Disc.03 - tr.4『小さなヘッドホンとコンピレーションとUL』
その後、結局はソニア部長を拝み倒して、C-90の片面ずつでなんとか納めた響一郎とヴィーであった。
「……お前たちのテープが結局、一番長くなったのだが」
真紅が頭を抱えている。
「……もう呆れ返って何も言う気がしませんわ」
ソニアも以下同文。
「うふふ~~楽しみね~~」
日々希は……あー、平常運行デスネー(^^;
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[伊藤アキラ] side A
やるぞ一発!野球道(『一発貫太くん』OP)
進め正太郎(『鉄人28号(モノクロ版)』ED)
最強ロボ ダイオージャ(『最強ロボ ダイオージャ』OP)
ふた子のモンチッチのうた(『ふた子のモンチッチ』OP)
ストップ!! ひばりくん!(『ストップ!! ひばりくん!』OP)
ラムのラブソング(『うる星やつら』1stOP)
Lはラブリー(『The・かぼちゃワイン』OP)
オレンジのダンシング(『ななこSOS』OP)
虹の彼方に(『魔神英雄伝ワタル2 超激闘編』ED)
魔法少女ララベル(『魔法少女ララベル』ED)
夜霧のハニー(『キューティーハニー』ED)
キラキラ星あげる(『コメットさん(大場久美子版)』主題歌)
「前半は男の子向け、後半は女子向けパートで纏めてみた」
「結局、さっきの作曲者被りの件は諦めましたの?」
「ちっちっ、ソニア、問題は作曲者では無い、原作者。OK?」
「原作者、って~~?」
「『うる星』と『ひばりくん』はどちらも曲は小林
「そうそう!! 折角、高橋(留美子)、江口(寿史)、吾妻(ひでお)と'80年代の萌え三巨頭が揃っているのに誰か一人外すなんて非道なこと……ボクには……ボクにはっ!!(´;ω;`)ブワッ」
「――言葉の意味は解らんが、凄い拘りだ(^^;」
真紅とソニアが頭を押さえ、日々希は何事も無かったように微笑んでいる。
「いやー、何時になくヴィーちゃんが生き生きしてるねぇ。普段の三倍……いや十倍は喋ってんなーw」
「そうなんですか?」
「なんせ教室に居る時なんて、アタシ以外だと一言も喋らない日もあるんさ」
「それもまた何というか……(^^;」
うんうん、良い傾向、と保護者のような物言いの三沙織をぽかーんと見ている真貴であった。
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[小林亜星] side B
ひみつのアッコちゃん(『ひみつのアッコちゃん』OP)
魔法使いサリーのうた(『魔法使いサリー』OP)
花の子ルンルン(『花の子ルンルン』OP)
狼少年ケンのテーマ(『狼少年ケン』OP)
ユカイツーカイ怪物くん(『怪物くん』OP)
キックの鬼(『キックの鬼』OP)
風よ光よ(『快傑ライオン丸』OP)
ガッチャマンの歌『科学忍者隊ガッチャマン』ED→OP)
コン・バトラーVのテーマ(『超電磁ロボ コン・バトラーV』OP)
ボルテスVのうた(『超電磁マシーン ボルテスV』OP)
ターンAターン(『∀ガンダム』1stOP)
にんげんっていいな(『まんが日本昔ばなし』5th&LastED)
「……こ、これは絞るのめっちゃ大変だった件……」
「……それな。最後のひと削りがな……もうね……」
どことなく憔悴しきった感じのヴィーと響一郎。
「特撮ヒーローは泣く泣く『ライオン丸』に纏めた」
「『ファイヤーマン』も入れたかったのにー!! 円谷が無いー!!」
「しょーが無ぇだろ、『ガッチャマン』は外せない以上、歌手が被るから俺も泣く泣くだな」
「『怪物くん』あるのに『えん魔くん』が無いー!! 雪子姫ー!!」
「だから妖怪路線と藤子作品を1つで兼用させたんだっての!! 俺だって泣く泣く『プロゴルファー猿』をだな」
「『テッカマン』と『ゴワッパー』が……」
「えーい解ってて言ってんだろテメェ!! タツノコは『
「あー、そのだな、雨音?」
「はい?」
「それならそれで、『アッコ』と『サリー』と『ルンルン』とか、『コンV』と『ボルテス』とか、被ってないか?」
「ちっちっ、真紅ちゃん、それは別問題」
「何がですの、ヴィー?」
「そも『アッコ』と『サリー』は日本の魔女っ子アニメの変身型と非変身型の各々の開祖。どちらかを外すとかアリエナーイ」
「西洋型と日本/アジア型とも言えるな。『サリー』の元ネタは『奥様は魔女』だし、『アッコ』の変身は仏の
「昨今のウルトラやライダーの"モードチェンジ"に先駆けている、とも言えるのか」
「それで言ったら7つの顔を持つ探偵の『多羅尾伴内』、仏教が元ネタで7変化するヒーロー『レインボーマン』なんかもそうっスね」
