか。
あれについての怪異。
ある秋。秋というものは、なるにつれて少し冷たい風が吹き始め、日は短くなってくる。それにつれて小学生の帰宅時間も早くなっている。時刻は4時半。
帰りましょうのチャイムが市全体に鳴り響く。
この日、この中学校もそうだった。
先生は毎日チャイムが鳴った後、校庭に人が残っていないか見回りに行く。
ある日見回りの先生は校庭に3人の男の子
が校庭の真ん中の大きな木の下で、
縄跳びをしている様子を見つけた。
遠くから先生は「早く帰るんだ〜チャイム鳴ったの気づかなかったのか?」と呼びかける。しかし、男の子達はそれに気づいていない。先生は楽しすぎて気づいていないんだな!と思った。近くに行くと、話も聞かず男の子達は「先生!一緒に縄跳びしようよ!人数が足りなかったんだ!」
と話しかけて誘ってくる。
先生はしょうがないなぁ〜一緒に遊べば話を聞いて帰ってくれるだろう。と思って、
一緒に遊んだ。
「僕達の跳んだ回数も入れたいから、4から数えるね!先生から跳んでね。」
「いいが、あと5分遊んだら、帰るんだぞ?」「うん!わかったぁ!!じゃあ、始めるよ〜」「「せーの!」」
先生は跳んだ。しかし残りの1人の男の子は跳ぼうとしない。
先生はそれに疑問を持ったが、怖くて跳べないのだろう。と思ったので、
先生が、もう1回跳んだ。
「5〜」
それからもう5回跳んだが、まだ男の子は跳ぼうとせず、辞めようともしない。
もう少し跳んだらつまんなくなって辞めるだろうと先生は思った。
10回をすぎた時、男の子達は急にスピードを上げた。そして先生を引っ狩らせたのだ。男の子達は声を合わせて喜んだ。
そして回数を数えた。
「7〜」
後日あの木は腐敗の可能性がある。ということで切り倒すことになった。
しかし根本だけは取り切れず、埋めたのだが、そこで子供たちが掘りおこして遊ぶので、コンクリートで埋めたのだった。それが黒い影の正体。どうか、黒い影に夕焼けの時刻には絶対に近づかないでくださいね。
この話を読み終わったとき、
時計は6時に針を指していた。
司書さんに「春木さん。流石に今までどうり4時間で7時まで学校にいると親御さんが心配するから、そろそろ帰りなさい。」と声をかけられた。
音香は赤い本を持って、帰ろうとした。
しかし、司書さんが止めた。
「ごめんなさい。春木さん、本について図書委員の先生に聞いて分かったんだけど、その本廃棄処分ではなく、まず図書室の本では無いみたいなの。」
「えっ。なら、その本は☆☆ってこと……」
私はふと思った。
「そして、本棚にあったのは2年前からなんだって。2年経ってるから持ち主は見つからなそうだけど、一旦カウンターの後ろの本棚で預かることにしたの。だから置いていって欲しいな。」
それを聞いて私は簡単に頷けなかった。
なぜなら、☆☆がまだなにか分かってないし、本がまだ途中だったからだ。
「すみません、司書さん。まだその本途中なんですけど、また読めますか?」
「大丈夫ですよ。また放課後に読んでくれれば。」
「ありがとうございます!」
音香はまた明日読めるなら大丈夫かな。
明日の放課後が楽しみだ。と思いながら、
真っ暗な空の下図書室のドアを閉めたのであった。
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