第35話(《ハイ・イート・トレント》討伐作戦)





「い、イルマ。《ハイ・イート・トレント》の倒す算段がついたってどういうことだよ?」


「ーそうよ。ダンジョンの核からどんな力が手に入れたら《ハイ・イート・トレント》を倒す算段がつくのよ?」


「説明求める。」


「…うん。説明するよ。」



メラ達は、イルマの言葉に耳を疑い、期待半分、疑問半分の状態でイルマの説明を待つ。



イルマは、皆にダンジョンの核から手に入れた力と《ハイ・イート・トレント》の討伐の算段について説明を始める。



「僕がダンジョンの核から手に入れた力は技能≪従魔契約≫と≪従魔召還≫の2つだよ。」


「この2つの力は、自分で倒した魔物、もしくは魔石と契約して、技能≪従魔召還≫で呼び出す力だよ。」


「《ハイ・イート・トレント》の討伐の算段については、アイツの厄介な所は、アイツ自身能力値が高い所もあるけど、異変を呼び起こす技能である≪魔物誘引≫が一番厄介な所だね。」


「技能≪魔物誘引≫を止めないと、異変もだけど、アイツの討伐自体大量の魔物に包囲されてしまうから難しい所なんだけど……」


「だ・か・ら!私達は、困っているんじゃないッ!」


「そうだぜイルマ!戦い集中しないといけないのに周りから襲われたら戦いにならねぇ!」


「……2人とも、イルマの話は途中だよ?最後まで聞こうよ。」


「「ッ!ーーうー。」」



イルマの話の途中でダンとメラは、討伐の難関部分で声を上げるが、シーラにイルマの話は、終わってないこと言われて口を閉じてイルマの話の続きを待つ。


イルマは、2人の様子にだよねっと2人の意見に同意してから話を続ける。



「僕もそこはずーっと難関だったんだけど…、今回の宝箱の中身と技能≪従魔契約≫≪従魔召還≫を使えば、アイツの技能≪魔物誘引≫を封じて、倒せると考えたんだ。」


「どうやって?」


「「うん」」


コクリ、コクリ


シーラの言葉にダンとメラも首を縦に振る。



「先ず、1つ目に、技能≪従魔契約≫≪従魔召還≫を使って、この魔石から《モンキー・バロン》呼び出して《ハイ・イート・トレント》の動きを押さえる。」


「「「うんうん。」」」


「次に2つ目に、僕が前と同じく技能≪感知妨害≫を使ってから、シーラの【魔封じの杖】で《ハイ・イート・トレント》の技能≪魔物誘引≫を封じる。」


「「「うんうん。」」」


「それからは、皆の集中攻撃でアイツ《ハイ・イート・トレント》を倒す流れだよ。」


「「「おぉーー!」」」



イルマの《ハイ・イート・トレント》討伐の作戦を聞いたメラ達は、歓声を上げる。それを見たイルマは、頬を緩める。


しかしイルマは、歓声を上げているメラ達に、この作戦には注意点があると油断しないように伝える。


メラ達は、この作戦じゃあ駄目?となるがイルマは、そこを注意したら大丈夫だよっと伝えると安心した様子。



「ただし…、」


「……ただし?…」


「……そこをつかれたらヤバイことには変わりはないよ。」


「……、何処を注意したらいいの?」


「……先ず、《ハイ・イート・トレント》の技能≪魔物誘引≫を使わす前に先手を打たないと…また、前みたいに包囲されることだけど……これは、一応対策が有って、《ハイ・イート・トレント》の周りに壁を作るか僕の技能≪罠作成≫で時間を稼いでいる間に倒す手段。でも、時間を稼いでいる間に倒さないといけないことと、攻撃に集中出来ない欠点がある。」


「「「……うん。(おう)」」」


「《モンキー・バロン》の身体強化特化の力でも、《ハイ・イート・トレント》の動きを押さえれず、【魔封じの杖】を使えず≪魔物誘引≫を封じれない場合。これは、メラ以外が【魔封じの杖】使って《ハイ・イート・トレント》に使う次策が有るけど確実じゃあないこと。」


「「「……うん。(おう)」」」


「これが、……この策の不安要素になる。要は先手を打って、技能≪魔物誘引≫を封じることが出来れば解決する問題だけどね。」



う~んっとイルマの策の不安要素を聞いたメラ達は、唸りながらどうするか考えていた。


イルマの策は、確かに《ハイ・イート・トレント》を討伐出来るかもしれないが、不安要素が発生した場合には、以前ともしくは以前よりも危険な事態になるかもしれない可能性があるため、メラ達は悩むのだった。


悩んでいるメラ達を見ながらイルマは、思った。



もし、この策で《ハイ・イート・トレント》を討伐出来なければ……後に考えられる光景は、村に逃げ帰り、討伐隊を組んでの消耗戦を行うしかない。


しかし、それを選ぶとその後にあるのはーーー被害、負傷者を多数出しながらの戦いがイルマの頭を過る。


しかし、この作戦でも危険を伴う為、イルマは、作戦の実行するには、無理強いを出来ないとも考えていた。















時間が経ち、考えを纏めたメラ達は、イルマにどうするか伝える。



「……、考えは纏まった?」


「決まったぜ!」「決まったわ!」「決まった。」


「……それで、どうする?」


「この作戦で行きましょう!」


「結局、リスクは付きもの出しな!」


「これ以上の作戦も浮かばなかった……なら、やるしかない。」


「……覚悟はいいね?」


「「「ええ!(おう!)(うん!)」」」


「ーーよしッ!、ならやるよッ!」


「「「やるよ(ぞ)!!」」」


「《ハイ・イート・トレント》討伐開始だッ!!」



「「「オオォーーッ!!!」」」















ダンジョンを攻略したイルマ達。

ダンジョン内で手に入れた物と力で《ハイ・イート・トレント》討伐の策を考え付くイルマ。


イルマ達は、その作戦を実行することを決意する。

作戦を実行することを決めたイルマ達は、ダンジョン内で、《ハイ・イート・トレント》討伐に向けて気合い入れるのだった。





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【従魔契約】【従魔召還】の使い方


・自分で倒した魔物、もしくは魔石と契約して、技能≪従魔召還≫で呼び出して使役する。


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