第58話斉藤食べ歩き(中華そば)

昼餉の時間になった。土方が


「おや、斎藤君はまた外出か」


「またどこぞをぶらぶらしているのでしょう」


沖田が言った。


「まったく良くわからない奴だ」


その時斉藤は中華そば屋の列に並んでいた。列を成すという事は美味しい店ではないか。斉藤も並んでみた。開店前らしく、上手く店に入れた。品書きを見た。


「中華そば  七百五十円」


と書いてある。多少値段の違いが有るがとりあえず中華そばを頼んでみた。しばらくカウンターを観察した。箸立てが有り、多分薬味が入っているであろう容器が有る。

良い醤油の香りが斉藤の食欲をそそった。


「はい、中華そばお待ち」


一見、蕎麦に近いが黄色い麺、具が乗せてあり、濃い茶色の汁が特徴的だ。そばと言うのだから箸ですすれば良い。適当にすすってみた。美味である。醤油の出汁が黄色い麺の食感と上手く合っている。斉藤は麺が伸びるのを嫌い、一気に食べた。


「うむ、美味い」


汁も飲み干し、斉藤は満足した。中華そばの由来は詩織に聞いてみよう。満足して会計をし、店を出た。値段も高くなく、手頃で素早く食べれるのは蕎麦と同じである。この街には様々な店が有る。ぶらぶらと食後の満たされた腹を持ち、小野田家に帰った。中華そばについて詩織に聞いてみると、中華と言う名前は明か清の麺が日本にやって来て独自に発展したと言う。


「ラーメンは色々種類が有りますから、食べ比べも楽しいかもしれませんね。私にもご馳走してくださいね」


うむ、わかったと斉藤は返事をした。しかしそばとラーメンの違いがわからない。

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