第30話土方、歯医者へ行く

ズキンと歯が痛んだ。放置していたが痛みは増すばかりだ。土方は祐介に相談した。


「どうやら歯を痛めてしまったようです。現代は歯の医者は居ますか」


「もちろん歯医者は有りますよ。一緒に行きましょう」


近くの歯医者へ行くと問診表を渡され、しばらくすると土方は呼ばれた。何やら大きな椅子が有って、そこへ座るようだ。愛想の良い男が歯医者のようだ。


「それでは土方さん、口を大きく開けてください」


医者は何かの器具で歯を調べていく。歯医者の言う事を女性が何かに書き留めているようだ。歯医者が一通り調べたのか、土方に言った。


「土方さん、虫歯だらけです。先ずは傷む歯から治療しましょう」


土方はよろしくお願いしますと言ってまた口を開いた。何かを含んだ綿のようなものを歯茎に挟まれた。


「麻酔前に麻酔の痛みを和らげるお薬です。しばらく待ってくださいね」


眩しいライトが土方の顔を照らす。土方は目を閉じた。綿を取り除かれた後、何か歯茎に違和感が感じられたがしばらくすると何故か歯茎が痺れた。その後は甲高い音を発する機械で何かをしているみたいだ。しばらく甲高い音は続き、終わった。


「虫歯の部分を削りました。歯の型を取ります。虫歯はもう痛くないですよ」


麻酔が効いているので良くわからない。何か粘土のようなもので歯型を取り、診療は終わった。保険が使えないので三万円という高額な費用を払い、祐介と歯医者を出た。祐介はもう痛みが無いはずだと言う。確かにズキズキとした痛みは無い。現代は虫歯も治る世かと土方は感心した。


「歳、歯医者はどうだった?」


近藤が迎えた。痛みは無くなりましたよと土方が言うと近藤は


「祐介殿、実はそれがしも歯医者へ行きたいのですが」


その後隊士一同はその歯医者のお世話になるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る