第23話 不穏な気配
「
「…強い負の感情。一体どうなるんですか?」
強い負の感情を持つと
「死ぬのも時間の問題やろなぁ」
「そんな…」
「とにかく落ち着きさえしたら、酷いことにはならんとは思てるけど…。祈るしかあらへんね」
(どうして…? 何でこうなったんだ? 俺が怪異師になってから運命の歯車が狂ったのか。誰が、誰が悪いだ。俺自身が呪われているのか? 人を傷つけることが無かったとは言えない。俺が死ねば…俺が死ねばそれで解決するのか⁉︎)
無言で色々考えてはいるが、様子は明らかにおかしい。焦点が合っていない。
「くだらないこと考えているだろ。目を覚ませ! 何で怪異師に誘ったか教えてやるよ。お前には、父の悲願である三大悪妖怪を倒す力があるかもしれないからだ。
(俺にそんな力が…。いやあるはずない。だとしたら何故、
「そんな力あるわけないだろ…」
弱音を吐く
「いい加減にしやがれ! お前がどうこうなんか関係ない。それでいいのかよ! お前の友達は…何で死んだんだ! お前が生きてる理由があるのなら立てよ。立ち向かえよ!」
(立ち向かう。
「
「とにかく、お前の償いはこれからだ。俺も手は貸す。無様な格好を見せても這いつくばれ」
(だが、コイツが過去に起こした事件とは何だ? それに呪われた人物だとさっきの人も言っていた。やはり崇徳一族である可能性が高いってことか)
こうして、俺は
それは正午の出来事であった。
♦︎ ♦︎ ♦︎ ♦︎
その日の夜—。
京都の空は不吉な雲に覆われていた。分厚く波打つ形をした雲に、妙な明るさが残る夜であった。体にビリビリと不気味な気配を感じる。
すぐさま異変に気付いた
「お兄ちゃん…怖いよ」
いつもの厨二病が出ていない。そう
(へへーん。今は
一方、
「
「まぁまぁ、
「せや言うても…。まだ怪我も完治してるわけやあらへんし。やっぱり行かん方がええ!」
「母さん、行かせてくれへんやろか。俺だけ黙って待ってるなんてこと出来へん!」
「……仕方ないな。これも父さんの血を譲り受け取る証拠や。これだけ持っていき」
「こんなことに
「母さん、堪忍な。絶対生きて帰ってくるさかい」
「
「
「こんな状況で指咥えて待っとるのは性に合わんってことやで」
「
「
「口では信用得るのは難しいからね。働きで示すしかないと思ってるよ。同業者として別々の道を進むのはよくないからね」
「それより、
「僕の力で探してみるよ」
「大きな呪力を持った
「じゃ、じゃあこの異様な雰囲気もその四体の
「だろうね。かなり強いよ」
「とにかくここに居ても意味はない。俺たちも行くぞ!」
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