第3話 試験開始

 日本の報告に各国のトップ達は目を輝かせた。 


「成る程。これが自立型焼却殺人ロボット――room burnルンバか」


 イギリス首相は感心したように目を細める。


「えぇそうです。今は主に国内の指名手配犯に対して使っています」


「でもただの小さい掃除ロボットにしか見えんな。これがヒト型になるのか」 


 韓国大統領は馬鹿にしたように笑う。


「ルンバ式、つまり犯人が殺害対象になった時に変形します。今はロックしてますが」


 すかさずフランス大統領の質問が入る。


「試験段階では概ね成功したと聞いた。ロボットを使った殺害を合法化するのか」


 ドイツ首相がさらに反論する。


「もしロボットが暴走したら誰が責任をとるんだ。2030年の今でもハッカーは沢山いるぞ」


 日本の担当大臣が答えた。


「ですからまだ試験段階なのです。安全なセキュリティシステムを開発するまでは実用化できません。今のままでは危険すぎます」


「まぁ日本だけでなく我々も科学技術を発展させている最中だから実用化は難しくないだろう」


 と議長のアメリカ大統領がまとめる。

 

 資本主義陣営はより一層の科学技術の発展を目指していた。

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