7 冗談じゃない!
1
避難を促された住宅地は、週末の昼間とは思えないほど閑散とし、ルナローブにとっては恰好のフィールドとなっていた。
「おい…お前ちょっと待てっつの……はあ…はあ……ああもう!」
ステラジェイドは前のめりで急ぎ足のまま、その足取りは右に左にふらついている。力なく伸ばす右手が切ない。
その少し先でへらへらとジェイドを挑発するのは、兎の耳のように大きなアンテナユニットを持つ、脚力に特化したルナローブ。その驚異的なラン&ジャンプに翻弄され、完全にペースと体力を奪われた結果だ。もちろんバーニア噴射で追いつくこと自体は簡単なのだが、あちらはあくまでも飛行ではなく跳躍。止まるも戻るも思いつくままのそのトリッキーなアクションを、単なる推進力だけで捕捉することは困難を極めた。
「ふざけた奴め…いい加減着替えてもらうぞ! 杏樹さん!」
《ええ。フルブラストモードを承認します》
「サイクロン・スカッシュ!」
通信の向こうで杏樹がゴーサインを出すとともに、ジェイドはサイクロン・スカッシュを発動。翡翠色の残像を揺らめかせながら、一瞬にしてローブに接近すると、真正面からその装甲に一閃を叩き込む。翻って倒れるその背中にセントラルユニットの存在を認めると、ジェイドの右腕はローブからセントラルユニットを引き剥がし、頭上高くに放り投げた。ルナローブにもどうやらアンダーウェアのようなものがあるらしく、引き剥がし露出した彼の背中にも、まず顕れたのはその繊維だった。併せて、ルナローブのシステムがダウンしていくのが、か細い音と消え行く光から窺い知れた。
「ああ…くっそぉ…」
爆散したセントラルユニットの炎が、まもなく仰向けになったルナローブ装着者の顔を恐怖に引きつらせ、オレンジ色に照らす。ジェイドとしては、腰に手を置いてそれを見届けるところまでがワンセットである。
遠くに聞こえるサイレンが、今回もまたひとつの事件の終幕を告げるのであった——
「週刊メトロです、お疲れ様でした」
「どわっ⁉︎」
ジェイドは飛び跳ねた。颯爽と帰投しようとしたところに突如声を掛けたのは、週刊誌の記者。茂みから何の前触れもなく姿を現し、そのまま一人はボイスレコーダーを突きつけ、一人はけたたましくシャッター音を響かせる。IPSuMが世界のあらゆるデバイスに取って代わった今もなお、この手の機器はIPSuM内蔵機能ではなく、それ用の代物が一番いいらしい。
しかし、週刊メトロといったら以前、倉敷の会見で彼の逆鱗に触れた、機動室内でもイメージ最悪の週刊誌じゃないか。様々な要因が相まって、マスクの下の南城に怪訝な表情が浮かび上がる。
「びっくりしたあ……あの、避難の案内が出たはずですけど」
近頃、TWISTにもメディアの取材が多数申し込まれているとは聞いている。概ねこの手の対応は倉敷が在籍する本部側の仕事になるので、実質ほとんど機動室に影響はないのだが、突撃取材となれば最も接近しやすく居場所も明瞭なTWISTメンバーは結局ステラそのものだったりもするようだ。もっともジェイドが言った通り、ステラが臨場している場所はすなわち避難がアナウンスされており、まともなメディアならまず突撃取材など敢行しないはずなのだが。
徐々に慣れてきているとはいえ、フルブラストモードを発動した後は身体の疲弊もまだ大きい。勘弁して欲しいタイミングだ。ジェイドは早足で現場を離れるが、記者たちはゲームのパーティのようにぴったりついてまわる。
「突然失礼しました。ところで、この任務にはもう慣れてきましたか」
「仕事ですから。慣れるとか慣れないとかじゃないと思いますけど」
