第八章「史上最大の作戦への日々(後編)」

 人口密度の高い秋葉原で奇跡的に人通りのない路地裏を発見した私は皇子をそこに引っ張り込み、まずやったことはというと。


「アンタって人はぁぁぁぁ!」


 走りこんで身体を横に流しながらのハイキックを皇子に喰らわせることだった。


「ひでぶっ!」


 ハイキックを受けた皇子は盛大に吹っ飛び、お約束というべきか、ビールケースの山に派手な音を立てて突っ込んだ。


 私は容赦せずに、足元に転がってきたビール瓶を手に取りそれを相手の頭に殴りつけた。


 路地裏に瓶の割れる音と悲鳴が木霊した。


 ビール瓶を十本ぐらい割ってようやく激情が静まりかけた私は、地べたに倒れこみ頭に瓶の破片を突き刺した上司の襟首を掴み上げた。


「いきなり出て来ていきなり何をしてるんですかあなたは」


「な、殴る前に言うべき台詞だろそれ。つーか普通死んでるぞ俺」


 馬鹿の泣き言を冷然と無視して私は再度質問した。空いているもう片方の手に瓶の欠片を握りしめ、相手の首筋に押し付けながら。


「大体ですよ、いつもの護衛はどうしたんですか護衛は? 侵略軍の最高司令官がノコノコと敵地に一人で来るだなんて聞いた事がないですよ」


 皇子の御忍びは今に始まったことじゃないけど、いつもなら護衛が何名かさり気なく随っているけど、今日はその気配はまったくない。つまり一人でノコノコと来やがったわけだこの馬鹿は。


「お前だってその敵地で働いてたり買い物行ってたりしてるじゃねーかよ」


「私は任務の延長のようなものです! 遊びでやってるわけじゃないですよ!」


「まてまて! 俺も遊びで来たわけじゃないのよ」


 顔を血で真っ赤に染め上げながら皇子は私に訴えた。彼の発言に私は締め上げる力を緩めた。


「何しにきたんですか?」


 サーティン皇子は襟元をくつろげながら真剣な表情で私を見上げた。


「地球の文化調査だ。我々クァークゴ帝国同様、この星は単一の文化で構成されてるわけではない。様々な文化、風俗が存在しているわけだ。征服後に資料を編纂するにあたり、実際に文化に触れてみて、今後の編纂の参考に出来ればなと思ってな」


