第34話(ダンジョンの核)
ダンジョンボスである《ダンジョン・モンキー・バロン》を倒したイルマ達の目の前に現れた扉。
その扉の正体は、ダンジョンボスを倒したダンジョン攻略者への褒美であり、ダンジョンの核に繋がる扉でもある。
そして、イルマ達は緊張と期待を籠めて、そのダンジョンの核に繋がる扉を開けた。
その扉の先には更に下へ向かう階段が見え、イルマ達はその階段を降りていく。
そして、階段を降りた先には1つの部屋に繋がっていた。
その部屋の中央には、光る球体が浮かんでいて、その光る球体の前には宝箱が置かれていた。
「ウオォーッ!?これが、ダンジョンの核かぁ!!」
「綺麗────」
「凄い」
「(………これがダンジョンの核。そして……ダンジョンを攻略した者は、このダンジョンの核から力を得られることがあると聞いたことが有るけど……)」
ダンジョンの核がある部屋に辿り着いたイルマ達だが、イルマ達はそのダンジョンの核の前に置かれている宝箱よりもダンジョンの核の輝きに目を奪われていた。
その中でもイルマは、ダンジョンの核、正確にらダンジョンを攻略した者がダンジョンの核から得られる物に思考を寄せていた。
それはともかく、イルマ達はダンジョンの核を前にして全員が動きを止めていた。
「……と、とにかく、俺たちはこれでダンジョンを完全に攻略したんだろ?それでこの後どうしたらいいんだ?」
「………そうね、とりあえずは目の前の宝箱を開けたらいいのかしら?」
「イルマ、……知ってる?」
「……………」
「イルマ?」
「………あ、ああ。え~と、宝箱は開けてもいいけど、実は今はまだダンジョンを完全に攻略してないよ?」
「何?本当か?」
「そうだったの!?」
「………どうしたら、ダンジョンを完全に攻略したことになるの?」
「それだけど………完全にダンジョンを攻略するその場合はダンジョンを攻略した者があのダンジョンの核に触れればいいだけの筈だよ。……只ダンジョンはもう攻略出来ている扱いの筈だから宝箱は開けても問題ないよ。……まぁ、とりあえずはは目の前の宝箱から開けようか?」
イルマはダンジョンの核に触れるかどうかの思考を一度止めて、皆にダンジョンを完全に攻略方法について話をした。
現段階では一応ダンジョンを攻略したことになっているから先ずは宝箱を開けてみることを提案してみた。
「そうなのね」
「おう。なら宝箱を開けるぞ?」
「楽しみ楽しみ」
ダンジョンを完全には攻略出来ていないことを知ったメラ達だが、イルマのその言葉に先ずは宝箱を開けることにした。
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※ちなみだが、ダンジョンを完全に攻略する方法とは、ダンジョンを攻略した者が、ダンジョンの核に触れるとダンジョンを完全に攻略したことになる。
後、ダンジョンを攻略した者以外がダンジョンの核に触れると、ダンジョンの核は自分が敗北した者じゃないからなのか激しく抵抗するという話だ。
完全に攻略されたダンジョンの核はどういう訳かその活動を止める。
そして、ダンジョンの核は自分を見逃してもらう代償として宝箱と攻略の証を攻略者に用意する。それでも核に触れようとする者には、ダンジョンは身を削ってでも何か他の物を追加に払うということがある。但し、これはダンジョンが最後の身を削った命乞いであるから、その後ダンジョンの活動は著しく低下する性質がある。
その為、管理されているダンジョンの活動を停止や弱らせることになるので、ダンジョンの核には触れることは原則禁止されている。管理する側も結界等、触れれないようにする措置を行っている。
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そうしたダンジョンの性質を知っていたイルマは、宝箱の中身も求めていたがダンジョンの核から触れることで得れる物の方も求めていたのだった。
「(ダンジョンの核に触れて力を得ることで、このダンジョンの活動を低下させることになるから、異変の規模を多少なりとも低下させることが出来ると思う。………問題は、触れたダンジョンの核から何が得れるのかということだけど……)」
ダンジョンの核に触れることで、その事で森の異変の規模を多少なりとも低下させることが出来るだろうと考えていたイルマ。
そして、再びダンジョンの核に触れることで得れる物についても考え出したイルマだが、只そのダンジョンの核に触れて得れる物が決まっていないこともあり何が得れるのだろうと思うイルマ。
なにせダンジョンの核から得れる物のランクは、ダンジョンの規模によって違う。また、内容もダンジョンの核からのランダムなので予想がつかないのだ。
その為このダンジョンの核から得れる物が何だろう、それが《ハイ・イート・トレント》の討伐に役に立つ物であれば助かるんだけど、とイルマは考えていた。
(ハァー、悩んでもしょうがない……。
結局、宝箱も核から得れる物も開けるまで、手に入れるまではわからないのだから。)
そう考えていたイルマは、結局手に入れるまで分からないのだから取らぬ狸の皮算用を止めた。
そうしてイルマ達は先ずは宝箱から開けるのである。
ガチャッ! ギィーー!
