第2話 集落へ

 異世界転生して、スライム倒して、レベルが1から125に上がって、それから暫く近くにあるかもしれない村を探しながらモンスターを狩り続けた。


 周囲のモンスターは運が良いのか、スライムばかりで特に倒すのに苦労はしなかった。


『レベルアップしました!』

──────────────────

Lv:385

称号:魔物狩りのサラリーマン

攻撃:250

防御:320

敏捷:200

魔力:100


スキル:

・移動速度【Lv20】

・攻撃力上昇【Lv18】

・忍耐力【Lv21】

・攻撃範囲【Lv15】

・魔力解放【Lv3】

・分析【Lv2】

──────────────────

 とまぁ、それからずっと急激にレベル上がり続けるんだけど……確かに強くなっているような雰囲気はあるけど……いや、別のモンスターに会えば分かるかな?


 そんなこんなで漸く小さな集落に到着した。大体こういう場所にきたら情報収集とかするんだろうけど……面倒くせぇなぁ。

 とりあえず安全地帯には行きたいかな?


 俺は集落の人間に話を聞く。


「ここら辺に大きな街って無い?」

「それなら、北に行けばあるよ。『ノース王国』っていう都市が」

「そうか。ありがとう!」


 俺は方向も分からないのに、とりあえず北へ全力で走り出した。

 地面を蹴った勢いで民家を一軒吹き飛ばして。


 暫く北へ走ると、スライムとは別のモンスターと出会った。直ぐ様、スキルの分析に掛ける。


 名前:ウルフ

 Lv:18


 え、弱っ……。こんなの楽勝だぁ!


 と思って俺はウルフに向かって軽く剣を振り下ろす。今のステータスなら楽勝だと思ったからだ。

 しかしウルフは俺の視界から消えていた。


 へ? まさかもう倒した?


 そう思った瞬間、ウルフはいつの間に背後に回っており、思いっきり後頭部を蹴り飛ばされ、俺は遠くへ一気に吹き飛ばされる。


「うわああぁ! な、なんだぁ!?」

「グルアアァ!!」


 俺はウルフの動きを見極めようとウルフをしっかり見つめる。

 しかし、またしても視界から消える。良く見たら、消えているのではなく、光の様な速さで動いてた事に気が付く。

 これがLv18の強さかよぉ?!

 ウルフはまた俺の背後に周り、同じ方法で攻撃しようとするが、俺は振り向き様に思いっきり剣を振り切る。


 周囲の地面を掘り起こし吹き飛ばす程の衝撃波が発生する。

 が、そんな攻撃も虚しく。ウルフの超高速な動きにとって瓦礫飛ばしは全てがスローに見えているのか、確実にそれを避けて、俺に接近する。

 くそっ! もっと分析レベルが高ければ!


 瓦礫を全て回避したウルフは俺のほんの一秒間にも満たない隙を見て、突進攻撃を仕掛ける。

 俺はここでスキルの【魔力解放】を繰り出し、光の突進を何とか防ぐ。まだLvが低いせいか、吹き飛ばされるのを防ぐしか出来なかった。

 が、スキル【移動速度】による超反射神経で、突進を受け止めた直後にウルフの頭部を鷲掴み、鉄剣の柄で思いっきり殴る。


「キャウン!」


 一発殴っただけでも【攻撃力上昇】により、俺も後退するほど衝撃波を発生させる。

 ウルフは強烈な俺のブロウにより血飛沫を上げて遠くへ吹き飛ばされる。

 さて、最後の一撃だと吹き飛ばされるウルフを空中でぶった斬ろうとした瞬間、またしても視界からウルフは消える。

 空中制御もできるのかよ! どうなってんだよこのLv18!!

 ウルフは気が付けば、俺の首筋に噛み付いていた。


「ガウガウ!」

「っだぁ! ってあんまり痛く無え!」


 スキル【忍耐力】により痛覚も同時に抑えられており、首筋を噛まれてもあんまり痛く無かった。まぁ、ちょっとは痛いけど。


「うざってぇんだよ! この犬がぁ!!」


 【攻撃力上昇】により力任せに首からウルフを引き剥がすと、そのまま持ち上げ、地面に叩きつけ、逃すまいとすぐ様鉄剣で地面ごとウルフを貫く。


「ギャウ!……」


 その一撃で漸くウルフはピクリとも動かなくなった。

 俺はLv385なのに、Lv18のウルフに苦戦とか……これがゲームならエネミーバランスぶっ壊れてんぞ??


『レベルアップしました!』

──────────────────

Lv:615

称号:魔物狩りのサラリーマン

攻撃:450

防御:520

敏捷:340

魔力:200


スキル:

・移動速度【Lv38】

・攻撃力上昇【Lv30】

・忍耐力【Lv34】

・攻撃範囲【Lv29】

・魔力解放【Lv5】

・分析【Lv5】

──────────────────

 なんだろう。この幾らレベル上がっても実感湧かない感じ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る