「本当ですか?」


「本当だって。たまには教え子の言う事信じてくれよ先生」


 サーティン皇子は土下座せんばかりに頭を下げて私に訴えた。珍しいぐらいに真面目な顔と口調で。


 そんな彼を見て私は少し心を動かされた。たまには信じてやるべきであろうかと。


 皇子もようやく真面目になったというのなら、それは歓迎すべき事だ。作戦開始の前に最高司令官がヤル気を出してくれてると将兵の士気も上がるわよね。


 私は首筋に押し付けていた瓶の欠片を下ろした。地面に座り込んでいる皇子の手をとり立ち上がらせる。


「ようやく真面目になってくださったのですね。ワルザードは嬉しゅうこざいます」


 感慨深く私が言うと、サーティン皇子は鷹揚に頷きながら微笑を浮かべた。


「いやいやいや、分かってくれればいいのよ。さっ、早く同僚の方々の所へ戻りタマエ。待たせたら怪しまれるかんね」


「そうでした。それでは、ご健闘お祈り致します」


 深く一礼をし、私が踵を返して路地裏を出て行こうとしたときであった。


 背後で電子音が甲高い音を鳴らすのを聴いて振り返ってみると、皇子の胸ポケットに入っていた通信機器の着信音であった。


 振り返った私を見て、年上の上司は分かりやすいぐらいに肩を大きく揺らし、慌てて通信機器の電源を切ろうと試みたようだが、誤って通話ボタンを押してしまっていた。


『あっ、皇子ですか? こちらマットーサでっす』


 通信機器から流れてきた声は、一週間後の作戦に向けて準備を進めているはずのマットーサ博士からであった。


 怪訝な顔をする私と絶望に顔を青ざめる皇子。そんな事を知る由もない博士は言葉を続ける。


『今ですね、外神田にあるレトロゲームショップに居るんですけどー。皇子は今どちらにいらしてます? まだゲ○マー○ですか? それともどこかの同人ショップかフィギュアんところですか? 私ですね、もうしばらくここいらに居ますんで。夕方メイド喫茶いきましょうメイド喫茶。お望みならばコスギャバでもいいですよー。では、また後で連絡しますんで』


 一方的に用件を告げて早々と通信を切る博士。


 通信後、私と皇子との間に冷たい空気が流れた。


「……」


「……」


 少しでも信じようとした私が愚かだったわ。


 心の中で自分にそう吐き捨てた私は、路地裏から出ようとした足を止めて再び皇子の方へ向き直った。


 皇子が一歩後ずさろうとすると、私は三歩前に進んだ。


 彼が二歩目を踏んだとき、私と彼の距離は僅か数センチしかなかった。


 サーティン皇子の顔には一分前まで浮かべていた生気ある笑顔はなく、代わって脂汗をびっしょりと流した引き攣った笑顔となっていた。


「これが、皇子の仰られる文化調査なのですかな?」


 上目遣いに睨みつけると、サーティン皇子は反射的に背筋を伸ばして歯を食いしばっていた。


「あの、その、この、これはだな、なんというか、あのな……」


「言い訳無用!」


 私は皇子の顎にエルボーをヒットさせた。至近からの直撃を受けた皇子はまた地面に仰向けに倒れた。


「お前という奴は、自分から言い出した任務を疎かにしやがって! お前がもう少し真面目だったら、私の苦労もちょっとはなくなるというのに……!」


 顎を押さえて転がる上司を蹴りまわしながら私は罵詈雑言を浴びせた。


「痛い! マジで痛いって! 警官に見つかったら傷害罪でタイーホもんだぜ!?ちったぁ落ち着こう、話し合おう! 悪かった俺が悪かったからさぁ!」


「やかましい! 官憲怖くて宮廷勤めやってられるかー!」


 怒りに任せて皇子の頭を踏みつけようと足を上げた時、路地裏に人影が現れた。


「あらあらまぁまぁ。雅先生こんなところにおられたのですか」


「突然いなくなったから心配しましたよぉ」


 渚先生と甘井先生であった。すっかり二人の事を忘れていた私は、振り上げた足を途中で停止させて硬直した。


 日本人離れした美貌の青年に殴る蹴るの暴行を加えている私の姿を見て、当然ながら二人は首をかしげた。


「源先生。この外人さんとお知り合いなんですかぁ?」


「えー、そのですね」


 足を引っ込めてバツ悪げに頭を掻いた。


 公開SMやら夫婦でもないのにドメスティックバイオレンスとか言われそうな光景を曝した後で、どういう主張をしろというのよ。


 などと私が考えていると、今まで蹴られて身を縮めていたサーティン皇子が勢いよく立ち上がり、渚先生達の方へ接近した。


 皇子は優雅な微笑を浮かべ。威圧しない程度に長身を屈めて顔を近づけた。


「こんにちはおぜうさん方。ワタクシ、アクーノ・ハナダという日仏のハーフでございます。こちらにおられる雅さんとは昔馴染でございまして、今のは自己紹介もせず突然出てきたことを責められていただけですので御心配なさらずに。それでも御心配というのならば、おぜうさん達のキッスでもくれないかねということなんか言っちゃったり」


「……」


 よく廻る舌だ。私は半ば呆れながら感心してしまった。


 ついさっきまでの情けない姿は微塵もなく、落ち着き払って流暢な日本語で渚先生達に話しかけている。こと女性や自分の好きなことに関する限り度胸や底力が発揮されるのがこの男がこの男たる証。どうせならもっと有意義なところで発揮してもらいたいものよね。