正直南城にとってもこの手の経験は初めてだ。役職者や、一大事件の捜査関係者ならともかく、大したキャリアもない20代の一巡査がマスコミの的になることなど、こういうことでもなければ。あらかじめこの可能性を心配していた杏樹らからは”決して下手なことを言わないように”、”イメージを損なわず、しかし必要以上に相手にもしないように”というなんの救いにもならないアドバイスを受けていた。非常にさもありなんなご忠告をどうもありがとう。
「今回のご自身の奮闘ぶりに点数をつけるとしたら何点でしょう」
「そういうのは第三者の判断だと思いますので、ご自由にどうぞ」
「巷では、ステラの正体は超イケメン若手官僚との噂も」
「じゃあそういうことにしといてください、言うだけならタダですからね」
食い気味で返すジェイド。当たり障りなくかわすつもりが、つい言葉の端々に角が立つ。まともにやりあっては言葉尻をとられて終わりだ。意を決し、自身のあとにくっついてくる記者たちの方へ、ジェイドはくるりと振り向き忠告した。
「ひとつだけいいですか。……とにかく現場は危ないんで、もう勝手に入って来ないでください。自分の命は、まず自分で守る!」
そう言うなり、ジェイドはバーニアを起動し、脚を浮かせる。記者たちが風圧でよろめいた隙に、ジェイドは「じゃ」と掌を見せ、瞬く間に遠くビルの彼方へ姿を消した。
内心、ひやひやした。スキャンダルで砲撃を受ける芸能人もこういう感じなんだろうかと、ざわついた気持ちのままジェイドは帰投した。
2
メインルームのブリーフィングテーブルに並べられていたのは、南城がこれまでに鎮圧した二体のルナローブ、その装着者たちのカルテや写真だった。
ステラシステムからの離脱を終え、元の格好に着替えた南城と、システムの調整がてらそれに付き添っていた葛飾が合流したことで、TWISTメンバーが全員メインルームに揃った。
「担当医より、ルナローブ装着者の観察報告が届きました」
全員が集合したことを確認し、高槻が口を開く。ルナローブを購入し、装着して暴走、ステラシステムで鎮圧された装着者の観察報告が、TWISTと連携している医療チームから定期的に報告されるのだ。
「まず健康状態としては二名とも、少しずつですが着実に快方に向かっています。意識や記憶も概ね正常、短時間であれば普通の会話も可能なようです」
「よかった…」
「そして、先日葛飾さんからも示唆された、ルナローブの精神作用についての検査ですが……こちらは精密検査の結果、両名とも扁桃体や海馬に変異が見られたそうです」
たとえ街を混乱に陥れた重大犯罪者でも、ヴォーグ社から欲望の隙間につけ込まれた一市民にすぎない、ある意味での被害者とも言える彼ら。その無事と回復を確認した南城の安堵は一転、不穏と疑問に上塗りされた。それは他のメンバーにとっても同様だった。
「扁桃体も海馬も、記憶や感情に深く関わる器官ですからね……負の感情が増幅したり、嫌な記憶が誇張されたことと関係しているのは確実でしょうね」
「ってことは、やっぱり……」
葛飾の予測通り、ルナローブは装着者をネガティブな感情で支配し、暴走に追いやるように作られているということだ。
「今でこそ記憶や認知能力は正常に戻りつつあるという話だけど、まだその過程で今後どのような異変が起こるか分かりません。容体が急変して、結局命を落としてしまう可能性も」
「いやあ、怖いこと言わないでよ杏樹ちゃん。そうなったらTWISTもステラも大バッシングでしょ。世間様はそんな細かい事情まで理解が及ぶはずがない」
「ですね。メディアの曲解も相まって、きっと俺が救えなかったってことになる」
「そうならないよう、医療チームと技術チーム合同で管理体制を組んでいるようです。ひとまずは、一任して差し支えないかと」
高槻はとにかく淡々と、冷静かつ的確に話を進める。オペレーション中もそうだが、こういう時いつものあの太陽のようなオーラは一切ない。彼女、オンオフの切り替えが見事すぎて逆にちょっと怖いのだ。
しかし、そうなってくるとより一層わからなくなってくるのが、その元凶たるヴォーグ社の目的である。
