決戦、第三新マンドラゴラ

『無量大数のマンドラゴラの資料の閲覧をご希望とか』

「ええ。自己紹介が遅れました。私、webライターをやってます。木船田タカヒロと申します」

『ライターさん……』

「ええ。ある企画で、1万字程度の記事を書くことになりまして。マンドラゴラについて調べていた所、村上様の御先祖様であられる、村上無量大数先生の論文に行き当たったんですが、どうにもその全文を見る方法がなくてですね」

『…………』

「オリジナルはお手元に?」

『……あります』

「コピーをいただけませんか? 勿論、謝礼はお支払い致します」

『無量大数の遺言で、複写厳禁なんです』


 だからネットにもないし書籍化もされてないのか。


『私がお持ち致します。お住まいはどちらですか?』

「えっ、オモチ……持ってきてくださるということですか?」

『はい』

「いや、そんな悪いですよ。えっと……」


 九州。九州かぁ……。1万円の仕事で九州まで行ったら完全に赤字……。うう……。


「僕が、伺います」

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