第25話 それぞれの戦い
—林の中—
気配を消せるという能力だけですら、
バシッ! バシッ!
バキッ! ドカッ!
ズザー……。
見えない打撃が次々に
「あの一撃を喰らっただけで、他は全て上手く捌いている。さすがは怪異師か」
「ハハッ。これでも精一杯だよ。それより変わった
「私は
「
「ほぉ。私の主人を存在しない者扱いをするのか。なんとも失礼極まりないやつだ」
(この反応だと本当に存在している。何故だ? 本当なら平安時代の人間なはず。怨霊としてなんか聞いたこともない。聞き出せるだけ聞いてみるか」
「
「はぁ? 答えるとでも? 私はお前たち怪異師を殺せとしか命令されていない。命令以外のことは動かぬし答えぬ」
(馬鹿な
「なら、私の質問にも答えて貰おうか? 何故、私の攻撃を捌ける? 見えているのか?」
「その質問にはこの答えがお似合いだよ。答えとでも?」
「貴様…! 馬鹿にしよって」
「生憎、
これは
「面白い男だ」
「それはお互い様だよ」
だが、
術式を発動してないと、
《せめて、もう一人いれば祓える可能性があったんだけど。時間を稼いで増援が来るのを待つしかないね)
「さて、続きを始めようか!」
「お前、攻撃出来ないのか?」
「さぁね? 君が攻撃パターンを研究して機会を伺ってるのかもしれないよ」
(気付き始めたか…。だが弱点は既に把握している)
そう
「お前の冷静さは、嘘か実かわからなくなるな。戦いに慣れた性格をしている」
「褒めてくれてるのかな? 有り難く受け取っておくよ!」
次の瞬間、
(おー当たったか。これで術式がバレなくて済むな)
「いきなりで申し訳ないね。君は油断する癖があるのは戦ってわかったよ。祓われるのも時間の問題だね」
「無駄口が多いということか。ならここからはただお前を殺すために集中する!」
戦いを行方は…。
♦︎ ♦︎ ♦︎ ♦︎
-少し開けた場所-
ザザザァァァァァ——
砂埃が舞い、
ドサッ。
「さぁ戦え!」
「なんやの、この
「大層な送迎の仕方をしてくれたで」
「俺様は
「
「あぁ。ありゃ相当堅いと見えるで。
「またかいな。最近は体の堅い
「任せて! もう準備は出来とるから! 貫通術式・退魔の矢!」
「嘘やろ⁉︎ 私の一撃を弾くなんて!」
「今ので終わりか? なら今度は俺様の番だな!」
自分の身体を強く叩き始めた。それはまるでゴリラのドラミングのように威嚇しているのか。それとも筋肉に刺激を与えているのだろうか?
「さぁいくぞ!」
近くいた
「ごはぁ…」
(なんや今の一撃。想像より10倍を重たい一撃やないか)
吹き飛ばされたあと地面を転がり、微動だに動かなくなった
だがその攻撃も虚しく、
「さて、次はお前が俺様の筋肉の前にひれ伏すがいい」
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