「こんなことして、一体なんになるっていうんでしょう……一定の技術力を持った組織である以上、ただの愉快犯とは言えませんよね」
「何から何まで、悪趣味が過ぎるんだ。むしろ社会への強いメッセージを持っている可能性も」
「意外とバカみたいな極悪人と繋がってるかもな? 極道とか、テロリストとか、大物政治家とか」
「だとしたら冗談じゃないっすね、殴り合う身としては」
深刻な表情を浮かべた南城と根室を、対馬がからかう。しかしながらどの可能性もないとも、そしてあるとも言えないのが現実だった。
「引き続き、報告があれば共有します。私からは以上です」
「他に何か、気になることがある人は?」
高槻が資料を畳んで引き下がる。杏樹の投げかけに静かに呼応のは、南城だった。
「いいですか」
「ええ」
「さっきの現場で、週刊誌の突撃取材を受けました」
あちゃあ、と渋い顔を浮かべた杏樹が小刻みに頷く。案の定対馬からは人気者だねえ、お騒がせだねえと茶化された南城だが、気にせず続けて、との杏樹の言葉に従った。
「一応、下手なことは言わず、かつイメージも損なわずのつもりで流しましたけど……避難するどころか現場に平然と入ってくるのは、いくら取材でも看過できません」
人々が言ういわゆるヒーローという立場としても、警察官という名の公務員としても、世間の目に晒され、大きな責任を背負う立場だ。救えない人というのは決して出せない。もちろんステラを引き受けたときに杏樹らに言われた言葉——与えられた使命を”謳歌”するということ——も忘れてはいないが、それとこれとはまた別だ。
そして何より、それが記者だろうが一般市民だろうが、命をかけて守るべき対象であることに変わりはないという認識は、ステラの仮面、もとい面子にかかわらず元より警察官として心に刻んであることだ。
「そうね。実戦に支障が出てしまってからでは遅い」
「今回は鎮圧後だったからまだ良かったようなものの、今後エスカレートする可能性も考えると、何らかの呼びかけも必要でしょうねえ」
杏樹と葛飾は今後を懸念し、南城に同意した。
「今度倉敷本部長と同席する場があるの。その時にでも、私から掛け合ってみるわ」
「お願いします」
3
「”グリーンカラーのヒーローが抱える、ホワイトカラーのシビアな内情”……か」
先の戦いから間もなく、南城が受けた突撃取材は、ネットニュースという形でリリースされていた。瀬奈と休みが合い、今日は買い物に食事にと休日を謳歌しているのだが、IPSuM Watchに表示されたニュースフィードの中に、そんな寒々しいタイトルの記事を瀬奈がうっかり見つけてしまったのだった。
せっかく来た南城お気に入りの喫茶店、お気に入りのコーヒーの味が薄れてしまう。…ただまあ、悪いのは週刊誌だ。
「襟のカラーと色のカラーをかけてるわけね、週刊誌ってこういうの好きだよねえ」
「…”仕事柄下手に犠牲者も出せませんから、着用担当者はいかなる時も出動に備えなければならず、早くも音を上げていますよ、括弧、組織関係者”」
「それもお得意のやつだね〜、ほんとにいるのかわかんない証言者」
「ああ。しかも音あげてないしな」
よくよく読んでいけば、やれTWISTへの投資額がどうの、着用担当者の給与待遇がどうの、当局内部での評価がどうのと好き放題に憶測を飾り立てられていた。だいたいの人間の関心事はお金か人間関係、などとはよくいったものだ。
ただ、その割に幸か不幸か取材時の発言そのものはあまりピックアップされておらず、杏樹の望んだ無難な対応という意味では成功したらしい。イケメン若手官僚のくだりも一緒にバッサリ省かれているが。
「これでしょ? こないだ言ってた突撃取材って」
「そう」
「人気者は大変だね〜」
「……しかし、仕事柄下手に犠牲者出せないって、そんな書き方ないよな。いや俺、一応警察官だし、本心でみんなを守りたいって思ってるのに、自分たちが押し掛けてきた挙句これって——」