「伊藤アキラの方にあった『キューティーハニー』は『多羅尾伴内』が元ネタって
「あー、アレはなー……最初の名乗り台詞からしてそうだからなー」
「ふ、二人が何を言ってるのかさっぱり解りませんよぅー(´・ω・`)」
「心配ないマッキー、アタシもさっぱり解んねーわ(^^;」
「『アッコ』と『サリー』はまぁそれで良いとして、『ルンルン』は?」
「時期が違う」
「前の2つが第1期東映魔女っ子シリーズで、『ルンルン』は『キャンディ』以降の第3期っスね」
「ちなみにさっきの『ハニー』は第2期」
「な、なんか屁理屈を捏ねられてるような……(^^;」
「作者推し案件だから仕方が無い」
「わ、馬鹿!! しーっ!! しーっ!!」
「ま、またヴィー先輩が怪
「――で、超電磁ロボ2つはいいのか?」
「問題なし」
「いやだからなんで? しかも『ボルテス』は『ルンルン』と歌手も被っているだろう」
「『コンV』はこのシリーズの元祖なんで、まぁ外せませんね」
「では『ボルテス』を外せば宜しいのではなくて?」
「痴れ者っ!!」
稲妻の如き眼光でピシィッ!!とソニアに指を突きつけるヴィー。
さしものソニアも急なことに呆然としている。呆けた悪役令嬢かわ。
「フィリピン国民のっ! 魂の歌をっ! 外すなどとっ! 天地が裂けてもあり得ぬっ!!」
「――は? フィリピン? どういう――?」
「あー、それは、なんつーか、この歌、実質的にフィリピンの第二国歌的な扱いらしいんスよ」
「――な!? 国歌!? なんで!?」
「その昔、まぁ俺らが生まれる遙か昔ですが、当時の独裁政権に対抗した民主化運動を率いた人々がこの歌を唄ってたらしくて」
「どういう事ですの?」
「このアニメ、ちょい遅れてアジア各国にも輸出してたらしくて、小さい頃にそれを見て育った大人達が民主化運動の時に――」
「それだけのことで、か?」
「それ以前にですね、このアニメ、最終的には敵の本拠地に乗り込んでそっち側のレジスタンス勢力を助けて敵の支配者を倒すって流れなんスよ」
「しかも敵のデザインがいかにもなフランスのブルボン王朝風」
「あー……それは、成る程、解り易いな」
「更に曰く付きな事に、独裁政権下の本放送当時、その最終章は打ち切りで放送されなかったとか」
「後に再放送で見た当時の少年達がヘイトを募らせたのも止む無し」
「あー、そこらは当時の子供向きとしては刺激が強すぎたとかもあってPTA的な所からの反対運動もあったようですが……真相は闇の中、っスね」
「そんなこんなで彼の国では全国民が唄えるらしい」
「……わ、解りましたわ……それは外せませんわね……」
「――うむ、むしろ是非とも入れるべき!!」
「――ミサちゃん先輩、部長と副部長、あっさり納得しましたね?」
「あーねぇ、部長はあぁ見えて案外涙脆いし、副部長は革命とか好きだし……」
「お二人とも『ベルばら』似合いそうですもんねぇ」
「それなw」
「最後のは聴いたことあるわ~『昔ばなし』って言ったらこれよね~」
「あー、今出てるDVDとか再放送だと
「――? どういうこと~~?」
「『昔ばなし』のEDは放映期間が約20年と長かったのもあって、歴代で7曲あるんですよ」
「そんなにあったのか?」
「えぇ。この曲は5番目ですが7番目の後に復活して最後まで4年程使われてますね。それもあって知名度が高いんでしょう。2000年代の再放送の時もEDは全てこれに差し替わってるみたいですから」
「それはまた、何とも……」
「歴代の作曲陣には初期主題歌の作詞者で『月光仮面』『レインボーマン』の原作者でもある川内康範や、その『レインボーマン』の作曲者の北原じゅん、『怪奇大作戦』『大江戸捜査網』の玉木宏樹、旧『セーラームーン』『ビックリマン』『デジモン』の有澤孝紀とか、今見るとかなり豪華っスね。ちなみに『にんげんっていいな』の編曲はジブリ映画でお馴染みの久石譲がやってたりしますが(敬称略)」
「豪華ですわねぇ……」
「――まぁ、悲しいかな作曲担当者は、今や皆、鬼籍に入られてるんですがね」
そう言ってふと遠くを見る目になる響一郎に、一同黙り込む。成る程、これは確かに天然タラシ――と三沙織が悪い顔で呟いた。
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-dB 40 30 20 10 5 0 2 4 6 8 +dB
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はぁ……や、やっと絞れたぜ……_(┐「ε:)_~oO
伊藤先生もですけど、特に亜星先生。むしろこの人で1本作りたいくらいで……。
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