第169話梅雨入り

「梅雨になったな」


近藤はジョギングへ行きたかったが雨ではどうしようもない。朝食後、ノートパソコンに向かった。沖田は通院日で、早い時間から病院へ行った。原田は仕事、吉村は勉強、永倉は居合の稽古をしていた。


「しかし少し肌寒いな。梅雨寒つゆざむは現代でもあるものだな」


斉藤はビールを飲んでいる。詩織は仕事で居ない為、一人で飲んでいる。肴はだ。時間が経つごとに雨脚あまあしが激しくなってきた。休日の貴重な時間が雨で台無しである。祐介が道場にやって来た。


「富士総合火力演習の応募が始まりましたので応募しておきましたよ」


「それはなんですか」


近藤が聞いた、皆手を止めて祐介を囲んでいる。


「ほう、自衛隊の兵器の観覧ができるのですね」


吉村が答えた。


「はい、そうです。毎回人気があり、抽選なのですが応募していて損はないですから」


「それは楽しみですね」


吉村も乗り気だ。


「吉村君、塾と学校はどうするのだ」


「塾はお盆休み、中学校は夏休みです」


なるほどな、と永倉は思った。上手い時期に行われるのだ。


「して演習では最新の兵器が見れるとの事ですな」


「そうです。戦車も見れますよ」


近藤は自衛隊の最新戦車、十式の動画を観た事がある。最新鋭で、九十式よりも小型化されたと近藤は調べていた。


「最新の兵器に演出。軍備に興味が有る物にとっては魅力的なものでしょうな」


土方が言った。現代の兵器を見るのは隊士達にも十分な刺激になるだろう。一同遠足へ行くような気分で期待をしている。



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