そこまで言って、南城は芋づるのように愚痴をこぼし続けていた自分に気づく。すぐさまごめんと詫びを入れるが、当の瀬奈はニヤニヤと笑っていた。
「……俺、せっかくの休日に変なこと…」
「うん。変っちゃ変かな。今までの李人と比べたら」
「今までの…?」
「李人ってさ、あんまり愚痴とか文句とか、家帰ってきても言わないでしょ? これでも一応、溜め込んでるんじゃないかなあって、心配してんだよ」
瀬奈との日々を思い返すと、確かに言われた通りの自分の姿がそこにはあった。言霊的な考え方からか、元からネガティブなことはあまり口にしないようにしていたかもしれない。
「気遣いは嬉しいけど、たまには今みたいな李人もいていいんだっ…ぞ〜!」
瀬奈は両手で南城の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
「私なんかいっつも愚痴ばっかでしょ? お互い様だよ。いつも聞いてくれてありがと」
「そういう…もんか。うん。ありがとう」
事実、少し心が軽やかになった感覚が彼の中にはあった。信じ、受け入れてくれる人に、全力で救いを求めたり甘えたりするのも、ひとつの信頼の表現であり、必要なものでもあるのかもしれないと南城は思い直した。
「ニュースなんか気にする必要ないよ。李人はやることやってるんだもん」
「…うん、そうだな。俺はちゃんと、やることやってる」
「うんうん」
まだ少し茶菓子が残っている。コーヒーが冷めないうちにと、二人はその残りを口に入れ、頬張ったさまをお互いに笑った。
◇
「”グリーンカラーのヒーローが抱える、ホワイトカラーのシビアな内情”だってよ! 結構うまいこと言うなあおい」
時を同じくして、件のネットニュースは機動室の面々にも読まれていた。見つけるなり、嬉々としてメンバーに触れ回る対馬。もちろん悪気は一切ない。
「南城さん、お休みですけど、読んでるんですかね」
「まあ、嫌でも目には入るでしょうね〜」
オペレーターの根室と高槻の憂いが、ひとまずは杞憂だと知れるのは南城の休暇が明けてからのことだった。今日は南城と、そして葛飾が休暇となっている日だ。
杏樹も自分の端末で記事を読んだらしい。盛り上がる対馬を杏樹が極めて冷静に嗜めたことはいつも通り、言うまでもないことだ。そこに彼女は一言加える。
「とにかくタイミングが悪かったわ」
「何のこと?」
「前に南城くんが言ってた件、倉敷本部長が計らってくださったんです……でも、そのプレスリリースと今回の記事のタイミングが、丸かぶりしてしまって」
前に言っていた件——実戦の任務を阻害しないよう、一般市民はもちろん、特に突撃取材を行うような一部マスコミに向けて強く要請する、という話だ。根室の補足に、対馬も気の毒そうに納得する。
「連中、ど〜せわざとこっちに被せてきたんだろうね」
「ただまあ、たった一人に実戦を負担させているというのは実情としてあるし、そもそもTWIST自体が前例のない組織として疑問点も多いでしょうから、確かに矛先が向けられやすい状態ではある。週刊誌としては、そこをつつくことの意義やニーズを盾に取ってるつもりでしょうね」
「現に、ワイドショーやSNSでも、肯定的な意見ばかりではないようです……」
気になって調べた根室が見たのは、まさに賛否両論飛び交うSNSの様子そのものだった。
『明らかにマスコミ邪険にしてて草』
『本当に困ってるならまず避難指示と警備の強化が先では?』
『人に迷惑をかけてまで取材する必要はないと思います』
『勝手な奴らのせいで税金無駄遣いされるのだけは勘弁』
『それなら事件直後に集まる野次馬もしょっ引いてほしい。アレが通行規制の解除を遅らせてて大迷惑』
頷ける指摘から極端な嫌悪感まで、とかく素直な意見で盛り上がっている。