 身振り手振りを交えてサーティン皇子が彼女らにあれやこれやと話しかけている光景を見て、私はある事に気づいて頬を強張らせた。


 渚先生の存在だ。


 彼女はEDCの副司令官。アースファイブ側の重要な人物なのだ。言うまでもなく、この場には彼らから見れば敵の最高司令官とその幹部が居ることになる。


 勘が鋭い人物ならば、一連の挙動で何か察するものがあるのかもしれない。


 現在まで皇子が素顔を曝した事はない。地球侵略開始時に音声で宣戦布告を行っただけである。しかし、声だけでも悟られる可能性がある。


 私は彼と彼女らを引き合わせてしまった事を後悔した。あそこで激情に駆られずにさっさと皇子を追い返していればよかった。と、今更ながら思った。


 しかし、この不安は悲しいことなのか嬉しいことなのか杞憂と終わった。


 しばらく談笑を見守っていたのだが、渚先生はまったく悟る気配も見せず、皇子も相手が敵の副司令官という事実を忘れているかの如く饒舌を振りまいている。


「ハナダさんって面白いですよねぇ。それに美男子だしぃ。まるで中国南北朝時代の蘭陵王のようにお綺麗ですよぉ」


「おぉ! よくわかりませぬが褒められたようで。いや、蜜さんも可愛いですよ。まるで草原に咲く一輪の美しき……えっと、えーと」


「薔薇ですかぁ?」


「そう! それそれ」


「んもぅ、ハナダさんったらぁ」


 特に甘井先生と会話が弾んでるようで、皇子は御満悦なようだ。


 私は溜息を吐いた。少しでも不安を覚えた自分が恥ずかしい。一年以上接してきて彼らの鈍感っぷりが分からぬわけではないだろうに。


 甘井先生とハナダことサーティン皇子が会話に花を咲かせている中、私はビルの壁に寄り掛かって会話が途切れるのを待つ事にした。


「面白いお知り合いですね」


 横から渚先生が声をかけてきた。彼女は私の傍に立って同じように二人の盛り上がる姿に視線を送った。


「……単なる腐れ縁ですよ。切りたくて切りたくてしょうがないです」


「ちょっと安心しました」


「安心?」


 意外な言葉を聞いて、私は同僚の保健医に視線を向けた。渚先生はほんわかとした笑顔を返してくる。


「雅先生にもああいうアグレッシブな顔があるのが分かりましたから。いつも人と距離置いてるような態度されますからね。ああいうところで張り詰めてるものを緩めているんですよね。それに」


