第163話沖田の結婚

新田理恵の告白から翌日。沖田は新田のベッド横に座っている。結婚しても良いと沖田が答えると新田は沖田に抱き着いた。新田の両親も居る。


「これこれ、人目が有る。恥ずかしいから止めなさい」


泣きながら新田は沖田から離れようとはしない。


「こんなチョンマゲの男で良いのですか」


両親に聞くと構わないと言う。


「結婚式を挙げると言うとの事ですが詳しくお話して頂けませんか」


両親が小さな会場を予約し、結婚式を行うと言う。


「結納もあるでしょう」


この際、思い切って結婚式をしたいと言う。


「私には細かい事はわからないのでお任せします」


両親は喜んで病室を飛び出した。準備をするのだろう。


「新田さん、いや理恵さん、今日は天気が良い。少し外の空気を吸いに行きましょう」


二人はゆっくり病院内を歩いた。色々と話をした。そこで新田は


「やっぱり貴方は新選組の沖田総司さんですか」


「いかにも、一番隊隊長、沖田総司です」


「そんなに堂々とされるとやっぱり本物ですね」


アハハ、と二人して笑った。良い時間になったので二人別れる事になった。総司はそっと新田を抱き寄せ、言った。


「君はもっと生きる。なんだって僕が夫になるんだ」


小野田家に帰り、祐介に結婚の旨を伝えるとてんわやんわの大騒ぎになった。薫と詩織はキャアキャアと黄色い声を上げている。チヨは


「沖田さん、夫婦になる覚悟は有るのかい」


「はい、あります。彼女の夢をかなえてあげたいです」


ならご祝儀をあげなきゃね、と奥に消えた。更に大騒ぎになったのは隊士一同である


「礼装を持っていませんよ」


「吉村君、今はスーツだよ」


「早くあつらえないと」


小野田家は沖田の結婚に振り回される事になる。

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