「……確かに、荒れてんね」
「まだTWISTやステラに吹いてる風は強いってことだよ。人間、新しいものが苦手だからね〜」
高槻の言うとおり、いかにステラが功績をあげても、否定的な意見はなくならない。そのためだけに頑張るわけではもちろんないが、とにかくその時まさに危険にさらされている人の命を守る、毎度毎度そこに全力を投じるしかないのだろう。
「失礼。みなさん、今少しいいかな」
太く張りのある、しかし大らかな男性の声。TWIST対策本部長・倉敷丈治が突然機動室を訪れた。ちょうどコーヒービーンズチョコをつまもうとした対馬が目を丸くする。
「わ! 噂をすれば倉敷さん、自分の出番をよくわかってるねえ」
「お疲れ様です本部長。どうなさいました?」
「対馬くん、岡崎くん、…根室くんに高槻くんも、ご苦労様。みんな記事の件で話していたところかと思うが……何かと心配をかけて申し訳ない」
倉敷が頭を下げるので、よしてくださいと機動室の面々は慌ててそれを制した。軽口を飛ばしていた対馬でさえ、あなたが謝る道理がない、一方的なマスコミの嫌がらせだと擁護する。
「恐らく、長く燻るような火種でもないとは思うんだが……少しの間、勘弁してほしい」
「連中に有無を言わせないように頑張るしかないっしょ」
「ありがとう……それともう一つ」
そう言うと倉敷は、携えていたレザーバッグから数点の書類を取り出し、ブリーフィングテーブルの上に並べ始めた。
「これを見てほしい」
杏樹が書類の一部を拾い上げる。対馬たちはその書類が何なのかを杏樹の反応に任せたが、杏樹は書類に釘付けになったまま具体的な言葉を発さない。
「杏樹ちゃん? それなんなの……?」
「……ロースト……プロスペクター」
「…まさか!」
勘のいい根室は、対馬にとっては呪文でしかなかった杏樹の言葉で、その正体を察したらしかった。暗にそれが当たっていると悟った倉敷は、笑みをたたえて頷く。
「コードネーム、ステラセルリアン。ステラシステム二号機の完成が、間近に迫ってきているんだ」
吉報だった。大きな不足感で満ちていたわけではないにせよ、ステラジェイド=南城だけに実戦任務を一任しているこの現状はメンバーにとっても、そしてまさしくメディアのことも考えると尚更いい状態とはいえなかった。新しい仲間が、戦力が増える報せは極めて喜ばしいものだった。
「実は、かねてから葛飾くんには時々、その開発現場を手伝ってもらったりしていたんだが……やはり一筋縄ではいかなかったようでね。不確定要素の域を抜けるまで、みんなには報告できなかった」
「で? 倉敷さん、また装着員がいないなんて言わないよな」
「もちろん。今回はきちんと、装着員の任命まで完了しているよ」
誰にでも装着できるわけではないステラシステム。現に南城がジェイドを使いこなせているのは、あくまでも幸運。またも誰かに同じ無理を強いることは、倉敷にとっても本意でない、回避すべきことだった。
「じき、この機動室に配属する」
「ありがとうございます、本部長」
書類にはステラセルリアンのスペックや搭載している機能、開発中のレポートなどがあり、ジェイドと同じシステムでありつつも、ジェイドとはまた別の特性を持つステラであることも窺い知れる。
そして、その装着員となる新たなTWISTメンバー。機動室内からのサポートがあるとはいえ、一人戦っている南城に、心細さが全くないといえば嘘になるだろう。共闘できる仲間の存在はきっと大きいに違いない。
対馬たちの胸に、早く南城にこれらのことを教えてやりたいという気持ちが満ちた。
「…あぁ、ただ……」
「……ただ?」
「少々、癖のある男なんだ。どうか、仲良くしてやってほしい」
倉敷は笑った。
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