第2話 お掃除開始
指名手配犯の男が壁際に追い詰められていた。
だが彼を追い詰めていたのは、刑事でもなく警察官でもない。
男の眼前にいたのは円形小型掃除ロボットである。
「おとナシク投降してクダサイ」
機械音声で掃除ロボットがテキストを読み上げる。
男は度肝を抜かされるが、すぐに平静を取り戻した。
「あぁん?お前みたいなゴミロボットに何ができる。俺は全国の
男が降参しないのを認識すると、掃除ロボットはガタガタと震え始める。
「お、おい! なにしてんだよ」
「ルンバ式にプログラム変更。
ガタンガタン。掃除ロボットは忽ち白黒のヒト型ロボットに変形した。手にはレーザー銃を持っている。
「は? ただのゴミロボットだったよな」
単眼の赤外線センサーが男を捉えた。
「
レーザー銃の先端ライトが点滅し始める。
「おい待てって――――」
ズドン! 男の体は一瞬にして消し炭になった。
殺人ロボットは元の円形小型掃除ロボットに戻る。
「28件目のゴミ掃除完了しマシタ。」
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