第4話 実用開始
社会主義陣営の中国とベトナム、そして北朝鮮のトップ達はほくそ笑んでいた。
「スパイのおかげで資本主義陣営の秘密ロボットの設計図を手に入れることができた。奴ら物騒なものを作ってやがる」
北朝鮮の政治家は図面を指でなぞりながらこう呟いた。
中国の最高指導者が賛同する。
「人間とロボットは殺人の点で大きく違うのだよ。それが何か分かるかね?」
分からない――という風にベトナム首相は頭を左右に振る。
「倫理観や道徳観、そして良心の有無だ。
人間は本能で同種殺しの劣等感を感じている。だから敵を撃てないのだよ。だがロボットにそんなものはない」
北朝鮮の政治家が目を宝石のようにギラギラさせる。
「コイツをさらに小型化し、大量生産すればアメリカどもを潰せるぞ。社会主義国が世界を支配する時代が本当に来るぞ」
ベトナム首相は邪悪な笑みを浮かべた。
「今国内で粒ぞろいの技術者に秘密ロボットのアップデートを急がせている。自動で敵を判別し、無差別殺人をするようにプログラムするつもりだ」
なら私達は優雅にワインでも飲もうか――と中国と北朝鮮のトップは丸めた手を口にクイッとやった。
「「第三次世界大戦は戦争の革命だ」」
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