そっと宝箱の中を覗くイルマ達。
「「「「ッ!?おぉーー!」」」」
「スゲー!!───おぉっ!この剣とかカッコいいぜーー!」
「ふっふーん、この杖なんて私に似合うじゃない?」
「……私はこれがいい!」
「おぉっ!!予想以上に良いものが入っている!?」
宝箱の中身を見たメラ達は、各自自分が気になった物を手に取っては喜びの声を上げたり、手に取っては早速装備していった。
「(あ、僕も欲しい物は手に入れないと!?)」
そんなメラ達にイルマも自分が気になった物を手に取り自分の物にした。
そうして中身が無くなった宝箱は、その姿をイルマ達の視界から消えて無くなるのだった。
そんな消えた宝箱にメラ達は「あぁっ!宝箱が消えた!?」と声を上げるが、イルマはそれはダンジョンの仕組みだから大丈夫と伝えるとメラ達は、「何だ、これは問題ないのか」と、ホッとした声を漏らす。
そして、肝心の宝箱の中身についてだが、嬉しいことにもイルマの予想より良いものが多数入っていた。
その予想よりも良かった宝箱の中身をイルマは、固有技能【開示2】でそれぞれの詳細を視ていく。
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【魔鋼の剣】
・魔鉄を更に鍛えて出来た剣。この剣は魔法をも断つ。
【魔封じの杖】
・魔法の力を約10分という制限時間は有るが、封じる力が備わっている杖。
※対象に杖の力を直接当てる必要があり、レベルが高い技能≪魔力操作≫があれば解除出来ることもある。
【操魔の短剣】
・魔力操作で、自在に動かすことが出来る短剣。魔力を通すと切れ味を上昇することが出来る。
【魔除草薬】
・植物を枯らす薬
【空転の靴】
・空中を二回跳ねることが出来る靴。
【ポルカ≪仮≫・ダンジョンの攻略の証】×4
・ポルカ≪仮≫・ダンジョンを攻略した証。証を持つ者はその証のダンジョンでの階層移動がワープで行える。
・同時期の証を持つ者通しなら、短距離のみ通信を行える。
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固有技能【開示2】で宝箱の中身の詳細を視たイルマは、この宝箱の中身に疑問を覚えた。
……………僕らが今欲しいアイテムばかりが入っている。………まるで、ダンジョンの核が《ハイ・イート・トレント》を倒して欲しいと言わんばかりだ………
宝箱の中身に喜んでいるメラ達を余所に、イルマは宝箱の中身からダンジョンの意思を感じた。
そして、
次はダンジョンの核に触れるだけとなる。
「え~と、皆?何、僕が核に触れてもいいの?」
その時、メラ達3人はイルマが触らないのかと視線を向ける。
その事にイルマは自分が触れてもいいのかと躊躇した。
何故ならダンジョンの核に触れて何かを得ることが出来るのは1人だけだからだ。
その為、イルマは自分にそのダンジョンの核から何かを得る機会を譲る視線を向ける皆に、本当にいいのかと念を押すかのように尋ねた。
「ああ、俺はかまわないぜ。俺はこの【魔鋼の剣】と攻略の証で十分だぜ」
「私も【魔封じの杖】と攻略の証だけでいいわ。そんなに物か力かは知らないけど、一杯手に入れても私、イルマみたいに使いこなせないわ」
「私もいい。メラと同じく、使いこなせないから。今回はイルマが適任」
「……皆ーーわかった。じゃあ、僕が核に触れるよ?」
「「「おぉ!(ええ)(うん)」」」
メラ達のその言葉にイルマはわかったと頷く。
そして、イルマはダンジョンの核に触れる為に核に近づいていく。
そうして近づいてはダンジョンの核にそっと、触れるイルマ。
……するとダンジョンの核は輝きを強くする!
