第20話 辺境村の攻防 3
「やはり帰って来ませんか、斥候の報告を待ちますか。」
「子爵様、あの村ただの村では無さそうです、堀が巡らされ入り口は橋のみで中は伺いしれません。こんな村では無かった筈です。」
「まさかクリーク王国か!?これはまずい、王国関連となれば下手に動けば私の身上にかかわる。一度引くか…」
「子爵様、前方より傭兵の部隊6人が武器を構えこちらに向かって来ます、如何致しますか?」
「たった6人だと?クリーク王国め馬鹿にしおってからに、殺れ!退けば帝国の沽券に関わる。」
「はっ!」
こうして退くタイミングを失いシタル子爵は泥沼へと引き釣り込まれるのだった。
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セルシ隊 隊長セルシは魔法弓にて早速遠方狙撃を開始していた。範囲雨弓と呼ばれる技で敵の軍の真上に矢の雨を降らせていたのだった。
「なかなか使える技だな、先程閃いたのだがこれがスキルと言う物なのか!」
「隊長凄いっす!俺達いらなくないっすか?」
「そんな事はないよヒロ、盾持ちも居るようだし、ある程度数が減ったら前に出るからそしたらヒロは橋を頼むね」
「任せるるっす。」
「トラさん、ガイル、リアナ!隊長の合図で前に出る!」
「おーっ!」
そして1/3程に敵軍が減った頃セルシから合図が出たのだった。
「ピーー!」
「隊長の口笛だ!行くぞっ!」
リュウの居合は縮地にて間合いを詰めたのちそのまま命を狩り取っていたのだった、リアナとガイルは大剣と大太刀にて、トラさんは…
「ハハハハッ どうしたお前らかかってこいよっと!ガンッ!」
パンチで左肩が吹き飛びそれを見た帝国の兵達は恐れおののき少しずつ後退していたのだった。
「まずい…このままでは軍が崩壊する…親衛隊前に。」
ザッ! 綺麗に整列し誰1人として浮き足立つ者などいないその隊は通称 狩り取り隊 と呼ばれていた。彼等の戦った後は命の欠片が見つからないと呼ばれるのが所以である。
「隊長、バウンス以下5名出撃完了、本当に出ますか?」
「隊長、傭兵にしては戦い慣れていてあれは本当の死地を知ってる奴らですよ。」
「…早く倒して寝る…」
「ア〰️ァ さっさと殺り合おうぜ!」
「つまんない…ねぇリン。」
「ワンッ!」
「隊長、沽券なんてもんは忘れようぜ生きてこその戦場だ、ほれ見な!この軍はもう終わりだあんたを連れて帝都へ帰るぞ、本陣に今帰ればあんたは貴族としては終わりだろ?今からゆっくり帰ればクリーク王国との戦いも一段落してるだろうぜ!」
「くそっ!王国がこの村に関わっていたなど…親衛隊帝都に帰還するがあいつらに一泡吹かせて帰還するとしよう」
「ったくシタルいい加減大人になれよ、せっかく子爵にまでなれたんだここで不意にして俺達の食い扶持無くすなよ、後弟さん回収忘れんなよ。」
「ったく貴族など辛いだけでしたよ、傭兵稼業が懐かしいですねバウンス隊長(笑)」
「貴族顔はお前だけだったからな、貴族に推挙された時はお前を立てると決めたろう?シタル子爵様よ」
「そうであるなバウンスよ、今より王国傭兵と思わしき輩に あれ を見せてやりなさい。」
「へぃへぃ子爵様」
「ネリ、リン仕事だあれをやる」
「はぁーいリンあれだってさ。行こっ。」
この戦場にてセルシ隊は知る事になる異世界の傭兵の戦いを…
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