マンドラゴラ、来日

「木船田さん……?」

「あ、はい」

「初めまして。村上です」


 大牟田駅の近く、ホテルネオロイヤルのロビーで、僕は彼女と落ち合った。


 眼鏡。バケットハットとベージュのマスク。明るい茶系のコーディネート。電話の声から想像したより二回りほど小さな女性だった。


「あの、失礼ですけど、ご年齢は……」

「24歳です。大丈夫ですよ。成人はしてますので」


 彼女はそんな質問慣れてますといった感じで軽やかに返事をした。


「では、部屋へいきましょうか」

「はい」


 平静を装って返事をしたが、女性と二人きりでホテルの一室に篭るという事態に、僕の胸は勝手に高鳴った。

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