その輝きはイルマの手を通して辺りに広がっていった!!
「「「っイルマ!!??」」」
「─────っ!!」
イルマからはダンジョンの核に触れても、何も心配することはないと言われていたが、いざイルマがダンジョンの核を触れた後に輝く姿を見たメラ達は心配の声を上げた。
ーくっ!ダンジョンの核から手を通って予想以上の力が流れてくるッ!───────っ宝箱の中身を考えたら、このダンジョンは《ハイ・イート・トレント》を倒して欲しいと願っているのは感じた!それと、このダンジョンは生まれたばかりなことや《ハイ・イート・トレント》の技能≪魔物誘引≫で、このダンジョン内から魔物を奪われてたことから力が余り残ってないと思っていたけど、思っていたより力を持っているッ!このダンジョンの核は普通じゃない!?
イルマは自分の手を通して流れてくる予想以上のダンジョンの力に驚きと普通じゃないという考えが浮かぶ。
そんなイルマの想いや考えは、次第に収まっていくダンジョンの輝きによって遮られた。
"ピロン!!、ダンジョンの核から魔法技能≪
その時、イルマの頭の中にダンジョンの核から新しい
「いっイルマ、大丈夫なのか?」 「イルマ!身体は何ともないの?」 「大丈夫?」
「…………うん、大丈夫。身体は何ともないよ。……それに無事に力もダンジョンの核から得ることも出来たよ」
イルマの無事に、ダンは両手を腰に手を当て息を吐き、メラは涙目で心配させたイルマを睨み、シーラは手を胸に当て息をそっと吐いていた。
「ハァー、よかったぜ…。」「もうっ!あんたの身体まで輝くから心配したんだからね!」「無事で良かった。」
「うん。心配かけてごめん」
それと心配してくれてありがとう。とイルマはメラ達にお礼と謝罪をする。
その後続けてイルマは、皆に1つ伝えたいことがあると告げた。
「……《ハイ・イート・トレント》の倒す算段がついたよ」
今回イルマ達が手に入れた物・力。
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【ダン】
【魔鋼の剣】
・魔鉄を更に鍛えて出来た剣。その剣は、魔法をも断つ。
【メラ】
【魔封じの杖】
魔法の力を約10分という制限時間は有るが、封じる力が備わっている杖。
※対象に杖の力を直接当てる必要があり、レベルの高い技能≪魔力操作≫があれば解除出来ることもある。
【シーラ】
【操魔の短剣】
・魔力操作で、自在に動かすことが出来る短剣。魔力を通すと切れ味を上昇することが出来る。
【パーティーの所有物】
【魔除草薬】
・植物を枯らす薬
【イルマ】
【空転の靴】
・空中を二回跳ねることが出来る靴。
【全員】
【ポルカ≪仮≫・ダンジョンの攻略の証】×4
・ポルカ≪仮≫・ダンジョンを攻略した証。証を持つ者はその証のダンジョンでの階層移動がワープで行える。
・同時期の証を持つ者通しなら、短距離のみ通信を行える。
【イルマ】
魔法技能≪従魔契約≫new、≪従魔召還≫new
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