「それに?」


「私としても別の雅先生を見られて嬉しかったですし」


「……それは当然友人としてですかね?」


「それでもいいですし、雅先生がお望みならそれ以外の解釈でも」


「……」


 コメントに困るわね。特に最後の台詞とかなんて一歩間違えたら何かを開きそうになるわ。


 なんだか今日は返答に窮する出来事が立て続けに起こっていて面白くなかった。私のキャラではないこんなのは。


 何も応えられない私は不機嫌そうにそっぽを向いた。渚先生が子供っぽい反応を示した私を小さく笑う声が聞こえた。


 甘井先生とサーティン皇子の会話はさらにヒートアップしてるのか、私には理解出来ないサブカルチャーについて熱く語り合っていた。


 結局、小一時間語り合った後、皇子と意気投合した甘井先生の提案により我が上司は地球人アクーノ・ハナダとして一緒に同行することとなった。


 皇子は喜びに躍り上がり、私が頭を抱えたのは言うまでもないことであった。


「口うるさい奴付きだが、美人二人とアキバ巡りとは今日は運が良いな。イージャンイーじゃんスゲーじゃんー!」


 思ってるだけで止めればいいのにわざわざ口に出すなよ。

「あなた、本国でもかなりモテていたじゃないですか。宮廷でも帝都の繁華街でも」


「解ってないなぁ先生。こういう出会いのトキメキというのはいつでもフレッシュなもんなんだよ」


「さいですか」


 これ以上問答するのも時間の無駄と判断し、私は渚先生と甘井先生を促して路地裏を出た。


 秋葉原は休日には歩行者天国なるものが出来ることがあるという。


 皇子が訊ねてもいないのに話してくれたところによると、昭和四十年代に都内の盛り場で実施されたのが始まりで、現在は秋葉原を含めて数箇所で行われているという。


 車両の乗り入れを禁止して道路を歩行者に開放し、安心して楽しい買い物などが出来るようにという事から儲けられたのだとか。実施範囲も結構広く、道路の至る所ではミニライブやコスプレイヤーの撮影会などが行われているらしい。


 ただし、最近はマナーの問題や無料チラシ配布、ゲリラ的な路上プロモーションなどの問題が持ち上がっており、警官による取締りが厳しくなっているという。


「まったく、表現の自由は尊重すべきだけど、何事にも節度と限度を考えてからやってほしいもんさ。迷惑被るのは俺みたいな善良なオタクだってーのに」


 一流の画家が描いたような白皙の美貌に憤慨を刻みながら皇子は熱っぽく語った。


 いや、お前なんでそういう知識だけはあるんだよ。

 

 大体、歩く風俗壊乱の分際で善良とか言ってるなよ。節度? 限度? 私がお前に持ってほしいものじゃないのよそれはさ。そもそもアンタってオタクはオタクでも、地球人じゃねーだろ。


 と、言ってやりたいところであるが、不特定多数の通行人と二人の連れに配慮して自粛した。


 歩行者天国という名の歩行者専用道路を歩きながら、私たちはどの店に行こうか相談しあっていた。というか、私は何も知らないので他の三人があーだこーだと話しているんだけど。


 ふと、人混みの中に見覚えのある姿を見かけた。


 背が高く、秋葉原よりも新宿や六本木、港区界隈でも練り歩いているのが似合いそうな洒落た服を着こなし、若さと渋さを混ぜた精悍な顔立ちをしていてと、良くも悪くもこのような場所では違和感がありそうな人物。


 渚先生の従兄弟であるユウキお兄さんであった。


「失礼!」


 私は三人に言ってその場を離れ、人混みに消えそうになるお兄さんを追いかけた。


「お兄さん! ユウキお兄さん!」


 私の声が聞こえたのか、ユウキお兄さんは立ち止まり辺りを見渡しているのが見えた。


 私が人波を掻き分けて近づくと、気づいたのか、お兄さんは渋さを漂わせた爽やかな笑顔を浮かべた。


「何だ、誰かと思いきや渚の同僚の……そう、雅先生だったかな。渚も一緒に来てるのかい?」


「えぇ、まぁ一緒に買い物に来てまして。お兄さんはどうしてこちらに?」


「俺か? 俺は神田の方面にある甘味処に茶をしにく途中でな。しかし、となると、俺はいつもの如く姿を隠さにゃいかんな」


 ユウキお兄さんは踵を返して再び歩き出そうとしたので、私は慌てて彼の肩を掴んで留まらせた。


 ユウキお兄さん。またの名を謎の戦士ブラックソルジャーというこの男、何故か従兄弟の間柄でありアースファイブの副司令官をしている渚先生に正体を隠している。お陰で渚先生は未だにブラックソルジャーを謎の人物としてしか認識していない。


 けれども妹のように可愛がっていた彼女を遠くから見守り続けているらしいので、その関係で私とは幾度か会った事があるのだ。無論、この男も私を単に渚先生の同僚兼友人としか思っておらず、私の正体なぞ気づいていない……筈と思いたい。


 で、どこからツッコミいれたらいいんだ?


