異世界戦友譚 

鹿太郎

第1話 ワレトツゲキス

「伝令!読み上げます。タダイマヨリ ワレトツゲキス」


「来たか…皆その場で聞いてくれ、私のような者によくぞ着いてきてくれた、龍三君!博君!我らはこれより敵国部隊へ突撃を開始する、数多の仲間が逝き恥ずかしくも生き残った我らだが彼らに顔向けが出来るよう各自力を出しきって欲しい。ありがとう諸君!!」


「隊長…いえ、桂さん今までのご指導有り難うございました、博もさぁ顔をあげろ!皆の元へ行くのだ、泣いていては情けなくてあの世で藤堂先輩にまた殴られてしまうぞ」


「や やめて欲しいっす…そんな恐ろしい事言うの…」


「ハハハハ そうだな顔を上げて誇らしく、我らの生き様を見せつけてやろうではないか。では逝くぞ!突撃!!」


「オオー!!」


「ヒロシ顔が高い低くしろ、的になるぞ」


パァーン!


グァッ!!


「隊長!なぜ俺の前に飛び出したりしたっすか…?!」


「…ウッ、若い奴が死ぬのは最後なんだよ、博君生きろ簡単に死ぬな足掻け!」


「隊長! 隊長!クソッ!」


「博すまんがこれ以上は我慢がならん、俺が囮になるからお前があのクソ野郎を殺れいいな隊長の仇だ!」


「…任せて下さり有り難うございます龍三先輩」


「よし行くぞ、あの世で会おう博、そして隊長!」



「うぁぁぁあ!!


大声と共に突撃した龍三は敵に物凄い早さで迫っていた、敵もなかなか龍三を捉えられず戸惑っているとそこへ肉薄する影があった博である彼は部隊1の足を誇り通信兵として各部隊を走り回り情報を届ける役目を果たしていたそして…


「隊長の仇!覚悟ォ!!」


グサッ!


貴重な玉を最後まで使わず、いや持ってすら居なかった彼はナイフにて敵兵を始末する事に成功していた。


「龍三先輩やりましたよ!」


「博、後ろだ!」


パァーン!


「先輩ィ…」


パァーン


「グァッ! ひろ…し…かつ…らサ…ン」


こうして彼らは戦場より天に召されたのだった。悲しくもこの国を守りし英霊に感謝を捧げます。










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