 なんで三十路どころか四十路に片足突っ込んでそうな野郎がそんな事してるんだよ。一歩間違えればストーカーじゃねぇかよ。


 大体どうやって生活してんだよ。どっかから援助でもされてんの? 生活もだけど、ブラックソルジャーに変身するアイテムやらなんやらはどこから貰ったのよ。群れる気はないっていうけど、どう見たってEDC関係者にしか見えないんですけど。


「どうしたんだい? 急に黙り込んで」


「あっ、いやなんでも。けどなんでですか? 会えばいいじゃないですか。そんな陰からコソコソ見守ってるとかしなくても」


 私の疑問に、ユウキお兄さんはニヒルな笑みを浮かべて曰く。


「俺は一度消えた身だ。今更なんでもない顔をして渚の前に姿を見せるわけにゃいかねぇんだよ」


「……」


 どういう理屈だよ。あなたは一昔前の風来坊かなんかですか。


 こちらの渋い顔に気づいたのか、ユウキお兄さんは小さく笑って私の肩を叩いた。


「気持ちはありがたくもらっとくよ。良い相手が傍に居てくれて、渚の奴も幸せ者だな」


 この人、私の正体知った日にはどういう反応するのかしらね。無知は罪っていうけど、知らないからこそ言える台詞よね。


 爽やかに笑うお兄さんと反比例して、私の渋い顔は酸味だけが強い冷めたブラックコーヒーを一気飲みしたかのような顔となっていた。


「じゃ、そういうことだからサヨナラ。渚のコトよろしく頼むよ」


 なにをどうヨロシクしろと言うんですかねユウキお兄さん。


 足早に立ち去っていく男の背中を見送りながら、私は小さく呟くのであった。


 脱力して肩を落としながら戻ってきた私を三人は不審げな顔をして出迎えた。


「何方とお話されてたのですか? 遠くから見てましたけど、男の方でしたよね?」


「えーと……」


 渚先生には自分の正体を話してくれるな。と、強く口止めされているので有りのままに語れないわよね。


 さて、どう話していいものか。単なる顔見知りと言って誤魔化せるのは甘井先生ぐらいで、渚先生や皇子は私に地球人の知り合いなぞ殆ど居ない事を知っているのだ。


 返答に窮している私を見て、皇子がニヤニヤと笑いながら小指を立てて見せた。


「もしかして男って、アッチの意味での男か? お前も欲求不満溜まってるんだねぇ」


「……」


 私は問答無用に上司を張り倒した。コイツも、男と女ではそういう方面の関係しか想像出来ない輩なのだった。そして私はそういう輩は好きではない。


 けれども手加減はしてやったわ。この馬鹿のお陰で、話題を変えるキッカケが出来たしね。


「さっさと、買い物しに行きましょう。まず誰の方に行くのですか?」


 何か言いたげな二人を無視し、私は彼女らの手を引いて騒がしい歩行者専用道路を歩き出した。


 結局のところ、この日は彼らに振り回された、何がやりたかったのか判らない一日だと断言出来るが、疲れたけれど大したトラブルもなく、平凡で悪くはない日とも思えた。


 考えてみたら、帝国に居た頃はこういう事をした記憶がまったくなかったわね。


 子供の頃も大学在学していた頃も。家庭教師時代に数え切れないぐらい繁華街に足を踏み入れはしたけれど、目的は勉強をサボる皇子を宮廷に連れ戻す為だったから遊んだ覚えはなかった。


 友人と呼べる相手と、他愛ない会話をしながら買い物をして街を歩く。当たり前の事を当たり前のようにしてなかった。


 両親は共働きしてて、休日は疲れを癒す為に家で過ごしていたし、遊ぶような友人を結局作れずに宮廷勤めするようになったしね。


 故郷でやろうとしなかった事を征服する予定の星でやることになろうとは。まぁ悪い気分はしないし、気分転換と割り切れば無益ではないわよね。


 けれども、もう少しでこんな平和な日々に終焉が告げられるのだ。


 それを告げるのは、私だ。侵略者であるこの私が引き金を引くこととなるのだ。


 運命の日は近づいていた。

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